↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界マーケティング ~剣も魔法も使えない俺は、勝てる仕組みで仲間を最強にする~』  作者: ポチ
灰色の翼編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/30

第十二話 絶望の三分間 ――フィーネVSボガード――

 短剣が、ガルドの喉へ迫る。


 避けられない。


 少なくとも、ほんの一瞬前までのガルドなら。


 シドの右肩が沈む。肘が伸び、手首が返る。


 刃先が、自分の喉へ向く。


 見えた。


 いや。


 それだけではない。


 次に右足へ体重を乗せることも、刃を避ければ左手の短剣が脇腹へ来ることも。


 なぜか、分かった。


 ガルドは首を傾ける。


 短剣が喉の皮膚すれすれを通り過ぎた。


 シドの目が見開かれる。


 予想通り、左の刃。


 ガルドは身体を半歩だけ後ろへずらし、服を掠める刃を避ける。そのまま弓を持った左腕を上げ、至近距離からシドの腕へ叩きつけた。


 乾いた音。


 ほんの僅かに、シドの姿勢が崩れる。


 ガルドは屋根を蹴った。


 二歩。


 三歩。


 距離。


 矢をつがえ、弦を引く。


 放つ。


「っ!」


 シドが短剣で矢を弾いた。


 屋根へ突き刺さった矢を挟み、二人の間に再び距離が生まれる。


 シドは動かなかった。


 ガルドも弓を構えたまま、相手を見る。


 先に口を開いたのはシドだった。


「……今、何をした?」


 ガルドは答えない。


 自分にも分からなかった。


 ただ、聞こえる。


 シドの呼吸。


 浅い。だが乱れてはいない。


 見える。


 右肩の外套についた傷。左右の短剣。瓦の上に置かれた足。


 ほんの僅かに、右足の踵が浮く。


 来る。


 ガルドが矢を放った。


 同時にシドも動く。


「!」


 矢は、シドが踏み出そうとしていた場所を通過した。


 無理に身体を止めたシドへ二射目。逃げた先へさらに三射目を重ねる。


 短剣が矢を弾いた。


 金属音。


 だが、さっきまでとは違う。


 シドがガルドの射撃を見て動いているのではない。


 ガルドが。


 シドの動き始めに合わせて撃っている。


「……へえ」


 シドがゆっくり笑った。


「そういう目もできるのか」


 ガルドは何も言わない。


「急に速くなったわけじゃない。腕力も変わってない」


 シドが一歩動けば、ガルドの照準もそこへ向く。


 もう一歩。


 また矢先が追う。


「なのに、さっきから俺が動く前に矢が来る」


 ガルドの耳が僅かに動いた。


 シドの口元がさらに上がる。


「見えてるのか?」


 返事はない。


「いや。違うな」


 シドは自分の右手を見て、肩を回し、足をずらした。


「見てからじゃ間に合わない」


 金色の瞳が、その全身を捉えている。


「肩。足。呼吸」


 短剣を軽く振る。


「……動く前の癖まで拾ってやがる」


 その言葉で、ガルド自身も初めて自分に起きていることを理解し始めた。


 シドが息を吐く。


「いいな」


 短剣を逆手に持ち替えた。


「その目」


 笑う。


「やってみろ」


 腰を落とす。


「そういう顔されると、本当にやりたくなるだろ」


 踏み込む。


 速い。


 だが、見える。


 右足。肩。視線。刃。


 ガルドが矢を放つ。


 シドは身をかわし、二射目を潜り、三射目を短剣で弾きながら距離を詰めてくる。


 ナイフはない。


 さっき弾かれたままだ。


 それでも、右手の短剣を弓で逸らし、左の刃を沈んでかわす。続く肘も身体をずらして避け、一歩だけ距離を作った。


 弓へ矢をつがえる。


 浅く引く。


 シドの目が動いた。


 撃たれる前に左へ逃げる。


 だが。


 そこだった。


 ガルドの矢は、最初から左へ向いていた。


「な――」


 シドが無理に身体を捻る。


 完全には避けきれない。


 矢が脇腹を掠め、黒い服が裂けた。


 血。


 シドが数歩離れて止まる。


 ガルドは弓を構えたまま静かに言った。


「避ける場所も分かる」


 シドは傷に触れ、赤く染まった指先を見て笑った。


