第七話 真夜中の零時
二週間後とか言っときながら更新できちゃたよ
時は過ぎて放課後。
「さあ、いざ黒江の下へ!!!」
スーパーハイテンションな三上を先頭に僕の家へ向かう、三上、栗原、僕、佐藤。木山は今夜の準備とか言って先に帰っていった。
「さてと、何があっても何も言うなよ」
「おう!!」
ドアを開ける。
「ただいま」
「お帰りなさいませご主人様」
バタン
「ふう、なんか異形が居た気がした」
「こら~!! なに閉めてんじゃこりゃー!!!」
メイド服を着た莉子が出てきた。なんでそんな格好してんだ。どこからそんなの持ってきた。
「秘密。いい女は秘密が多いのさ」
ああさいですか。
ブシャー!!
三上が鼻血を噴き出しながら倒れた。
「我が生涯にいっぺんの悔いなし」
莉子のメイド姿でそこまでなるのかよ。
「キモ」
佐藤が言う。だが、肝心の三上は興奮しすぎて聞こえていない。
「お~、やっほ~三上、私にふられた時の心の傷は治ったの?」
「ああ。もう、バッチリだ。だから、俺と結婚してくれ」
コイツ諦めという言葉を知らないのか。案の定。
「いや、バカ、死ね、気持ち悪い、この世のゴミ、屑、生まれてきたことを私に謝れ~♪」
酷い。相変わらず酷い。だが、まあまだマシなほうだがな。
「グハッ!! 生まれてきてすみません」
本当に謝ったよこいつ。
「だが、罵られるのって気持ちいい!!」
変態だ、完全な変態だ。
「なんだそんな変態を見るような目は」
「三上、僕は変態を見てるんだよ」
栗原が言う。
「なんだと!! 俺は仮に変態だとしても変態という名のジェントルメンだ!!!」
どの道変態には変わりない。
「っとそんなとこで騒ぐのもなんだし入れ」
「おじゃましま~す」
「おじゃまします」
三上を置いて家に入る。
「ちょ待ってくれよ!!」
慌てて三上も入ってくる。
「じゃあ、僕は着替えてくるからそれまで自由に話でもしててくれ」
「は~い」
返事をしたのは莉子だけ。さすがにこいつらがいるときには覗きにこないだろう。
着替えてるとどこからか視線を感じた。
ドアを開けてみる。
「えへへ」
莉子がそこにいた。
「お前な」
「いいじゃん減るもんじゃないし」
「僕が嫌だ」
「隙あり!!」
「うわ!!」
莉子が僕のズボンに手をかけた。それを防ごうとして僕は倒れた。
ドゴンッ!!
****
「悠?」
倒れた悠はピクリとも動かない。
「悠?」
揺すっても動かない。血の気が引く。おそらく私は今顔面蒼白だ。
「ゆ、悠!!」
わ、私がふざけたから。ど、どうすれば!
