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恋も幸せも彼女しだい  作者: テイク
第二章 夏の出会いと、深まる何か
39/50

第三十九話 木山遭遇す

今回は木山視点でお送りします。


 8月4日、今日は私こと木山秋子が主役ですよ。狩野君に代わって私主役、私視点、私試薬。さあさあ、嬉しい人はうれしやがってください。崇め奉りやがってください。コホン、さてと、そろそろ話しに入るですよ。

 今日は特に予定もなく、暇な一日でした。みんな無人島旅行での疲れが未だ抜けないのか、遊ぶ人も特にいないし、取材しようにもネタがなく、もう本当に暇で暇でしかたがなかったんですよ。というわけで、何か面白いことがないかと、町に繰り出すことにしました。


「しかし、どうしましょうかね~」


 完全な見切り発車なので、何も考えてませんでした。格好もショートのワンピースにジーンスに、キャスケットをかぶるというラフなものです。動きやすいですし。

 あ、あと眼鏡も外してます。コンタクトにしてます。イメチェンという奴です。まあ、実際はコンタクトの試験ですかね。ついに眼鏡卒業です。眼鏡って結構疲れるんですよね。眼鏡かけている人にしかわかりませんが、視界も狭くなりますし。というわけで、この度私は、眼鏡を卒業してコンタクトになったわけです。あ、言っておきますよ。別に眼鏡外したら美人だったとかありませんよ。普通ですよ。そんな小説みたいなネタはないですから。

 っとと、話がそれてますね。修正修正っと。そんなわけで、町中を適当にぶらついているのです。場所は中央駅ですね。人が集まりますし、何よりも県外からの観光客とか居ると思うんですよ。まあ、こんなあり見所もないような町に来る人に気がしれませんがね。っと、これは酷いですね。この町にもちゃんと見所はあるんですし。たぶん。


「あの?」


 あや、誰かに声をかけられてしまいました。同い年くらいの男です。顔は……まあ、良い方ではないでしょうか。わかりませんね。比較になる人はいないので。活発そうな印象を受けます。頭髪は茶髪で割りと長い。首元くらいですね、もう少し伸ばせば結べそうです。なにやら大きな荷物を持ってますね。引越しでしょうか。

 っと、あまり考え込むのは悪い癖ですね。怪訝な顔で見られてますので、返答しないと。何か用があるようですし、聞いて見ましょう。中々面白そうなことになりそうですし。同い年くらいでたぶん転校生ですよね。この辺りで、高校といえばうちしかありませんし。っとと、また考え込んでますね。早く返答返答っと。


「私です? 何か用ですか?」

「すみません、このマンションに行きたいんだけど、今日ここに着いたばかりでわからなくて教えてくれませんか?」


 その男の持っている地図を見る。おお、ここは最近できたばかりのマンションですね。立地も駅まで10分、私たちの通っている埜宮高校まで10分という中々の立地。内装も中々で、結構家賃とか高そうと思っていましたけど、調べたら大学で研究開発された最新設備とか何とか間とかの実験用とかで家賃はかなり安いと聞いたことがあります。まさか、そんなところに住む人間が居ようとは。いや、まあ、多分ほかにも住む人いると思いますけどね。便利ですし、というかそう言う私もそこに住んでますしね。うちの母親も私と同じで新しいもの好きで、好奇心旺盛ですから。あ、父親もそうですね。だから、出来た瞬間に引越し余裕でした。中々に面白いマンションですよ。いえ、住処に面白いとか必要なのかは知りませんが、私的には最高ですね。

 さてと、案内ですね。案内。私ほどこの町に精通している人間などいないでしょうし、それに自宅でもあるんですから、案内は余裕です。ここで恩を売っておけば何かと利用できそうですし、転校生の情報が得られるのは大きいです。オーケーしましょう。