「……最高だな」


「何がだ」


「獲物だよ」


 顔を上げる。


 その笑みには、もう余裕だけではない。


 純粋な愉悦が混ざっていた。


「逃げるだけの奴より、殺せると思った奴より」


 短剣を一度回す。


「途中で牙を生やす奴の方が、ずっと殺し甲斐がある」


 ガルドが弓を引く。


「悪趣味だな」


「今さらだろ?」


 シドが笑う。


「俺を何だと思ってたんだ」


「人殺し」


「正解」


 次の瞬間。


 シドが消えた。


 正確には、ガルドの視界から消えただけだ。


 右から足音。


 矢を向ける。


 いない。


 左。


 違う。


 上から瓦が落ちた。


 顔を上げた瞬間、短剣が飛んでくる。


 弓で弾く。


 その隙に、今度は屋根の下からシドが飛び出した。


「!」


 身体を捻ったガルドの肩を、刃が浅く掠める。


 シドは追わない。


 代わりに足元の瓦を蹴った。


 何枚もの瓦が宙を舞い、割れる。


 音。


 影。


 破片。


 その向こうにシド。


 全部が、一気に入ってくる。


「見えすぎるのも」


 シドの声。


「大変だろ?」


 短剣を避けた頬へ、瓦の破片が当たった。


「っ」


 さらに別の音。


 シドの足。


 短剣。


 風。


 遠くの鐘。


 人の叫び。


 街の足音。


 鳥の羽ばたき。


 さっきまでシドだけだった世界へ、情報が一気に戻ってきた。


「……っ」


 ガルドの眉間に皺が寄る。


 頭が熱い。


 シドはそれを見て笑った。


「やっぱりな」


 足元の小石を蹴る。


 ガルドの耳が反応する。


「便利なもんに見えたが、全部拾っちまうなら」


 今度は短剣を屋根へ投げた。


 からん、と金属音。


 目が一瞬そちらへ動く。


「増やしてやればいい」


 踏み込んできたシドへ、ガルドは矢を放った。


 外れた。


 今の状態に入ってから初めて、明確に読みを外す。


 シドが笑う。


「ほら」


 短剣がガルドの肩を浅く裂いた。


「戻ってきた」


 もう一撃を避けながら、ガルドは下がる。


「四日前の、殺しやすいお前に」


 違う。


 戻ってはいない。


 まだ見えている。


 聞こえている。


 匂っている。


 ただ。


 多すぎる。


 何を見る。


 何を捨てる。


 その区別ができていない。


 瓦が割れる音。


 その向こうから短剣。


 辛うじて避けた頬へ、新しい傷が走った。


「いい顔になってきたな」


 シドが楽しそうに笑う。


 ガルドは答えず、呼吸を整えた。


 全部を見る必要はない。


 鳥。


 いらない。


 市場。


 いらない。


 鐘。


 いらない。


 瓦礫。


 ――必要な時だけ。


 そして。


 目の前の男。


 必要。


 ガルドの瞳が再びシドへ向く。


 だが、さっきのように世界そのものは消えない。


 心臓は速い。


 息は熱い。


 額から汗も落ちる。


 この状態をどう使うのか。


 まだ、分からない。


「どうした?」


 シドが短剣を構える。


「せっかく面白くなってきたんだ。もう少し楽しませろよ」


 ガルドは静かに矢をつがえた。


「……うるさい」


 シドが笑う。


「そういうのは、俺を殺してから言え」


 二人が同時に屋根を蹴った。


 シドは短剣を一本、ガルドではなく横の古い煙突へ投げた。


 甲高い金属音。


 弾かれた短剣が屋根を跳ね、同時に蹴られた瓦が砕け散る。


 破片。


 音。


 影。


 さらに屋根の端にいた鳥まで一斉に飛び立った。


「さあ」


 シドが瓦の陰へ身体を沈める。


「どれを見ればいい?」


 ガルドは矢をつがえた。


 鳥。


 いらない。


 瓦。


 今は、いらない。


 落ちた短剣。


 いらない。


 風。


 必要。


 シド。


 必要。


 ガルドは。


 目を閉じた。


「……?」


 シドの笑みが僅かに消える。


 見るものが多すぎるなら。


 全部を見る必要はない。


 森でも同じだ。


 木々が揺れる。虫が鳴く。鳥が飛ぶ。水が流れる。


