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第1章 なぜ勇者より無職の俺が色々と格上なのか? 第10話 婚約者

 目が覚めるとそこには、見知らぬ天井があった。


 体中が痛い。両腕は復活してないか...。いかにナブリーさんがすごいかがわかった気がする。


 すると、ドアが開けられた。


「おう、鎧おん————!?」


 鎧女はテンリに抱き着いてボロボロと泣いていた。


「ほんとうに...、ほんとに心配したん...だから。死んじゃうかと思ったん...だから」


 なぜ鎧女が泣いているのかが理解できなかったが、自然と俺の手は鎧女の頭を撫でていた。


「すまなかった」


 『女は泣かしてはいけない』 これは師匠の教えだ。それから、しばらくして鎧女は俺の胸から離れた。


「ごめんなさい、テンリ様の胸をお借りしてしまって...」


「全然気にするな!             ん?」


「どうかしましたか?」


「いや、テンリ様って聞こえたような気がして...」


 さすがに聞き間違えか! こいつがそんなこと言うはずが—————


「言いましたよ、テンリ様と」


 あった!!!!!!! おいおい、どうしたんだよ。


「私の話を聞いていただけますか?」


 真剣な瞳でテンリを見つめてきた。


「あ、あ、おう」


「私はさきの闘いの中でテンリ様に助けてもらったことでテンリ様に惚れてしまいました。我が名はエフィ=リングレット=シンリホール。テンリ様に一生を捧げ生涯をともに過ごすことをここに誓います」


「お、おいおい! ちょっと待てい!!!!」


「はい、なんでしょう?」


 明らかに目がハートマークなのは言うまでもない。


「まさか今後ずっと一緒に居るってことか!?」


「そのつもりでしたけど、まさか...わたしなにか嫌われるようなことをいたしましたか? すぐに直します! ですから、どうかお傍に置いてください...」


 エフィは泣きすがるようにテンリに頼んでいた。その眼にはボロボロと涙を垂らしていた。


「ご、ごめんって。全然そういう意味ではないから!! 安心して!!」


「え? では、私をずっと傍に置いてくださるということですね!!!」


「え、ちょっとあの——————」


「あぁ、幸せだぁ~~~~~。テンリ様と一生をともにできる幸せ...。あ、テンリ様ではなく旦那様の方がいいのでしょうか?」


「もしかして、俺ってエフィの旦那様なの...?」


「はい! だって今さっき承認してくれたじゃないですか。まさか...うそだったのですか?」


 まずい。またボロボロと涙を流し始めた...。どうしよう....。だが、女だけは泣かしてはいけないのだ!! 覚悟を決めよう!!


「い、いやそうことじゃないよ! えっと、エフィの旦那様は何の職もない俺なんかでいいの?」


「そんなこと関係ありません!! 私はあなたが好きだ《・》す! あっ...」


 重要なところで噛んでしまいエフィは赤面してしまった。


「わ、わかった。俺なんかでよければ旦那さんになるよ」


 その瞬間エフィの顔は、ぱぁっと明るくなりこっちに走ってきた。


「旦那様!! ちゅっ。」


「んん——————!!!」


 エフィはテンリに抱き着き、彼の唇に自分の唇を軽く触れた。


「好きです旦那様!」


「う、うん。あ、ありがとう」


 動揺してしまっているぞ俺!!! ファーストキスだぞ!? しかもよくみると綺麗すぎだろこいつ~~~~。毎日こんなことされたら欲が....。


 そのあと、1日中エフィがテンリから離れなかったのは言うまでもない。




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