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冷徹令嬢は王国最強戦力たちを乱しがち。最強魔導騎士は今日も赤面しています  作者: 荒木カルメン
第一章 溶けた気持ちと強き想い

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陽気な二人

国王とゼノスは食後もその場でゆったりと白ワインを飲んでいた。

ルークが朝買ったというチーズケーキを持ってきた。陛下とゼノスも分けてもらった。チーズケーキを食べているルークとリゼリアは、もう少し買えばよかったなどと話している。


何やら二人で朝でかけていたらしい。

リゼリアの髪飾りもルークの瞳の色をした石があるのにも気が付いた。


ゼノスが国王にチーズケーキにフォークを刺しながら話し出した。

「王様、うちの弟子は中々やるみたいだな。

どうしたらいい?

俺の養子にすれば侯爵になるから、公爵家との縁談は可能か?」


「ちょっと待て、ゼノス。うちの息子も負けとらんはずだぞ。

リゼリアが義娘になれば私も嬉しい。

彼女の右側の髪にはもう一つ髪飾りが飾れる。すみれ色が似合うぞ」


「王様、私欲はいらんぞ」

「ゼノスも弟子びいきだろうよ」


「父上、ゼノス様。本人達の前ではやめていただきたい」

「王子、嫉妬心が漏れてるぞ。客観的評価も必要だ」


「ゼノス様、その言葉、いただきました」

カイルは急いでノートに記した。


「ルーク、お嬢ちゃんの為にミルクを魔法で温めたらしいな。愛だな。」

「!!!愛って。。。からかうな。飲みすぎだよ、師匠」


「俺は愛する白ワインをいかなる時も冷やしたい。」

「国王の白ワインも、冷やされるの待っとるぞ」


「姉上、一緒により強力な鎮静魔法をここ全体にかけましょう」

「ユリウス、皆さん楽しんでらっしゃるだけですよ。いいではありませんか」

「姉上の話でもあるんですよ。実は…」


「ルーク!温めもいけるなら冷しもいける。白ワイン冷やしてみろ。良いとこみせよう」

「ラインハルト、お前もできるはずだ。私の白ワインを使え」


「父上、ただおいしく飲みたいだけじゃないですか」


「ラインハルト、俺はやるぞ」


「ルーク」


2人は白ワインのグラスを持ち、反対の手の平に集中して魔力を送る。冷気で表面の水滴が次第に凍ってきた。

「師匠飲んでみて」

「父上、確認してください」


「どれっ」

国王とゼノスが一斉に白ワインを飲んだ。


「うちの弟子の冷やし方には愛がある。勝った」

「いや、うちの息子の白ワインは私好みの冷え具合だ。勝ちだ」


「この二人が一緒にいると国が進化するぞ、王様」


「楽しい未来が待っとるな、ゼノス。


それと、2時間離れた山脈の町に魔獣の被害がでておる。

白ワインで競い合った後は、仲良く連携して対応してこい。」


「連携は大事だな、王様。」

「何日か食後の運動してこい。」


☆☆☆

少数先鋭の部隊を引き連れて、ラインハルトとルークは山脈のドラコという町に来ていた。

「ラインハルト、討伐経験はあるのか?」


「ああ、二年前くらいから、時々参加させてもらっている。

討伐と被害状況の確認や対応とな」


「本来、この町の近辺に魔獣はあまり近寄らないようになっていた。

火竜の加護があると言われているんだ。火竜の存在を確認はしていないが。

何が問題か今はわからない。

今回は魔牛だそうだ。大型と複数いるらしい。」


「被害の補填になるかわからないが、魔牛は処理の方法を適切に行えれば食べられる。結構うまい。」


「一般人も食べても問題ないか? 明日討伐後、現地の人にも食用方法を指導すれば、魔牛も活かせるってもんだ」


「魔力に馴染みのない人達は少量を煮込みで提供したら大丈夫だ。魔石をとって数日経て魔力の影響は消える。干物にしたら味わいもいいぞ。

町の冒険者ギルドとも連携が必要だな。

明日の戦力の確認を今日中にしておくか」


先鋭隊と被害状況の聞き込み後、

ラインハルトとルークはひと休みをしながら話をしていた。


ただ被害に応じた討伐のみでは今後に活かせない。

ルークも前線や国境での復興協力をしていた為、視点が広い。

ラインハルトはルークと話をしていて頼もしく感じていた。


夜はラインハルトの希望で町の人気の食堂で夕食を食べる。