 そのすべてを追いかけていたら、獲物など狩れない。


 必要なのは。


 どれが獲物の音なのか。


 それだけだ。


 ガルドの耳が動く。


 瓦を踏む音。


 一つ。


 違う。風に揺れただけ。


 もう一つ。


 違う。落ちた破片。


 そして。


 僅かな革靴と瓦の擦れる音。


 右。


 ガルドが目を開いた。


 放つ。


「っ!」


 煙突の陰から飛び出したシドが身体を反らした。


 矢が頬を切る。


 着地したシドが指先で傷へ触れた。


「……そう来るか」


 ガルドは答えない。


 さっきまで聞こえていたものが消えたわけではない。


 ただ。


 捨てられる。


 必要ではないものを、自分から。


 シドが舌打ちした。


「気に入らねぇな」


「何がだ」


「その顔だよ」


 もう笑っていない。


「さっきまで必死だった獲物が、急に俺の動きを分かったような目で見てやがる」


 ガルドは弓を向ける。


「実際、少し分かる」


 数秒。


 シドの口元が再び歪んだ。


「いいな」


 今度は、本当に楽しそうだった。


「だったら、その余裕が消えるところまでやろうぜ」


 シドが走る。


 もうガルドは、すべてを追わなかった。


 煙突。段差。屋根の傾斜。散る瓦。


 見るのはシドの肩、足、腰、視線。


 何を見ている。


 どこへ行きたい。


 それだけ。


 矢を放つ。


 シドが止まり、進路を変える。


 さらに先へ撃つ。


「チッ……!」


 身体を捻った左腕を矢が掠め、血が飛んだ。


 それでもシドは止まらない。


「面白ぇ!」


 声を上げて笑う。


「やっぱり殺すなら、こういう奴じゃねえとな!」


 一気に距離を詰める。


 ガルドが弓を背へ回した。


 右の短剣を避け、左を弓で流す。肘を沈んでかわした直後、シドの蹴りが腹へ入った。


「ぐっ……!」


 身体が屋根を転がる。


 集中していても、身体が強くなったわけではない。


 傷も疲労も消えていない。


 ガルドが起き上がるより先に、シドが迫った。


「見えてても、身体が追いつかなきゃ意味ねぇよなぁ!」


 短剣をかわす。


 もう一本が袖を裂く。


 蹴りは腕で受けた。


 骨まで響く重さ。


 一歩下がれば、シドがその分だけ詰める。


 近い。


 弓が使えない。


 四日前と同じ距離。


 シドも、それを分かっている。


「結局ここだ」


 ガルドの目を見て笑う。


「どれだけ見えるようになっても、俺がこの距離まで入れば、お前は弱い」


 ガルドは呼吸を整えた。


「……そうだな」


 シドが眉を上げる。


「認めるのか?」


「ああ」


 ガルドは弓へ手を掛けた。


「だから」


 矢をつがえる。


「ここで勝つ必要はない」


 シドの表情が変わる。


 ガルドが浅く弦を引いた。


「それか!」


 シドはもう知っている。


 威力の弱い至近距離射撃。


 相手を避けさせ、距離を作るための矢。


 撃たれる前から右へ踏み出す。


「もう見たって言っただろ!」


 ガルドが放つ。


 矢は、シドの左側を通った。


 最初から当てる気がない。


「……?」


 シドの右足が、ガルドの予想した場所へ着く。


 その瞬間。


 ガルドは後ろへ逃げなかった。


 逆に。


 一歩、踏み込んだ。


「な――」


 弓を横へ振る。


 その端が、短剣を持つシドの手首へ叩き込まれた。


「っ!」


 刃先が逸れる。


 ガルドはその横を抜けた。


 一歩。


 二歩。


 シドが振り返る。


 ガルドも振り返る。


 まだ距離は十分ではない。


 だから。


 もう一本。


 浅く引く。


「同じ手を――!」


 放つ。


 シドは避けた。


 左。


 ガルドが見ている。


 避けた先。


 そこへ今度は。


 深く。


 弦を引く。


 シドの顔から笑みが消えた。


「……っ」


 間に合わない。


 弦が鳴る。


 矢が走った。


 シドは身体を捻る。


 それでも。


 完全には避けられない。


 矢が右肩を貫いた。


「ぐっ……!」


 衝撃で身体が回り、短剣が一つ屋根へ落ちる。


 だが、ガルドはもう次の矢をつがえていた。