「オーケーですよ。というか、私も同じマンションですしね」

「おお、ありがとうございます。それにしてもすごい偶然ですね」

「そうですね。じゃ、いくですよ。あ、私は木山秋子ですよ。あなたは?」

「私は志雄原稜麗(しおはらりょうま)です」

「そうですか、では行くですよ」


 男改め志雄原さんと共に、来た道を戻ります。はあ、面倒です。それにしても面倒です。いえ、面白いかな~とか、ちょ~っとは思ったんですけどね。ほら、あれですよ。修学旅行とかって、あれ、計画までが楽しいじゃないですか。本番になるとテンションがただ下がりするんですよ。作者はまさにそれで、その子たる私もそれを受け継いでいるんですよ。というわけで、案内するとなると、途端に面倒になりました。

 いえ、ここで放り出すとかはしませんよ。私は記者なので、信用第一ですからね。一度言ったことは遂行しますよ。はい。この黒く腹黒い木山秋子はきちんとしますよ。あれ? 信用できそうにないですねおよよ、これは困りましたね~(笑)。

 っと、はいはい、とにかく案内ですね。案内っと。そうですね会話でもしてこいつの個人情報を掴むとしましょう。いえ、別に悪用する気はないでよ。本当ですよ。


「さてと、志雄原さんはどうしてこの町に来たんですか?」

「えっと、まあ、色々あってといいますかね。家の都合ですかね。親が外国に行くということになって私は残る選択をしただけですよ」

「ほ~、そうなんですか(カキカキ)」


 両親は海外っと。それで本人は日本に残る決意をして、一人暮らし。多分、一人暮らしできる環境じゃなかったんでしょうね。元の高校と家は。高校は校則が厳しければアルバイトも出来ないところがありますしね。それだからでしょう。家はでか過ぎたんでしょうかね、そして、そこにもう帰る気がないということでしょう。

 息子に好きな場所で生活をさせようという親心というわけですか。中々良い親御さんではないですか。これはポイント高いですね。それにしてもどこの国に行ったのでしょうか? アメリカとか、その辺りが妥当そうですね。まあ、これ以上は初対面の私が聞くことではないですね。自分で調べます。


「あ、あのそのメモは?」

「気にするなですよ。こっちのことなので、じゃあ次です。好きなものや趣味は?」

「そうですね。趣味は写真撮影ですかね。好きなものは子供、ゲーム、料理ですね」

「ほほう(メモメモ)」


 なるほど、写真撮影が趣味ですか。この辺りは風景とかいいですからね。名物というほどじゃありませんけど。酔狂な大学が実験的に色々やってたりしますから、建物の面白いですから被写体にはぴったりかもしれませんね。しかも、カメラが趣味とは好都合ですよ。カメラマンは私もほしいと思っていました。これは写真部に入られる前に捕まえるですよ。

 え? 狩野君たちですか? アレは雑用係と記者と編集とか、新聞作成班の方々です。というかあの面子にカメラ使えるのいませんでしたから。


「じゃあ、好きな料理は?」

「ん~、特これといった物はないですね。嫌いなものもないです」

「そうですか」


 料理が好きなわりには意外ですね。いえいえ、これは関係ないですね。さてと、メモしてっと。ほかにも色々聞きたいのですが、う~ん、時間がないですね。もう、マンションが見えてきてますし、はあ、駄目ですね。でも、まだ、色々聞いてみたいんですよね。う~ん、どうしましょうか?