金髪で整った顔立ちはとても目立つため、髪の色をブラウンに染めていた。

紺のラフなシャツを着ているも王族の華やかな風貌は隠しきれていない。

顔を赤らめている若い女性たちの目線が刺さる。


「さすがお忍びでも大人気だな、ラインハルト」

「いや、半分はお前を見てるぞ、ルーク」


2人は串焼き、チキンの香草焼き、マッシュルームのオイル煮やパンなどを頼んだ。見事に8割は肉だった。


周りがエールやワインを楽しく飲んでる中、二人は冷えた水で乾杯をする。

白ワインを飲んでいる中年の2人組をみかけた時、ラインハルトは昼食時のことを思い出した。

「父上とゼノス様に、もて遊ばれたな。まさか来られるとは思わなかった」

「師匠はふざけるのが好きだからな」


「ラインハルト、仮にだぞ、結婚を意識するなら爵位はつり合いが必要か?」


「ラレド公爵は気にしない性分だが、つり合いはあったほうがいいな。ゼノス様の養子になるのか?」


「自分の功績で爵位はもらいたい。

ただ、急にもらえるもんじゃないからな」


「私もリゼリアもお前を待たないからな。

自分で欲しいなら国にじゃんじゃん貢献しろ。

ゼノス様は一代で侯爵は異例だぞ。すごく頑張って辺境拍か」


「リゼのそばにいながら功績をだすのは可能なのか。。。?!

一日でも離れたくないのに。。。」


「皆が驚く魔法を生み出すとかか?飲み物温めでは爵位はやらん」


「まあ、そうだな。はは」


「その前に私が勝負を終わらせてあげよう。リゼリアを振り向かせる」


「潔いお前もいいな。」


「まずは髪飾りに対抗できるものを贈る。

イヤリングは良いだろう。

指輪も考えたが思いが重く感じられるのは嫌だ」


「イヤリング、俺も贈りたい。。。瞳の色ってそんな深い意味あるの知らなかった。俺、リゼの瞳色のピアスを自分に買おうかな」


「ルーク、自称自覚なき愛が重すぎて引くぞ。」

「ラインハルトも欲しいだろ?買うか?」

「欲しいとも!

だが、そしたら私とお前がお揃いになってしまうだろうが!

あわよくば、リゼリアからもらいたいものだろ」


「はは」

ルークとラインハルトは同時に笑った。

真剣に話しているのだが、どうも方向があらぬ方へ暴走してしまう。


「来年ラインハルトは酒が飲めるようになるだろう?一緒に白ワインを飲もうな」

楽しそうにグラスを交わしていた国王とゼノスを思い出したのだろう。ルークは水の入ったグラスを前に出した。


「冷えたやつで乾杯しよう、ルーク」


王子と王国最強戦力は仲良く陽気に語り合った。


翌日、

二人は冒険者への戦術指導で討伐自体は完了。魔牛の解体と食用部位の管理指導、流通先を確保した。

今後、魔牛メニューがこの町では名物料理として楽しめるだろう。


☆☆☆

国王とゼノスは、万が一リゼリアのそばにノアが現れたときに対応できるよう離宮にいたが今夜は問題なさそうだ。

ラインハルトとルークがいないこともあり、国王とゼノスも交えて皆は落ち着いた雰囲気でのんびりとお茶を飲んでいた。

「お嬢ちゃんの得意な魔法は何だ?弟くんは?」

「私は術式解析です。魔法陣や術式の仕組みを読み取れます。また修正や解除が可能です」

「読み取るとは魔法の構成を理解しているのか?」


「そうですね。

学習し覚えている術式も多いのですが、もっと感覚的に術式が視覚で分かりやすく見えます。

だから、高度な術でも初見で何の魔法かわかります。

分かりますが、魔力量は多くないので、できることは少ないですよ。」


「この力もラレド公爵は内密にとリゼリアには伝えておる。ゼノスも他言無用でな」


「弟くんは?」


「僕は神官系魔法が全般的に可能です。魔力量は多い方です」


「ラレド家の子どもは母方の聖王国王家の血が色濃くでている。歴代聖女や聖人は代々王女、王子が国のシンボルとして担っておる。」


「ただ今の聖王国王女は歴代最高の聖女として名高く活躍していると噂じゃ。今回、聖王国が一枚噛んでいるのかは証拠がつかめん。むしろ、教会支部、共和国の方があやしい動きがある」


「わかったことは共有するのでな、よろしく頼むぞ」


「承知しました。情報共有はおまかせください」

カイルが完璧に一礼をした。


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