「てめぇ……」


 シドは肩に刺さった矢を折る。


 血が流れる。


 それでも笑った。


「いいぞ。それで終わりだと思うなよ」


 残った短剣を握る。


「片腕だろうが、腹を裂けば同じだ。最後に立ってる奴が――」


 ガルドが矢を向ける。


 シドが止まった。


 狙いは胸。


 その瞬間、シドの視線がほんの僅かに左へ動く。


 逃げる場所。


 ガルドには見えた。


 そしてシドも。


 それを見られたことに気づいた。


 一瞬。


 二人の視線が合う。


「……なるほどな」


 シドが小さく笑った。


 今度の笑みには、悔しさと妙な納得が混ざっている。


「全部、見えてんのか」


 ガルドは首を振った。


「全部じゃない」


 弓をさらに引く。


「必要なものだけだ」


「……気に入らねぇ答えだ」


 次の瞬間。


 シドが走った。


 ガルドが放つ。


 予想通り、シドは身を翻した。


 一射目。


 外れる。


 だが。


 ガルドはもう、二本目をつがえていた。


 シドが避けた。


 その先。


 そこへ。


 矢。


「――っ!」


 胸元へ深く突き刺さる。


 シドの身体が止まった。


 短剣が手から落ちる。


 一歩。


 二歩。


 屋根の端まで後退しても、シドは倒れなかった。


 胸の矢を見る。


 それからガルドを見る。


「……二本目まで、読んでたのか」


 ガルドは弓を下ろさない。


「お前なら避ける」


「……ハッ」


 シドは血を吐きながら笑った。


「俺が対応するところまで……使ったってわけか」


 ガルドは答えない。


 シドの膝が落ちる。


 それでも最後まで、口元には笑みが残っていた。


「次に会ったら……」


「ない」


 ガルドが言った。


 シドが顔を上げる。


 金色の目が、まっすぐシドを見ていた。


「ここで終わりだ」


 数秒。


 シドは何かを言おうとして。


 やめた。


「……そうかよ」


 身体が傾く。


 屋根へ倒れた。


 動かない。


 ガルドはしばらく弓を構えたままだった。


 一秒。


 二秒。


 三秒。


 シドが動かないことを確認して、ようやく息を吐く。


 その瞬間。


 世界が戻ってきた。


 鐘。


 人の声。


 荷車。


 鳥。


 風。


 一気に。


「……っ」


 ガルドが片膝をついた。


 頭痛。


 耳鳴り。


 吐き気。


 全身から急に力が抜ける。


「……何だ、これ」


 自分の手を見る。


 震えている。


 さっきまで、何もかもがあれほど明確だった。


 シドが次に何をするか。


 どこへ動くか。


 何を狙っているか。


 分かった。


 今はもう、分からない。


 意識して耳を澄ませる。


 風。


 声。


 鐘。


 全部、普通だ。


「……」


 ガルドは倒れたシドを見る。


 勝った。


 それだけは間違いない。


 だが。


 どうやって、あの状態になったのか。


 もう一度できるのか。


 分からなかった。


 遠くから足音。


 狼耳が動く。


「ガルド!」


 旧衛兵の男が屋根へ上がってきた。


 倒れたシドを見て、言葉を失う。


「……お前」


 ガルドを見る。


「やったのか?」


「ああ」


「シドを……?」


 ガルドはゆっくり立ち上がる。


 身体中が痛い。


「他は」


「え?」


「監視網だ」


 旧衛兵が我に返った。


「順調だ。さっき北側の連絡所も落とした」


「なら行け」


「お前は?」


 ガルドは自分の傷を見る。


 立てる。


 弓も持てる。


「まだ終わってない」


 旧衛兵は一瞬呆れた顔をして。


 笑った。


「ああ」



    ◇



 屋根の下では、すでに新しい情報が次の人間へ渡っていた。


 シド・ノックス。


 ブラックハウンドの目と耳を束ねていた男は、もういない。


 だがベルナードには。


 無数の目と耳が残っている。


 シドが倒れたことは、まだベルナード中に知られてはいない。


 それでも。


 変化はすぐに現れた。



    ◇



「北二区、返事なし!」


