A beautiful rose is thorny 美しい薔薇には棘がある
Episode.3 A beautiful rose is thorny 美しい薔薇には棘がある
「あー!くっそ!なんだよ!なさけねーな!」
「キヨちゃん!大丈夫だよ!あたし気にしてないし。誘っといてなんだけどあたしもはじめてだから怖かったし。やっぱキヨちゃん優しいんだね。」
「ん?ま、まあ、気にしてないならよかったけどよ…。」
あの後どうなったかはだいたい想像つくんじゃないかな?まあ、あえて言わねーけどよ。恥ずかしくて言えねーよ。
「ねぇ。あたしキヨちゃんの彼女になりたいな?」
「え?」
マコ&カオルSIDE
「おーい。カオルー?」
「ごめん!マコ!私、用事思い出したから帰る。ほんとごめんね。」
マドカのやつ絶対…。許さない。許さない!許さない!!許さない!!!
「あ?用事だぁ?まあ、そんなら気をつけてな。じゃあ、オレは1人でカラオケ行くかなー。」
「もしもし?」
ーおう。カオル?どうしたよ?ー
「ちょっとあんたに頼みたいことあるんだけど…。」
清春&マドカSIDE
「別にいいけど」
「なによー。その言い方。嫌?」
「嫌じゃねーよ?なんてか慣れてねーからさ。何言っていいかわかんねぇんだよな。」
「ふぅーん。じゃあ、照れてんだ?(笑)」
「は?照れてなんかかね…」
チュッ♪
「明日も遊んでくれる?」
「…あ、ああ。」
「080-xxxx-xxxx。あたしの番号だから。かけてね?」
「お、おう。かけるよ!絶対。」
「待ってるね。じゃあ!ここはあたしが払っとくよ。」
おー。さすがはお嬢様。金持ちなのかな?
ホテル代を払ってくれるなんて!
次の日。日曜日ってことで街は人が多かった。マドカは遊園地に行くって言ってわがままだ!ってオレは言ったけどそれでも付き合った。絶叫マシンなんて嫌いだけどジェットコースターにも乗ったしぬいぐるみも買ってプレゼントした。ひとつのソフトクリームを2人で食べたりもした。全てマドカの希望どおり。散々に振り回されたけどそれでもこんなのもいいなーなんて結構楽しかったんだ。
ずっとこうやって楽しかったらって思った。
ずっと…。
「まーたサボりっすか?」
「おう!マコー!お前ちゃんと授業受けねーとダブっちまうぞー!」
「あんたが進級できるんだからオレも大丈夫っすよ。てかキヨさんやたらテンション高くないすか?さてはマドカちゃんと…。」
「ほれ。」
オレはケータイを出してストラップを自慢げに見せた。これは昨日遊園地で2人で買ったものだ。遊園地の可愛らしいクマのマスコットのストラップでマドカも同じものをケータイにつけている。
「キヨさんが遊園地のクマさんのストラップ!?まさかできてんすか?」
「まあよ。オレくらいの男なら女の1人2人当然よ。」
「はぁー。いいっすねー。オレなんかカオルのやつ用事あるって帰って1人カラオケしてたんすよ!?」
「お前カオルのこと好きだろ?」
「な、なに言ってんすか!?」
「フゥー。お前もわっかりやすい性格してんなー。」
「な!そ、そんなことより!キヨさん。山岡って覚えてます?」
「山岡?去年までうちにいたやつか?1個上だけどダブってオレと同級だった。」
「そう。その山岡っすよ。あの狂犬。」
山岡ってのはオレが1年のときに2年で傷害だの窃盗だのの常習でとにかくろくでもねーやつらしい。なんと言ってもそのとき暴力事件で上級生を半殺し。そのバックについてる暴走族が1チーム壊滅。さらにはそれを止めに来た警察官6人にケガを負わせそれが原因で少年院行き留年。それがきっかけで狂犬と恐れられていた。オレが3年に上がる頃にはすでに復学していたが来たり来なかったりでそのうち辞めてしまったらしい。