「さてとここが目的地のマンションですよ。何階です? ちなみに私は5階ですよ。501ですよ」

「そうなんですか! 私は502です」


 ありゃ、お隣ですか。本当に偶然がかさなるもんですね。ここまで来ると何か作為的な何かを感じずにはいられませんね。何か神の力でも働いているのではないでしょうか? 何なんですかね。まあ、良いです。ここで好感度でもあげておけばカメラマンとして引き込みやすいです。


「あ、そういえば、そろそろ昼ですね。引越し当日じゃろくなもんないはずです。隣のよしみです。うちで食ってくです」

「いいんですか?」

「いいですよ。ちょっとメールするですよ」


 メールに志雄原さんという人が隣に引越してくるということを伝え、彼を食事に誘ったことを伝える。そうすると、二つ返事でOKということだったので、自宅に招待する。フッフッフ、これでカメラマンは確保ですよ。あ、別に誰かさんが期待するような好意なんてものは私にはないのであしからず。


「オーケーですよ。荷物置いたら来るです」

「ありがとう、それがご相伴に預からせてもらうよ」


 そういうわけで、志雄原さんと共に私の自宅へ。先に志雄原さんの自宅に荷物を置いてから、私の自宅に行きました。引越してきたばかりなのがもろわかりなダンボールばかりの部屋でしたね。どんな部屋になったのか後片付け終わったら見に行きたいですね。ベッドの下とかを探りたいと思います。

 え? 何をするかってわかっているでしょう。そんなのを聞くのは野暮ですよ。


「さあ、入るですよ。ただいまです」

「お邪魔します」

「おっかえり~」


 赤いキャミソールにジーパン、ポニーテール姿の女性、私の母が出てきました。アクティブな印象を受ける。もう三十路の一児の母とはと思えない容姿ですよ。ちなみに仕事も現役。まったく、私の母とは思えない。本当に思えません。それなのに、父はさえないサラリーマンとか、いったいどうやってうちの母を落としたのでしょうか? う~ん、わかりませんね。

 さて、私の母がジロジロと志雄原さんを観察します。


「へえ」


 多分中々良い男とでも思ってるんじゃないでしょうか。うちの母はこの手の若い男大好きですからね。時々逆ナンしてますからね。まったく、本当に子持ちの母とは思えないですよ。それを容認している父もある意味大物ですよね。まあ、最終的に母も父が一番好きと言っているので、本当にバカ夫婦ですよね。こんな遺伝子が私にもあると思うとちょっと鬱になりそうです。

 いえ、別に鬱にはなりませんけどね。言ってみただけです。そもそも、鬱になるのだったら、物心ついた時から、なってるはずですよ。幼少期から、あの二人は毎晩毎晩私の寝ている隣で、お盛んでしたからねえ。それに母に限っては、私を買い物とかにつれていった矢先にナンパしてから、若い男の純情を踏みにじってましたからねえ。豪胆にもなりますよ。おっと、これは別に関係ないですね。


「中々良い男じゃない! いいなあ~、アキちゃんもお年頃なのね~」

「違います。それよりご飯出来てます?」

「当然!! このハルちゃん特製手料理が出来てるわよ」

「そうですか」


 なぜか母は自分のことをハルちゃんと言う。名前が春華(はるか)だからだと思うです。正直、年を考えるときめえですが、容姿が若いので、見た目的にはあまり気にならないですよ。

 ちなみにアキちゃんは私のあだ名ですね。主に母と父しか使いませんけど。それに家族以外に使わせる気もありませんし。


「さあ、入って食べるですよ」

「はい」


 その後、私たちは昼食を食べました。パスタだったんですが、流石我が母うまかったですよ。普通に店で出せそうな腕ですよ。まったく記者なんかやめて料理人になればいいのに。


「今日はありがとう、おいしかったよ」

「そういうのは、母に言うです」

「そうだね。じゃあ、私はこれから荷物を片付けるとするよ」


 片付けですか。こういうのって大抵掘り出し物とか、紛失してたものとか、アルバムとか、昔読んでた本とか、毎日つけてた日記とか、そういうのが出てきて大抵見てしまってまったく進みませんよね。うちの親もそうですね。父はそうでもないんですけど、母が凄いですよ。

 母の個人部屋があるのですが、そこを片付けているとなぜか、ショタやら、オッサンやらの写真がいっぱい出てきます。あれを見つけたときはもう恐怖でしたよ。ああ、それと、女の子の写真も多かったです。母曰くバイだとか。おお怖い怖い。あの時の顔は確実に私を狙ってましたよ、ああ怖い怖い。うちの母はキャラが濃すぎますよまったく。