 ブラックハウンドの男が叫ぶ。


「西側はどうした!」


「分かりません!」


「分からないって何だ!」


「連絡役が戻ってこないんです!」


 さらに別の男が駆け込んでくる。


「南通りの監視所も消えました!」


「またか!?」


 怒鳴り声。


 足音。


 命令。


 だが、誰も全体を把握していない。


 これまでは違った。


 一つ監視所が消えれば、シドが次にどこを見るかを決めた。


 報告が途切れれば、どの経路を疑うかを決めた。


 偽情報を流すのか。


 人員を増やすのか。


 逆に、わざと空けるのか。


 それを決める人間が、もういない。


「とにかく人を出せ!」


「どこへ!?」


「全部だ!」


「全部ってどこだよ!」


 命令が重なる。


 食い違う。


 その間にも。


 街は見ていた。



    ◇



「三人、南へ移動」


 八百屋の主人が言った。


 客の女が野菜を一つ取る。


「今日は高いね」


「仕方ないさ」


 会話はそれだけ。


 その情報は、路地の少年へ。


 少年から荷運びへ。


 荷運びから旧衛兵へ。


「南から三人」


「なら東が空く」


「行くぞ」


 誰か一人がすべてを知っているわけではない。


 それでも。


 必要な情報だけは、必要な場所へ届く。


 悲鳴もなく、また一人。


 ブラックハウンドの監視役が消えた。


 次。


 また一人。


 これまで街を見張っていた側が。


 今は。


 自分たちがどこから見られているのか分からない。



    ◇



「……速くなったな」


 仕立屋の二階。


 ダリオが地図を見ながら呟いた。


 黒い印が目に見えて減っている。


 俺は新しく届いた紙を読んだ。


「シドがいない」


 ダリオが顔を上げる。


「分かるのか?」


「たぶん」


 地図上のブラックハウンドの動きを見る。


 これまでは崩れた場所があれば、すぐ別の人間が埋めていた。


 今は違う。


 人は動いている。


 だが、ばらばらだ。


「ガルドがやったのか」


「まだ報告はない」


 それでも可能性は高い。


 嬉しい。


 そう思う。


 だが。


 喜ぶのはまだ早い。


 俺の目は、別の印へ移った。


 ボガード。


 マティアス。


 カイン。


 ザハーク。


 ブラックハウンドの幹部は、まだ残っている。


「情報網が崩れたら」


 俺は言った。


「次は力で押してくる」


 ダリオが眉を寄せる。


「誰が来る」


 地図の一ヶ所を指した。


「一番面倒なのは」


 少しだけ。


 嫌な予感がした。


「ボガードです」


    ◇



 東地区。


 フィーネは怪我人の腕へ布を巻いていた。


「これで大丈夫です」


「ありがとう」


「走れますか?」


「何とか」


「無理なら荷車に乗ってください」


 少し離れたところでは、ミリアが人々を誘導している。


「こっち! 教会まで行けば大丈夫!」


 老人。子供。負傷した男。荷物を抱えた女。


 戦闘員ではない。


 ただ、ここで暮らしていた人たちだ。


 フィーネは次の怪我人へ向き直る。


「どこを痛めました?」


「足だ」


「見せてください」


 治す。


 立たせる。


 次へ送る。


 また治す。


 それが、自分の仕事だった。


 ノアに言われた。


 戦わなくていい。


 治療と避難。


 それだけでも十分重要だと。


 フィーネは、その言葉を何度も思い出していた。


「フィーネ!」


 ミリアが呼ぶ。


「西側の人たちも来るって!」


「何人くらいですか?」


「二十人くらい!」


「分かりました!」


 立ち上がる。


「荷車をもう一台、こっちへお願いします!」


 近くにいた男が頷いた。


「分かった!」


 その時だった。


 遠くで、何かが砕ける音がした。


 ドン。


 フィーネが顔を上げる。


「……?」


 もう一度。


 今度は近い。


 ドゴン。


 周囲の人々も足を止めた。


「何の音……?」


 ミリアが呟く。


 足音ではない。


 剣でもない。


 魔法でも――たぶん、ない。


 さらに一度。


 ドゴォン!


