第86話 わがままからの宇宙の一手
閑話含めると、90話到達汗
行けるとこまで行きますぞ〜。
「というわけで、何かいい案ある?」
ゴルドはいつもの様に、全投げスタイルの質問をする。
ヒロが、美月が、ヴォルク達が笑う。
張り詰めた空気を、わざわざまた戻した。
エドガー伯爵は、あごに手をやり、感心したように笑みを浮かべる。
(やるじゃないか・・・領主として、己が危機を感じ取り、家臣達へはっきりと伝えて、理解してもらう・・・)
それは、言葉で言うよりも、はるかに難しいことである。
同じく貴族の主人として立つエドガーだからこそ、ゴルドの成長が、よく分かる。
「分散がリスクなら、発想は逆転させるべきだ。つまり・・・固まることになる」
ヴォルクは整理するように、分析して話す。
「ここで問題となるのは、追いかけっこになることだな」
ゴルドが、うんうん、なるほどね、どういうこと?と顔で聞いてくる。
美月が仕方なさそうに、解説を入れる。
「ゴルドさん、単純に考えればいいんです。敵がどう攻めるか分からないですよね?レジスタンスは5つ組織がありますけど、どこから敵が攻めるか、分からないので、情報が手に入ったら追いかけるところからのスタートなんです」
「あー・・・まぁ、そりゃそうか」
ゴルドはようやく納得して頷く。
「次に、敵に分散された時、面倒だ」
「追いかける先が多いからか?」
ヴォルクの懸念点に、ゴルドは思いついたことを言う。
「それもそうだが、オレ達がいないレジスタンスなんて、カモだ。オレ達が分散した敵一つに釘付けにされていたら、他の余力でレジスタンス達は終わりだろうな」
あれ?・・・仲間にした意味ある??
ゴルドは冷や汗をかき出す。
「だが、逆に言えば・・・レジスタンス達へ、支援物資は十二分に渡した。同時決起の手助けもする。後のことは、そりゃ自分たち次第だよな」
「へ?」
ヴォルクの言い方に、ゴルドは間抜けな声で答える。
「早い話、彼らがどうなるかは、彼ら次第で。切り捨てるというなら、アリだな。時間稼ぎと、オレ達が分散した敵に追いつくまでのデコイになってくれる」
ヴォルクの指摘に、ゴルドは頭を抱える。
ゴルドの線引きとしては、当たり前だが、自国領と仲間が第一優先である。
レジスタンス達は、早い話、利用している相手だし、彼等のために、仲間の命を危険に晒すのは、ゴルドとしてはノーである。
だから、分散してレジスタンスに付くことを良しとしなかった。
レジスタンスを軽視する判断を、そもそも始めたのはゴルド自身である。
ゴルドは、それが分かっているからこそ、ヴォルクのその問いに、そんなことしない!などと言う正義感ぶったことはしなかった。
が、我らがゴルドが、そんな寝覚めの悪い作戦を取るわけない。
ゴルドは日頃眠りこけている脳細胞をフルで叩き起こし、思考のために働かせる。
頭を抱えつつ、考えに考えた。
敵の転生者たち。
仲間と家臣達。
レジスタンス達。
ふと、研究所での、一幕を思い出す。
あの汚い豚のような、大司祭とか言ったか?
貴族派がどうのこうのと、確か喚いていた。
「・・・もっと分断できるんじゃね?」
ゴルドはピコーンと、考えが思いついた。
その様子を見て、ヴォルク達も、実はちょっと期待している。
(ボスの発想は、なんだかんだ言って有益だ)
(量子頭脳は、計算とか理論立てとかはするけど、突拍子もない発想な苦手なのよね)
(さすがゴッド様!きっと何か新たな考えを見つけたんだ!)
「ゴルド様?分断とは?」
ミハエルが代表して聞く。
ゴルドはいきいきとしながら、説明を始めた。
「敵同士でもっと潰しあって欲しいから、教皇派と貴族派?で、もっと削りあって欲しい!」
「いや、そんな願望を言われましても・・・」
ミハエルが困った顔で少し笑う。
「いや、レジスタンスに会うことできたんだから、今度は貴族派の偉い人に会いに行けばいい!そんで・・・まぁ、レジスタンスの時みたいに、協力する・・・と見せかけて、けしかけて、今なら教皇倒せますよ的な事言えば、暴れてくれるんじゃね?」
ふわっとしている。
どことなく、期待したヴォルク達が困り顔になる。
いや、ヒロだけは目を輝かせて喜んでいた。
「ご、ゴルド君、それはちょっと、フワフワすぎない?」
エドガー伯爵も、苦笑いで苦言を呈する。
「まぁ・・・発想としては、悪くはありませんが」
「ローガン!!分かってくれるか!!」
ローガンが少し同意を見せると、ゴルドは泣いて喜ぶ。
「もう少し詰めるべきですが・・・内部工作は、いくらやっても損はしませぬ」
うんうんとゴルドが頷くが、ヴォルクは難しい顔をする。
「だが、レジスタンス達は懐柔しやすかった。エリュシール国を打ち倒すという、分かりやすい大義名分に、そのエリュシールからかっぱらった支援物資をそのまま流せば、信頼も勝ち取れたからな。エリュシールの貴族派は、どうする?」
ヴォルクの問いかけに、ゴルドはうーんと悩む。
そして、考えがまとまったのか、顔を上げる。
「いい人なら、エリュシール国をその人に任せよう。悪いやつなら、騙そう」
「ざっくりだなオイ。そんなの、サリーとか向かわせたやつに判断させるのか?」
「レジスタンスより危なそうだから、サリーは行かせない。てか、レジスタンスより明確に敵だし、少人数は危ないでしょ」
「ボスっ!?じゃあ誰がいくんだよ!」
ヴォルクがさすがに頭を抱え出したので、ゴルドも、もしかするとこの案は難しいかなと思い始める。
「あの~・・・提案してもいいですか?」
ワカバが、ここで手を挙げた。
「おぉ!ワカバ殿!起死回生の一手をくれ!」
「いや、そこまで期待されても・・・ただ、ゴルド様のリクエストだと、生身の人間を派遣するのは嫌なんですよね?」
「うん、まぁ、敵、だからねぇ・・・」
ゴルドが答えるが、生身の人間が嫌、と改めて言われると、自分が無茶苦茶なことを言っていると再認識させられる。
ゴルドは申し訳なさそうに、やっぱ無理かなぁと思い始める。
「なので、ロボットに行かせればいいんですよ」
ワカバはそんなゴルドに、ケロッと言う。
会議は、シーンと静まり返ってしまった。
そして、ゴルドがその静寂を破る。
「・・・ロボット・・・って、誰だ?」
ワカバとゴルドは、互いに頭からハテナを出していた。
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なんでもお待ちしておりまーす!
ゴルド「新キャラか!」
ワカバ「いや、だからロボットです」




