第1章 なぜ勇者より無職の俺が色々と格上なのか? 第11話 変態なハニー
俺の名前はテンリ。そう、無職だである。何も誇らしいことではない。俺は手に職をつけたいから冒険者をしたいと心から思っている。が、それを頑なに許さないやつがいる。そう、俺の妻であるエフィだ。
彼女はかなり重症である、愛に関してのみ。俺のいつも隣にいないとダメらしく、トイレに行っている間に外で待っているわずかな時間ですら寂しくてボロボロと涙を流しているほどだ。
そして、最も重要なことはエフィはここ1週間仕事に行ってないということ。今のエフィからは想像ができないが、一応4人の勇者のうちの1人であるのだ。俺のせいで勇者の称号剥奪とかなったら嫌だからな...。
よしっ! 今日こそ言うぞ!!
「なぁ、エフィ」
「ハニーですけど? 何でしょうかダーリン!」
「い、いやそのダーリンはやめてほしいのだが...」
「それは私に死ねと言っているのでしょうか?」
「ううん、違うな。まぁいいや、エフィ大事な話があるんだ!」
「ハニーですけど、大事な話? ま、まさか...子供の人数ですか!? そうですね、私的には男の子が20人、女の子が————————————」
「ちょっと待とうか! 子供の話じゃないし! まず、20人とかどんだけ産むんだよ!」
「え? では、何の話でしょうか?」
「エフィは勇者だろ? だから、その—————仕事に行かないの?」
優しく言ってしまった!! もっと強く言えばいいのにエフィが可愛すぎて優しくなっちゃう...。
「ハニーですけど、当然行きませんよ?」
「おい! 行かなきゃ剥奪とかになっちゃうんじゃないの!?」
「仕事に行くということはダーリンと一緒に居れない時間が1分以上できてしまう...。いわゆる私に死ねって言いたいんですか?」
愛がものすごく重い!! でも可愛すぎるからいつも許してしまう....。
「死んでほしいなんて思うわけないじゃん! そ、その...す、すきだし...」
「はぁう~~~~~~~~~~~~~~ん。うれしすぎて死んじゃう! 逆に死んじゃうよ!!」
俺以外の人には気高き美しすぎる大人な女性に見えるだろう。しかし、俺にはただの変態に見えてしまうのはなぜだろうか...。
「と、とにかく仕事に行きなさい!」
抱き着いて首元を甘噛みしている変態に向かって俺は言った。
「ちっちっち。甘いですねダーリン! 私は—————————あっ! ハニーはね」
「言い直さなくていいから!!」
ぶーぶ言ってくる変態を無視して本題に進める。
「何かしたのか?」
「ハニーはね、ダーリンと一緒に居たくて休みを取りました!!」
「休みとかあるのか!!??」
初耳だ! 俺の元世界でも有給休暇といって休みが与えられていたのだ。それと似ているのだろうか?
「うん!! ハニーはね、今まで1回も休んだことないから1年は休めるの!!」
「1年!!!??? 大丈夫なの? そんなに休んで」
「ダーリン>職だから! 心配はご無用です」
「そ、そか...」
そう言っているエフィの右手、左手には俺のパンツを持っている。今現在俺の両腕がないため、色々な面でエフィにお世話になっているが、この変態はそれを理由にいつもパンツを持っている。理由を聞くといつでも変えられるようにだそうだ。俺が見てない隙にいつもクンカクンカしていることは指摘しないでおこう...。
こんな変態と結婚してしまった俺はこれからどうなるのだろうか...浮気だけはやめよう。命がなくなりそうで怖いから。




