第二十二話 星空の下
気がつくとそこは栗原の別荘の僕が泊まる部屋だった。服はきちんと来ていた。頭には氷がのせられている。
「ようやく、お目覚めね」
「佐藤……」
佐藤がベッドの横で僕を見ていた。なんだどうして僕はここに……。
「わけがわからないって顔ね。あんたサウナの前で倒れてたのよ。沢村さんと一緒にね」
佐藤の言葉で混乱していた記憶が蘇った。急いで起き上がろうとする。
「沢村!!」
バッ!!
「まだ寝てなさい!!」
だがすぐに佐藤に寝かされてしまった。
「沢村さんは無事みたいよ。もうちょっとで危なかったけと」
「そうか、良かった」
助かったんだな。
「あんた無茶し過ぎ」
棘のある声で佐藤が言う。確かに無茶だ。無事じゃない右手に包帯巻かれてるし。幸いあまり酷くないみたいだけど。幸い左手は使えるからいいけど。
「もうちょい何かやり方あったでしょ」
言い返す言葉もない。
「大体あんたはいつもそうでしょ。後先考えないで、あの雨の日だってそうよ――って聞いてる?」
本当にそうだな。今回は全面的に僕が悪い。
「ごめん」
「今日はヤケに素直ね」
「流石にな」
あんなことがあったんだし。
「そう、なら、もう少し寝てなさい。夕食は後で持ってきてあげるわ」
「ああ、ありがとう佐藤」
僕の言葉を聞いた佐藤の顔が赤くなる。
「べ、別にいいわよ」
顔を真っ赤にして佐藤は部屋を出て言った。その理由はまだ頭が朦朧としていてわからなかった。
「まあ、いいや。寝よう」
とりあえず寝ることにした。
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「ほら、起きなさい」
「ん?」
佐藤の声で目を覚ました。あれから一時間位寝ていたようだ。
「よく寝てたとこ悪いけどはいこれ」
佐藤の手にあるトレイには夕食が乗っていた。
「お腹すいたでしょ持って来てあげたわ」
「助かる」
「食べれる?」
「ああ、なんとかな」
佐藤からトレイを受け取って食べ始める。
「はい、あと水」
佐藤が水のペットボトルを渡してきた。
「サンキュー」
受け取り飲む。
「ふう、生き返るな」
しかし、なんで開かなくなったんだ? 栗原が管理を怠るとは思えないんだが。とりあえずあとで栗原にでも聞いてみよう。
「じゃあ、今日は静かに寝てなさいよ。いい、命令だからね!」
そう言って佐藤は部屋を出て行った。
「了解」
食べ終わったので命令どおり寝ることにした。
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「ん?」
ふと目が覚めた。外はすっかり暗く時計を見ると真夜中だ。窓の外には満天の星空が瞬いている。
「ちょっと見てみようかな」
ついでに喉も渇いたし。
部屋を静かに出て一階に降り冷蔵庫から水のペットボトルを取り出してウッドデッキに出る。そこには先客がいた。
「まだ、おきてたのか佐藤」
「あんたこそ、寝てなさいって言ったはずだけど?」
「結構寝たさ。星が綺麗だったから見に来た」
そこでお前にあっただだけだ。しかし、綺麗だな。さすが南国の無人島。
「案外ロマンチストなのね」
「そうか?」
そういうもんとは思わないな。単純に星が綺麗だったから見に来ただけだし。
「じゃあ、アンタはもう寝なさいよ」
「まるで僕が寝たほうがいいみたいないい方だな」
「そうね、明日も倒れられてたら困るからね」
一応心配してくれてるのかな佐藤なりに。なら、もう少し優しく言ってくれてもいいと思うのだが。
「なに? 何か不満でもあるの」
「別に、それならお前も寝ろよ」
「私はいいの」
自分はよくて僕は駄目なのかよ。まあ、僕と佐藤じゃコンディションも違うか。僕は蒸し焼きの一歩手前の状態だったわけだし。
「お前、意外に優しいよな」
「い、意外ってのは何よ!!」
「ほめてるんだよ、お前会ったときとは大違いだ。まだまだ、棘があるけど、こっちの方が好きだぞ僕は」
「…………」
あれ、佐藤に何も反応がない。僕は何かまずいことでも言ったか? 何か佐藤真っ赤だし。
「お~い。佐藤?」
恐る恐る呼びかけてみる。
「…………寝る」
「おい!」
佐藤は何も言わずに戻っていってしまった。
「なんなんだ?」
何か佐藤の機嫌を損ねることでも言ったか僕? …………考えてもわからん。
「はあ~寝るか」
僕はもう一度見てから部屋に戻った。
空には満天の星空が限りなく輝いていた。