 今度は建物そのものが揺れ、壁から細かな埃が落ちた。


「みんな!」


 フィーネは声を上げた。


 自分でも驚くほど大きな声だった。


「止まらないでください! 教会へ! そのまま進んでください!」


 人々が再び動き始める。


 ミリアが不安そうにフィーネを見る。


「何か来るの?」


「分かりません」


 そう答えながら。


 分かっていた。


 こんな進み方をする人間を、一人だけ聞いている。


 ――壁を壁として数えない。


 ノアの言葉。


 フィーネの顔から血の気が引いた。


「……まさか」


 次の瞬間。


 目の前の建物の壁が、内側から膨らんだ。


「え?」


 轟音。


 石と木材が粉塵とともに吹き飛ぶ。


「きゃああっ!」


 悲鳴。


 フィーネは咄嗟に杖を振った。


 青白い結界が広がり、飛んできた瓦礫を受け止める。


「……っ!」


 重い。


 それでも、人のいない方向へ流して落とす。


 粉塵の向こう。


 大きな影が現れた。


 一歩。


 瓦礫を踏み砕く。


 二歩。


 フィーネの手が震えた。


 聞いていた以上に、大きく見える。


 太い腕。分厚い胸。拳には砕けた石の粉。


 ボガード。


 男は避難する市民、荷車、そして杖を構えるフィーネを順に見た。


「……いたな」


 低い声。


 フィーネの喉が鳴った。


「逃げ回りやがって」


 ボガードは首を鳴らす。


「面倒くせぇ連中だ」


 フィーネは一歩、後ろへ下がった。


 逃げる。


 ノアの言葉が蘇る。


 ――ボガードを見つけたら、まず逃げてくれ。


 逃げるべきだ。


 戦わない。


 自分は、戦闘要員ではない。


「フィーネ!」


 ミリアの声。


 振り返る。


 まだ、いる。


 老人。


 足を怪我した男。


 小さな子供。


 荷車へ乗せようとしている人。


 全員、逃げ切っていない。


 ボガードがそちらを見る。


「邪魔だな」


 一歩。


 進んだ。


 フィーネの身体が、勝手に動いた。


 ボガードと市民の間へ入る。


「……」


 怖い。


 足が震える。


 ボガードがフィーネを見る。


「どけ」


 杖を握る。


 返事が出ない。


「聞こえなかったのか?」


 また一歩。


「どけ」


 背中の向こうから、避難を手伝っていた男が叫んだ。


「フィーネ! 逃げろ!」


 逃げたい。


 本当に。


 逃げたい。


 フィーネは後ろを見た。


「あと……」


 声が震える。


「あと、どれくらいですか?」


「何がだ!」


「みんなが……逃げるまでです!」


 男が周囲を見る。


 歩けない人。


 荷車。


 細い道。


「……三分!」


 フィーネは目を閉じた。


 三分。


 長い。


 ボガードを前にしたら、きっとものすごく長い。


 それでも。


 三分なら。


 三分だけなら。


 終わりがある。


 ゆっくり目を開き、ボガードを見る。


 もう涙が浮かびかけていた。


 それでも、逃げなかった。


「……三分」


 ボガードが眉を寄せる。


 フィーネは杖を両手で握った。


「三分だけです」


 青白い光が前へ広がる。


 声は、まだ震えている。


「三分だけ……」


 息を吸った。


「ここを、通しません」


 数秒。


 ボガードは黙っていた。


 それから鼻で笑う。


「お前が?」


 細い腕。


 震える脚。


 その前に広がる結界。


 全部を見て。


「治癒術師が」


 拳を握った。


「俺を止めるって?」


 フィーネは答えられない。


 ボガードが肩を回す。


「いいぜ」


 一歩。


 石畳が軋む。


「だったら」


 もう一歩。


 巨大な拳を引く。


「止めてみろ」


 次の瞬間。


 拳が振り抜かれた。


 青白い結界と激突する。


 一瞬だけ。


 光は耐えた。


「……っ!」


 両腕へ凄まじい衝撃が走る。


 そして。


 バキィン!!


 結界が砕けた。


「きゃっ――!」


 フィーネの身体が吹き飛び、石畳を転がる。


 杖が手から離れそうになる。


 必死に握った。


「フィーネ!」


 後ろから声がする。


 咳き込みながら顔を上げた。


 ボガードは、ほとんど動いていない。


 拳を一度振っただけ。


 それだけで、自分の結界が壊された。


「……そんな」


 ボガードが首を傾げる。


「何だ」


 一歩。


「もう終わりか?」


 重い足音。


 フィーネは杖を支えに立ち上がった。


 駄目。


 正面から受けたら。


 次は、もっとひどい。


 後ろではまだ避難が続いている。


 老人を支える人。怪我人を荷車へ乗せる人。子供の手を引いて走る人。


 急いでいる。


 それでも、まだ全員は逃げ切っていない。


 フィーネは周囲を見る。


 道。


 荷車。


 木箱。


 樽。


 建物。


 何か。


 何かない?


 ボガードがまた歩き出す。


 フィーネのすぐ横には、野菜や布を積んだ荷車。


 車輪の下に、動かないよう木の留め具が差し込まれている。


 杖を向けた。


「……お願い!」


 青白い光が小さく広がる。


 結界が留め具を横から押した。


 ころん。


 木片が外れる。


 ここは僅かな下り坂。


 荷車が動き出し、少しずつ速度を上げた。


 ガラガラガラガラ――!


 ボガードがそちらを見る。


「ん?」


 真正面から荷車が迫る。


「こんなもん!」


 両腕で受け止めた。


 ドン!!