「そいつがどーかしたの?」
「キヨさんのこと殺るってふかしまくってるらしいっすよ。」
「あ?クラスは一緒だったけど別に関わったことなかったぜ?思い当たることは全くねーな。まあ、言わせとけよ。オレは3年だぜ?これから就職だの進学だの考えるときに問題起こしたくねーよ。」
「授業サボってタバコ吸ってる人がよくもまあ…。って言ってもあの狂犬っすからね。オレが中学のときから山岡の名前聞いたらみんねびびりましたよ。気をつけてください。」
「キヨちゃんになに言ったって無駄だよーん。」
「あ?」
「あ、ヒロキさんちわっす!」
ふざけた喋り方のこいつは鷹宮裕樹オレとは幼馴染で暴走族麗王音を率いている。麗王音はこの街最大の暴走族だ。ヒロキは高校デビューだ。
中学まで不良なんて縁はなかったが高校になったとたんピアスは左耳に5個右耳に2個舌にラブレットに鼻にまで開けている。
その異様な喋り方や雰囲気からドラッグ中毒まで噂されるが元々根は真面目であるからそれはない。高校デビューのくせにめちゃくちゃケンカはつえー。その極悪非道ぶりから惹かれるものは多く今や麗王音は最大の組織。警察どころかヤクザでも手を出さねー。
「だいたい山岡ちゃんはオレの獲物でもあんのよねー。」
「おい。ヒロ坊。どーゆーことだ?」
「んー。それはねぇ…キヨちゃんヒロ坊て呼び方やめてよ。もう小学生じゃないのよ?」
「まあ、いいから続けてくれよ。ヒロ坊。」
「…。んー。まあ、いいや。そのダブりくんが僕の可愛いしもべに手ぇ出しやがってー。
これは麗王音、つまりオレにケンカ売ってるってことじゃん?だったら僕ちゃんがそのケンカ買ってやろうと思ってさ。」
「なるほどね。じゃあ、狂犬のことはヒロ坊に任せとけばいいか!」
「あー。それがね。そうもいかないのよー。
さっき山岡ちゃんからキヨちゃんへ宣戦布告受けちゃったから。でもオレは一応言っといたよ?キヨちゃんが出るまでもねー。オレがまず挨拶に行くってさ。とりあえずあっちが今日夜10時に西公園来いっつーから。タイマンすっからキヨちゃん立会人っつーかレフェリー頼むわ。」
「マジかよ…。」
ボキボキッ!山岡は金髪の長髪に唇から耳までチェーンで繋いだピアスにタンクトップ。182cmあるオレよりでけぇ。怖いの一言。
それよりさらにでけぇヒロ坊。ニヤニヤしながら山岡を見てるわりに眼光は鋭く明らかに戦闘モード。
「おい。鷹宮ぁ。てめぇに用はねぇ。オレは清春に用があって来てんだよ。」
「だからさぁ〜。キヨちゃんが出るまでもねーって言ってんじゃん!?日本語ワカリマスカー?てめぇまんま犬なんですかコラ!?なにが狂犬だよ?」
「てめぇ…。殺されてーのか?そこどけ!それとも清春がびびってんのかよ?逃げんのかよ清春ぅ!!」
「おい。ヒロ坊。どけ。」
「あ?キヨちゃん。こいつオレの獲物って言ったよね?」
「ここまで言われて黙ってられっかよ。ガタガタ抜かしやがるとてめーから先にやんぞコラァ!!」
オレはヒロキを睨みつけたヒロキもさっきまでの笑みはなくなりオレを睨み返す。
しかし、ヒロキはすぐさまふっと笑い、
「キヨちゃん一回言ったら聞かないからなー。仕方ないからヒーローはキヨちゃんに譲っちゃおうかなー。」
「キヨさん!相手はあの狂犬っすよ!?やばいですって!」
ヒロキはマコの肩をポンと叩き耳元で
「心配ご無用。キヨちゃんかなーり強いよ?オレでもキヨちゃんじゃ互角ってくらい。」
ボキボキ…。再び指の関節を鳴らす山岡。
「来いやオラァ!」




