第四十七話 話をしようと思ったらなぜかデートに誘われた
どうもお待たせしました。
8月に入ったので、僕は小雪の病院に来ていた。色々あったから、話に来ないといけないと思ったからという理由でだ。最近は行けてなかったから行けるときに行かないと、次はいつ行けるかわからないからな。
見慣れた受付の人と少し話してから、目的の小雪の病室へ。今日のお土産はアイスだ。このところ暑いからな。喜ぶだろう。夏らしいし。佐藤とかを連れて来れればよかったのだが、まだ許可が取れないのだ。こればっかりは仕方ないので話だけで満足してもらおう。
コンコンとノックして小雪の病室に入る。
「入るぞ。ほら、お土産のアイスだ。今日も生きてるか?」
「あ、悠君、うん、今日も元気だよ」
「そうかそうか、それはよかった。ほら、アイス。なんか、新発売のやつでな、お前が好きそうだったから買ってきた」
「わあ、納豆アイス! へえ、こんなのあるんだ。うん、おいしそうだね」
それをおいしそうっていうお前だけは理解できないんだよな。昔からこういうの好きだったし。ゲテモノっていうかなんというか。俺はあまり好きじゃない。しかし、世の中は小雪の味覚に近いらしく、かなり納豆アイス人気だったんだよな。信じられない。他にもエビチリアイスとか、マーボードーフアイスとかあった。アイス付ければ何でも良いなんてものじゃないぞ。
「喜んでくれてよかったよ」
「悠君が持ってきたのだったら何でも嬉しいよ」
「そうか、嬉しいこと言ってくれるな」
「ねえねえ、食べて良い?」
「ああ、って、しまったスプーンねえや。ちょっともらってくる」
まさかスプーンが入ってないとはあの店員め。目が半分閉じてたけどマジで寝てたのかよ。どうりでおつりとか間違ってるわけだよ。
病室を出て休憩室を探す。あそこなら確かスプーンがあったはず。
「あら~? あらあらあら~?」
スプーンを探していると白衣を着た11、2歳の子供に見える医者がそんなことを呟きながらやって来た。本当、毎度見舞いに来るたびに思う。この女性は本当に成人した大人かと。
この女性はアリエス・ソワールさん。小雪の主治医。母方が外国人でハーフらしい。詳しいことは聞いたことがないからわからない。なんでも結構優秀なお医者様らしいんだ。それが何でこの町でこんな病院で医者やってるんだろうかと思うよ。それでもこの人のおかげで小雪は結構よくなったみたいだから、感謝している。凄い医者なのもわかる。ちょっとおっとりしてるけど。
「狩野さん、お久しぶりですね~。小雪ちゃんのお見舞いに来ているのは知ってましたけど、私にはまったく会いに来てくれませんでしたよね~。さびしかったんですよ~」
これは本気で言っているのだろうかね。この人の表情は本当にわかり難い。まあ、でも小雪には会いに来てたけど、アリエスさんにはまったく会わなかったからな。そう言われても仕方ないかもしれないけど。でも、進んで会うほど親しくないような気もする。まあ、小雪の主治医だから結構したしいんだけどね。
「それはすみません」
「いいですよ~、今日は会えたからんですから。次はここに来たらきちんと挨拶していってくださいね。彼女のご両親は相変わらずあまり来てくれませんから」
「そうですか」
相変わらず小雪の両親は忙しいみたいだな。それでも何回かは来てるみたいだけど。小雪も僕なんかが来るより親が来た方がいいに決まってるし。でも、こればっかりはどうしようもないな。
「でも、狩野君が来てくれると嬉しいみたいで、いつも私に話してくれるんですよ~。もう、その時の小雪ちゃんって可愛くて可愛くて、食べちゃいたいくらいよ~」
「あははは」
頬に手をおいて言うアリエスさん。この人が言うとなんか冗談に聞こえないんだよな。本当にやりそうで怖い。誰得なんだよそれは。
「私得です☆」
「そんな☆が飛びそうな笑顔でいわないでください。というかモノローグを読まないでください」
「そうですね~、うふふ、どうしましょうか?」
いや、どうしましょうかって、普通にやめてください。でないと僕なにも考えられませんから。というか、スプーン探しに来ただけでどうしてこんなに時間が掛かってるんだよ。絶対小雪待ってるよ。あとで怒られるの僕なんですけど。
「冗談ですよ♪ 狩野君ってなんだかいじめたくなっちゃうんですよ。ふふ、慌てた様子は可愛いですね。そうだ今度お姉さんとデートしません?」
「遠慮させてください」
「あら残念♪ そうですね~じゃあ、ショッピングに付き合ってください。もちろん2人っきりで」
「それを世間一般ではデートと言いますけど」
というか僕とデートしたいって何でだよ。僕は別に年上が好きとかではないのだが。好きなのはあの九条だし。いまだ、なにもアプローチすら出来ていないという現状だけど。いや、ちゃんとやる気はあるんだよ。それなんだけど、なぜかいつもあんな風に喧嘩というか皮肉しか言えなくなると言うか。ああ、ヘタレですよこんちくしょう。
「そうですか~♪? 私はただ水着を選んでほしいだけですけど~」
「完全にデートですね」
デート以外の何ものでもなかったよ。ショッピングで水着選れべとか彼氏に連れてやってください。それを僕みたいなのを指定してやらないでください。いや、昔莉子に散々選ばされたけど、それはノーカウントだろう。僕みたいなセンスないのに選ばれても困るだろうし。丁重にお断りしなければ。
「ふふふ、いいじゃなですか。お姉さんとのデートですよ? 一度くらいは経験しておいて損はないと思いますけど?」
「いえ、僕がデートしてると他で被害が出るので」
三上とか三上とか三上とか、木山とか木山とか木山とか。この2人にバレたらもう僕学校生活送れなくなるよ。一撃で学校中に広まっちゃうよ。下手すればロリコンとか呼ばれちゃうよ。そしたら生きていけない。それに莉子にバレたときが一番怖い。昔、とある女の子と偶然町であって買い物してたとき莉子に見つかって危うく僕が殺されるところだったんだから。
だから、デートだけは避けねば。って、アレ? そうしたら僕デートできないんじゃね? い、いや、そんなことはないはずだ。うん、莉子も大人しくなったみたいだし。もうないはず。そう、多分。うん、ないはず。はずだよな? ない、うん、ないんだ。ないということにさせておいてくれ。
「大丈夫ですよ~、私の車で~隣町の隣町まで行きますから~大丈夫ですよ~♪」
確かにそれなら見つからないかもしれない。って、おいい! やばいって、これ完全に退路防がれてないか? あれ、このままデートする流れですか? てか、何でデート!?
「大丈夫ですよ。デートではなくただのショッピングですから」
そうか、それなら大丈夫か。いや、もう、あまり大丈夫じゃない。
「じゃあ、明日9時に駅前に来てくださいね。迎えに行きますから。それじゃ」
アリエスさんはコーヒーを持ってそのままどこかへ行った。おいおい、急すぎるし、しかももう僕が行くことは決定事項ですか。はあ~、頼むから明日は誰にもバレないように祈っておこう。はあ~。
その後、スプーンを見つけた戻ったらやっぱり小雪は怒っていた。僕のせいじゃないのに。でも、遅れた理由が言えるわけがなく、怒られた僕。くそう、明日は奢ってもらおう。うん、そうしよう。その後いつものようにいろんな話をして僕は帰った。
ようやく更新することが出来ました。
お待たせしました。
相変わらずリアルは忙しいので不定期更新となりそうですが、がんばって更新して行こうと思います。