「そうですか。なら、手伝いますよ」

「え、でも悪いですよ」

「良いですよ良いですよ。私、手伝いとか大好きなんですよ」


 嘘です。相手のうちの荷物を片付けることで志雄原さんの秘密を知りたいだけです。弱点でも良いです。そういうのは知っていたほうが良いですからね。本来なら面倒くさい片付けもよろこんで手伝ってあげますよ。あ、別に好きな人のことが知りたいとかじゃないですから。記者として情報を知っておきたいんですよ。狩野君たちに驚きをもって伝えることが出来ますからね。


「そうなんですか。じゃあ、お願いします」

「任されたですよ」


 そんなわけで、私は志雄原さんの荷物の片付けを手伝ったのでした。ふふふ、色々と面白そうな情報を仕入れることが出来ましたよ。しかもこっそりと。性癖とか。うん、これは良い情報ですよ。こっそりメモに色々と記録したました。しかし、あれですね。なれないことはしないことです。結構疲れました。まあ、こっそりやっているため妙な緊張感があったせいでもあるんですけど。金輪際こんなことはやらないと思います。これ疲れます。


「今日はありがとうございました木山さん」

「別にいいですよ~。じゃあ、帰るです。なんかあったら、いつでも行っていいですよ」

「あ、それじゃ、明日町を案内してもらえないですか?」


 う~ん、案内ですか。これは……まあ、良いでしょう。


「いいですよ。明日の九時にマンション前に集合です。遅れたら。お・し・お・き、しますからね。それじゃ」


 ふい、まあ、今日は中々いい日だったのではないでしょうか。帰った途端ニヤニヤ顔の母を見なければ。まあ、良いです。全体的には、良かった。その一言で片付きますからね。



side志雄原


 木山さんか……。良い人だったな。マンションまで案内してくれたし、それに初対面の私に昼食までご馳走してくれたし。お母さんも優しそうな人だったし。あ、でもなんか視線が時々怖かったけど。これはさすがに人の母親に言えることじゃなかったから、言わなかったけど。

 明日も町を案内してくれるって言ってくれたし。


「顔とかも結構可愛かったなって、私は何を言ってるんだ」


 …………でも、気になるな。ん? よくよく考えれば案内してくれるって、二人だよな。あれ、デートじゃね? それって、デートじゃね?


「うわ、どどどどど、どうしよう。何着て行こう。ま、待て、お、お、落ち着くでござる」


 って、本当に落ち着け私。何だござるって。明日は、あくまで、デートじゃない。そう、デートではないんだ。そうただの案内。…………。


「駄目だ。意識したら、もうデートとしか思えない。モロタイプだったし」


 それに、何だこの胸の高鳴りは……まさか、これが俗に言う一目惚れという奴なのか……。ど、どうしよう。明日私が平静でいられる自信がない。う、う~ん。


「と、とりあえず寝よう。全ては明日考えよう。そうしよう」


 そんなわけで、なんか落ち着かないが、眠ることにした。明日になればススッキリして考えがまとまるかも知れない。

 目を閉じた。


「しまった眠れん」


 駄目だ、興奮して眠れん。待て、このまま明日の待ち合わせに遅れたらお仕置きされる。いや、それもいい――駄目だ駄目だ。それは駄目だ。寝よう。目を閉じていれば寝れるはずだ。

・

・

・

 結局一睡も出来にまま朝を迎えてしまった。


木山視点書きやすい。

だから、無駄に書いてたらいつもより長くなってしまいました。

もう、こいつが主人公で良いんじゃないか? とか思ってます。

そして、今回G・S様より、いただいたキャラクター志雄原稜麗君が登場です。詳細な情報は次回載せることにします。


次回も木山視点なので、とても長くなります。

では、お楽しみに。


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