 車輪が浮き、荷物が飛ぶ。


 それでも。


 ボガードの足が一歩、後ろへ滑った。


 フィーネの目が見開かれる。


 止まった。


 ほんの少し。


 でも。


 止まった。


「今のうちに……!」


 振り返る。


 市民たちは、言われるまでもなく必死に先へ進んでいる。


 ボガードは荷車を見たあと、それを両手で持ち上げた。


「え……」


「邪魔だ!!」


 横へ投げる。


 荷車は建物の壁へ激突し、木材が折れ、荷物が辺りへ散らばった。


 フィーネの肩がびくっと跳ねる。


「……嘘」


 ボガードがこちらを見る。


「次は何だ?」


 一歩、下がった。


 怖い。


 でも。


 まだ逃げ切っていない。


 ボガードが走った。


 速い。


 あの身体で。


「っ!」


 フィーネは杖を振る。


 今度はボガードへではない。


 足元に転がっていた樽。


「動いて……!」


 青白い光が樽を押す。


 ころ。


 ボガードの踏み込み先へ。


「チッ!」


 巨大な足が樽を踏み潰した。


 だが、その一瞬。


 足首が流れた。


 巨体が傾く。


「うおっ――!」


 そのまま肩から横の壁へ突っ込んだ。


 轟音。


 石壁が砕け、粉塵が舞う。


 フィーネは息を呑んだ。


「……やった?」


 違う。


 すぐに分かった。


 瓦礫が動く。


 一つ。


 二つ。


 ボガードの腕が、石を押し退けた。


「……てめぇ」


 低い声。


 フィーネの顔から血の気が引く。


 ゆっくり立ち上がったボガードの額から、ほんの少しだけ血が流れている。


 効いてはいない。


 でも。


 転ばせた。


 それが、気に障った。


「今」


 ボガードが額の血を親指で拭う。


「俺をコケさせたな?」


「……」


「治癒術師が」


 一歩。


「女が」


 もう一歩。


「俺を」


 拳が鳴る。


「コケにしやがった」


 フィーネの足が震えた。


「そ、そんなつもりじゃ……」


「知るかよ」


 ボガードの目が変わっていた。


 さっきまでは邪魔なものを見る目だった。


 今は違う。


 フィーネだけを見ている。


「ぶっ殺す」


 喉が、ひゅっと鳴った。


 ボガードが歩き出す。


 フィーネも下がる。


 このままでは、何も変わらない。


 もう一度、周囲を見る。


 壊れた荷車。


 潰れた樽。


 瓦礫。


 道の脇の古い建物。


 外壁には修理用らしい細い足場が組まれ、その上に板や石材が積まれている。


 支えているのは一本の木材。


 ボガードが走る。


 フィーネは人ではなく、その支柱へ杖を向けた。


「お願い……!」


 青白い結界が、木材を横から押す。


 一本。


 ずれる。


 ぎ、と嫌な音。


 もう少し。


「……っ!」


 歯を食いしばる。


 支柱が外れた。


 ガタン。


 上に積まれていた木材、板、石材が一気に傾く。


 ボガードが顔を上げる。


「何――」


 ドドドドドドッ!!


 大量の資材が降り注いだ。


「ぐおっ!」


 巨体がその中へ消える。


 瓦礫と木材が積み重なり、道の半分を塞いだ。


「……はぁ……はぁ……」


 フィーネは息を切らしながら、その場に立っていた。


 手が震えている。


 魔力も減っている。


 でも。


 止めた。


 また、少しだけ。


 振り返る。


 避難していた人たちは、かなり遠くまで進んでいた。


 最後の荷車も、もう随分先だ。


 最初はすぐ背後に聞こえていた人々の声も、今は遠い。


 あと、どれくらいだろう。


 三分。


 もう、かなり経ったはず。


「……もう少し」


 小さく呟く。


 もう少しだけ。


 耐えれば。


 終わる。


 その時。


 瓦礫の中から声がした。


「……ふざけやがって」


 フィーネの表情が固まる。


 ガラ。


 木材が動く。


 石が転がる。


 そして。


 ドガァァン!!


 積み上がった資材が、内側から吹き飛んだ。


「きゃっ!」


 腕で顔を庇う。


 粉塵の向こう。


 ボガードが立っていた。


 額、肩、腕には細かな傷。


 それでも立っている。


 むしろ、その顔にはさっきまでなかった明確な怒りがあった。


「お前」


 低い声。


「もういい」


 フィーネが後ずさる。


「……」


「どけとも言わねぇ」


 拳を握る。


「逃げろとも言わねぇ」


 一歩。


「俺を何度もコケにしやがった」


 もう一歩。


「もうお前は」


 フィーネを指差す。


「邪魔な奴じゃねぇ」


 歯を見せた。


「俺が殺す奴だ」


 フィーネの目に涙が浮かんだ。


「……」


 ボガードはそんな彼女を見て、ふと何かを思い出したように口元を歪める。


「そういや」


 一歩。


「お前、言ってたな」


 フィーネの肩が震える。


「三分だけ」


 もう一歩。


「ここを通さないって」


 息を呑む。


 三分。


 そう。


 三分だけ。


 それだけなら耐えればいい。


 だから、ここに立った。


 もう少し。


 もう少しで。


 終わる。


 ボガードが笑った。


「お前さ」


 フィーネを見る。


「三分耐えりゃ、終わりだと思ってんのか?」


「……え」


 フィーネの顔から表情が消えた。


 ボガードが拳を鳴らす。


「三分経とうが」


 一歩。


「五分経とうが」


 もう一歩。


「そんなもん」


 距離が縮まる。


「俺には関係ねぇんだよ」


 杖を握る手が震えた。


 ボガードの目には、もう避難する人々など映っていない。


 フィーネだけ。


「お前を殺す」


 低い声。


「殺すまで」


 拳を握る。


「俺は攻撃をやめねぇぞ」


 フィーネの瞳が大きく揺れた。


 三分。


 その数字を、ずっと心の中で握っていた。


 三分だけなら。


 怖くても耐えられる。


 三分だけなら。


 終わりがある。


 そう思ったから、ここに立っていられた。


 でも。


 違った。


 三分は。


 みんなが逃げるまでの時間。


 自分が助かるまでの時間ではない。


 三分を過ぎても、この男は自分を追う。


 逃げても追ってくる。


 自分を殺すまで。


 終わらない。


「……」


 杖を握る指に力が入らない。


 脚が震える。


 目に溜まっていた涙が、一粒。


 頬を伝った。


 三分だけなら。


 そう思っていた。


 でも。


 その三分の先に。


 終わりはなかった。


挿絵(By みてみん)