「ご、め、ごめん、な、さい」
今更謝っても遅いかもしれない。
「いや、だよ」
大粒の涙がポロポロと流れる。
「もう、あんなこといやだよ」
零れる涙を誰かが拭った。
****
気絶してた。目を開けると莉子が泣いていた。なんで泣いてんだよ。お前の泣き顔なんて見たくない。そっと莉子の涙を拭った。
「何泣いてんだよ?」
「悠? 悠!!」
「うわっ!? 抱きつくな!!」
「悠、悠、悠! 良かった良かったよ~!!」
僕に抱きついたまま莉子は泣いた。事情を聞くと頭打って僕が死んだと思ってらしい。
「ただ気絶しただけだバカだな」
「バカじゃないもん」
「それで気は晴れたか?」
「もう少しだけこうさせて」
「少しだけな。じゃないと三上達が気がつく」
「うん」
ふう、やっぱこいつあの事気にしてるんだな。
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五分後。
「もういいか? いい加減あいつらが来そうなんだが」
まあ、来てないとこを見ると佐藤と話しているか鋭い栗原が止めてくれてるからだな。
「うん、ごめん」
「そう思うなら今度から気をつけてくれ」
「うん」
莉子がゆっくりと僕の上から離れる。僕は立ち上がった。
「さて、戻るか」
「うん、さあ戻ろ~!!」
いつも通りの莉子だった。
リビングに戻る。
「遅くなった」
「遅いぞ! だから勝手に菓子だして食べてた」
「少しは遠慮しろよ三上」
「俺の辞書に遠慮と言う言葉はない。ついてに図々しいという言葉もない」
欠落書だな。
「まあまあ、二人とも久し振りだね黒江さん。また綺麗になったんじゃないの?」
「栗原も相変わらずね」
「照れるな~」
「別に誉めてない。で、そっちの女の子は誰?」
「私? 佐藤美鈴よ」
佐藤が名乗った。
「へ~。私は黒江莉子。よろしく」
「よろしく」
「ねえ、あんた悠の彼女?」
ぶっ! 思わず飲んでいたお茶を吹き出しかけた。
「違うわ。そういうあんたはなんなの」
「私? 私は悠の幼馴染でお嫁さん」
「違う!!」
まったく、こいつまったく懲りてないな。
「バカね」
「何!! バカって言った方がバカだ!!」
「あんたも言ってるわよ」
「しまった!!」
なんだこの戦い。莉子が言い合いで負けてる。やっぱりこいつら似てるな。
「まあ、佐藤に莉子そこら辺にしとけ」
「あんたは黙っときなさい」
「悠は黙ってて!!」
二人から同時に言われた。
「は、はい」
「大変だね」
栗原が言う。
「ああ」
二人の言い合いはヒートアップしていく。
「それにしてもあんたあんな男のどこがいいの」
「優しい所とかよく気がきく所」
「はあ? あんたバカ? そんなのただのお節介でしょ」
「悠をバカにするな!!」
聞いてるだけで悲しくなってくる。
「ほらほらやめなよ。悠が泣いてるよ」
栗原が二人を止めてくれた。
「ああ!! ごめん悠!!」
「これぐらいでなくなんて軟弱ね」
はあ~、まったくこいつらを会わせたのは間違いだったか?
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「じゃあ、帰るぜ」
「悠また」
「じゃあね」
三人は時間になったのでそれぞれ帰っていった。木山は最後まで来なかったまさか本当に真夜中に来るんじゃないだろうな。
「やっと二人っきりになれたね~」
莉子が言った。
「それがどうした」
「邪魔者も居なくなったところでしっぽりと――」
「さて、夕飯の用意をしよう」
莉子の戯言を無視して夕飯の支度に入る。
「ちょっと無視しないでよ!!」
「あまり騒ぐとお前の分作らないぞ」
「それだけは勘弁して」
土下座する莉子。
「お前にプライドはないのか」
「悠以外にはしないよ。悠だけ、悠には私の全部を見てほしいから」
「他の奴に頼め」
「もう!! なんでここまで言ってわかんないかな~!!」
「ああ、わかんないよ。それよりリビングでテレビでも見てろ。話しながらだと気が散る」
「む~~」
「むくれるな。お前の好きなオムレツにしてやるから」
「本当!? やったー!!」
はしゃいでリビングに行く莉子。
「はあ~」
さて、なら予告どおりオムレツでも作ってやるかな。
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「出来たぞー」
「わ~い、待ってましたー!!」
リビングに持っていきテーブルに置く。
「いっただっきま~す」
「いただきます」
莉子がオムレツを食べる。
「ん~おいし~」
莉子がおいしそうに食べる。
「まったく」
コイツはころころと表情が良く変わるな。
