お祖母様、今なんて言いました?
「はぁ……」
腕に貼り付けた葉っぱを見る。
「効いているのやら、効いていないのやら……」
正直、何とも言えない。少し楽になったような。全然変わらないような。
「……効いていることにしよう」
病は気からとも言うしね!たぶん!
「クルークちゃんや?」
「ん?」
「何しとるんじゃ?」
振り返ると、お祖母様が立っていた。
「お祖母様」
「腕に葉っぱなんぞ貼り付けて、どうしたんじゃ?」
「ああ、これですか?」
私は腕に貼り付けた葉っぱを見せる。
「痛み止めとして、この葉っぱを揉んで腕に貼り付けてますが……」
「ほぅ」
お祖母様が葉っぱを見る。
そして、すぐに頷いた。
「クルークちゃんは物知りだねぇ」
「え?」
「合っているよ。その葉は鎮痛作用があるのじゃ」
「おお!」
やっぱり!うむ。正解!やってみて良かったよ。前世で見たイタドリとは違うかもしれないけど、この世界でも似たような使い方ができる植物だったらしい。
これなら腕の痛みにも――。
「しかし……」
「ん?」
お祖母様が不思議そうに私を見る。
「どうやって知ったんじゃ?」
「げっ」
不味い!そうだった!
四歳児がいきなり薬草の使い方を知っていたら、おかしいじゃん!
どうする?どうする!?
「え、えっと!」
必死に頭を回す。そして――。
「お祖父様の書斎にあった植物図鑑に載ってました!」
これだ!困った時のお祖父様の書斎!
「あー。あれか」
お祖母様が納得したように頷く。
「なるほど……それなら載ってるかもしれんか」
「はい!」
セーフ!セーフ!危なかったぁ……前世の記憶があるなんて悟られたら、説明のしようがない。やっぱり、お祖父様の書斎は便利だ。
これからも困ったら使わせてもらおう。
「そういえば」
私はお祖母様を見る。
「お祖母様も植物に詳しいんですか?」
さっきは葉っぱを見ただけで、すぐに鎮痛作用があると分かった。かなり詳しいみたいだ。
「もちろんじゃ」
お祖母様は胸を張る。
「暗殺部隊にいた頃は――」
「……」
「じゃなくて」
「……はい?」
お祖母様は何事もなかったかのように続ける。
「昔から植物が好きでの〜。色々と試したもんじゃ」
「……」
「薬になる草もあれば、食べられる草もある。逆に食べてはいかんものもあるからの」
「……」
「クルークちゃんも興味があるなら、今度教えてやろう」
「は、はい……」
お祖母様はニコニコしている。
でも私はそれどころではなかった。今……さらっと、なんかやべーこと言ってなかったか?
「お祖母様?」
「なんじゃ?」
「さっき……」
「植物は面白いぞ?」
「いや、その前……」
「さて! そろそろ訓練を再開するかの!」
「えっ!?」
お祖母様が立ち上がる。
「クルークちゃん! 腕はもう大丈夫じゃろ?」
「ちょ、ちょっと待って!」
「ほれ、メイスを持つ!」
「まだ痛いんですけど!?」
私は慌てて立ち上がる。
いや!それより!暗殺部隊って何!?
お祖母様。あなた一体――昔、何やってたの!?