今回の異世界マーケティングは、『OODA(ウーダ)ループ』です。


OODAループとは、


Observe(観察)

↓

Orient(状況判断)

↓

Decide(意思決定)

↓

Act(行動)


という流れを素早く繰り返しながら、変化する状況へ対応していく考え方です。


よく似た考え方としてPDCAがありますが、PDCAが「計画し、実行し、振り返り、改善する」という改善活動に向いているのに対し、OODAは、


「相手も動く」

「状況が刻々と変わる」

「事前の計画通りにはいかない」


という場面で特に力を発揮します。


今回のガルドとシドの戦いは、その典型でした。


ガルドは前回の敗北を受けて、


短剣でシドに勝つのではなく、

短剣で距離を作り、

もう一度、自分が最も強い弓の間合いへ戻る。


という戦い方を身につけました。


しかし、それを一度見たシドはすぐに対応します。


浅く引いた矢を撃つ前の動きを読み、

ガルドが距離を作ろうとする場所へ先回りする。


さらにガルドの感覚が異常に研ぎ澄まされると、


「なら、処理する情報そのものを増やせばいい」


と、瓦や音、死角などを使い始めました。


シドは非常に高い速度で、


観察し、

考え、

対策を決め、

すぐに行動へ移しています。


つまり、シド自身が非常にOODAの速い相手だったわけです。


一方のガルドも、極限状態の中で変化していきました。


最初は、


見える。

聞こえる。

匂う。


すべての情報を拾ってしまう。


しかし、情報は多ければ多いほど良いわけではありません。


必要のない情報まで処理しようとすると、判断は遅くなります。


そこでガルドは、


鳥の羽音はいらない。

市場の声はいらない。

今必要なのは、シドの足、肩、呼吸、重心だけ。


と、必要な情報を自分で選び始めました。


そして最後は、


「シドなら、この矢を避ける」


という相手の対応そのものを予測し、


一射目を避けさせた先へ、

本命の二射目を撃ち込む。


単純に速くなったから勝ったのではなく、


相手を観察し、

相手の判断を読み、

その判断まで利用して勝った。


これが今回のガルドの勝利です。


そして後半。


フィーネもまた、予定にはなかった状況へ放り込まれました。


本来の役割は戦闘ではありません。


治療と避難支援。


ボガードとは戦わず、

危険なら逃げる予定でした。


しかし目の前には、まだ逃げ切れていない市民がいる。


三分だけ時間を稼がなければならない。


正面から結界を張る。


壊される。


なら荷車を使う。


突破される。


次は樽を転がす。


それでも止まらない。


今度は建物の資材を崩す。


フィーネには、ゆっくり最善策を考えている時間などありません。


目の前にあるものを見る。


今できることを考える。


試す。


通用しなければ、また次を考える。


これもOODAループです。


特に重要なのは、


「最初に立てた計画を守ること」


そのものが目的ではないということです。


現実では、相手も動きます。


環境も変わります。


前提そのものが壊れることもあります。


今回のフィーネにとって、


「三分だけ耐えればいい」


というのが、その前提でした。


だから怖くても立っていられた。


三分という終わりがあったからです。


しかし最後。


ボガードはその前提すら壊します。


三分経っても終わらない。


逃げても終わらない。


自分を殺すまで追ってくる。


ここまで状況が変われば、


それまでのやり方では、もう対応できません。


次に必要なのは、


「どうやって三分耐えるか」


ではなく、


そもそも、


「この圧倒的な力をどう扱えばいいのか」


という、別の問題を考えることになります。


計画通りに進める力だけでなく、


計画が壊れた瞬間に、

何を見るか。

どう考えるか。

何を捨てるか。

そして、次に何をするか。


今回の異世界マーケティングは、

そんな「変化の中で判断し続ける」ためのOODAループでした。


さて。


三分耐えれば終わるはずだったフィーネの戦いは、

三分を過ぎても終わらない戦いへ変わってしまいました。


真正面からでは、結界は壊される。


逃げても、もうボガードは追ってくる。


フィーネはこの絶望的な状況で、

どんな答えを見つけるのでしょうか。


次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。