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「さてとじゃあ、風呂はいるか。言っておくが覗くなよ」
「は~い」
「返事だけはいいんだよな」
莉子がこないように鍵をしてめ風呂に入る。
「ふう~」
体を洗う。
「悠入るよ――あれ?」
がちゃがちゃとドアをあけようとする音がする。
「入ってくるな」
「なにを、この前は我慢してたけどちょっと限界!」
「ってやめい!!」
ガシャーン
鍵が壊れ莉子(裸)が乱入。もう、いろいろ見えちゃってます。言えないようなところとか。
「ちょっ!! お前入ってくるな!!!!」
「いいじゃん!! 別に見られても減るもんじゃないし」
「減るわ!! お前に見られると心の中の大切なものか減るわ!!」
「大丈夫だよ!! その分私が大切なものあげるから!!」
「いらん!! だから出てけ!!」
「いや!!」
その後、何とかして莉子を追い出すことに成功した僕はいろいろなものを失ったと思う。もう、文子さんに電話しようかな。
「はあ~」
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風呂から上がると裸のままの莉子がソファーに座っていた。
「おいぃぃ!! お前はなんて格好なんだ!!!」
「あ、上がったんだ、じゃ入る」
そのまま風呂に行った。
「覗いてもいいからね」
「覗くか!!」
まったく、あいつは僕をからかって楽しんでるな。たく。
その後、宿題やらなんやらをやり僕は眠りについた。
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「ん?」
不意に目が覚めた時間は真夜中の零時。なんだ、体の上になにか乗っているような。目をあけてその何かを見る。
「っておいいぃぃ!!! なにやってんだ莉子!!」
「あ、起きた?」
「起きるわ!! 何をする気だ!!」
「何をってねえ?」
「やめろ!!」
くそ、何か使えるものはないか? 周りを見渡す。僕の上にいる莉子、目覚まし時計、様子を観察する木山、クローゼット、机。
…………え? もう一度確認してみよう。僕の上にいる莉子、目覚まし時計、様子を観察する木山、クローゼット、机。
「って木山!!」
「あら、見つかっちまったです」
「あなた誰?」
とりあえず莉子の下から逃げ出し電気をつける。
「私は木山秋子ですよ。どうも黒江莉子さん。今日はあなたを取材に来たんですよ」
「どうもどうも、でも、こんな時間に?」
「そっちの方が面白かったんで」
こちとらいろいろな危機だったよ。木山を見つけなかったらどうなっていたことやら。
「はあ~、とりあえず助かった」
「噂どおりの人だということがわかりました」
「えへへ、それほどでも~」
確実にほめられることじゃないと思う。
「それでそれでお二人の関係は?」
「夫婦!!」
「違うわ!! ただの幼馴染だ、ただの!!」
「ほうほう、新婚さんですか」
「お前の耳はどうなってるんだ!!!」
「冗談です」
「冗談に聞こえない」
木山の冗談は冗談に聞こえない。
「まあ、それはいいとしてまったくもってもう少し自覚を持ってほしいですね」
「何がだ?」
「そういうところです」
「そうそう、悠にはもう少し自覚を持ってほしいわ」
「??」
いきなり何の話だ?
「はあ~駄目ですね」
「まったくよ~」
「何の話なんだよ?」
「狩野君には期待してないです」
「悠には期待してない」
「だからなんだよ」
わけがわからん。
「てか、木山はこんな時間にきて明日大丈夫なのか?」
「一日二日の徹夜で堪えるほとやわな鍛え方はしてないですよ」
「だが、健康には悪いだろ。女の子なんだから美容もあるだろうし。そう遅くならないうちに帰りなよ」
「まったくわかりましたですよ~、噂は確かめられたので、帰るとしますです」
「送っていこうか?」
「お構いなくです」
そのまま木山は窓から出て行った。
「…………さてお前はもう二度とこの部屋に来るな」
「え~!」
「余計なことをしすぎだ。からかうのもいい加減にしろ」
「別にからかってないのに」
からかってるようにしか見えないんだよ。
「む~」
「早く出てけ寝れない」
「添い寝を」
「駄目だ」
「む~」
しぶしぶ莉子は出て行った。
「はあ~」
このまま莉子と居るとこれ以上のことが起こりそうだよ。文子さんに言うのは簡単だがまあ、それでアイツに嫌な思いさせるとなるとな。
「仕方ないか」
割り切ろう。それでも駄目なときは昼でも作り忘れておこう。そうすれば懲りるだろう。それでも駄目なら連絡しよう。
「さてと、寝るか」
明日も早い。僕は莉子が入ってこないように鍵をかけて眠りについた。
正真正銘次の更新は二週間後になります。




