第十話 試験勉強
6月16日水曜日、天気は晴れ。梅雨にしてはいい天気だった。なのに校内には明るい雰囲気はない。逆に暗い。それは今日が定期考査一週間前だからだ。うちの高校は二学期制のため中間考査だ。
「あ~、ついに一週間前だ~!!」
莉子が叫んでいる。
「まだ、一ヶ月前と思ってたのに。もう、一週間前、驚きだよ」
「それはお前がサボってたからだろう。てか、一ヶ月前はお前この学校の生徒じゃないだろう」
「う~、それを言われるとちょっときついかも」
「アンタが無計画なだけでしょ」
佐藤が言った。
「なによ~、いいじゃないその日その日を楽しんでるって言って!!」
「それが無計画って言ってんでしょ」
「う~」
「諦めろ莉子じゃ佐藤に勝てない」
「う~」
転校してきてからいつもこれだ。止める身にもなってくれ。
「うらやましいやつめこの野郎!!」
「なら、変わってくれ三上」
「それは遠慮しよう」
この意気地なしめ。
「そんなことよりどうするの勉強会?」
栗原が言う。
「俺は勉強しない!!」
「三上から言い出したことでしょ」
「勉強するにしても僕は教えられないぞ」
正直自分のことで手一杯だ。
「特に英語。それこそ教えてほしいくらいだ」
英語は特に苦手だ。今の時代英語は必須なのはわかっているのだがどうも苦手だ。
「勉強会ですか~?」
木山がやってきて言った。
「ああ、三上と栗原がやるんだと」
「そうなんですか。まあ、遊びさえしなければいいと思うです」
「なあ、木山も来ないか!!」
三上が木山に聞く。物凄い期待した顔だな。
「断るです♪」
「チックショー!!!」
三上が物凄い勢いで落ち込んだ。しかし木山、断る時の顔がすごい悪いな。内心かなり楽しんでるんだろうな。
「こうなれば!!」
三上が立ち直った。早い。そして佐藤の所に行った。
「頼む!!! 勉強会に来てくれ!!! ついでに勉強教えてくれ!!」
土下座、それはもう、重みも何もない土下座。ただの土下座。まったく誠意が感じられない土下座。もう、プライドないなこいつ。
「はあ? アンタそんなにヤバイわけ?」
「苦手教科がちょっとな」
佐藤に言う。まあ、三上の苦手教科は全部なんだけどな。英語がやばいんだよ。
「ああ、だから頼む!!」
深々と頭を下げる三上。
「はあ~、わかったわよ。赤点取られても困るし」
何を困るんだ? 佐藤が困ること何てあるか? いや、ないな。なんでた?
「ありがとう!!………………白!!」
頭を上げた三上が言った。当然その前には佐藤がいるわけだが。あ~あバカ三上。
「頭あげんなバカー!!!」
「おぶぁ~!!」
佐藤の蹴りが三上の鳩尾にめり込む。
「信じらんない!! そこで死ね!!!」
佐藤はそのまま教室を出て行った。三上は幸せそうな顔で気絶していた。
「こりゃ、佐藤は来ないかもな」
「そうだね、でも三上は幸せそうだよ」
「だな」
バカ面で笑いながら笑いながら気絶していた。
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そんなこんなで放課後。勉強会ということで僕の家に栗原と三上が来ている。
「あ~あ、結局男だけか~」
三上が言う。
「お前の自業自得だろ。諦めろ」
「もう少しだったのにー!!」
はあ~まったく。
ピンポーン
その時チャイムが鳴った。
「誰だ?」
「佐藤か!!」
「そんなわけないだろう。とりあえず見てくる」
下に下りて玄関のドアを開ける。
「遅い!!」
「佐藤!!」
そこには私服姿の佐藤が立っていた。
「どうしたんだ、てっきりこないと思ったが」
「一度約束したことは守るわよ。私をなんだと思ってんの?」
「いや」
まさか来るとは思わなかった。意外と律儀な奴だ。
「勉強やるんでしょ。さっさと行くわよ」
佐藤はそのまま僕の部屋に。
「よく来てくれた!!」
三上が佐藤を見た途端言う。
「はいはい、いいからさっさと勉強するんでしょ。さっさとやりましょ」
「そうだな」
勉強会をはじめた。
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「そういえばさ、こういうのに黒江さんが来ないのは珍しいね。一番に来そうなのに」
栗原が言った。
「ああ、確かにそうなんだがな」
アイツは祭りとかそういうのが好きだからな。
「アイツ両親に止められたんだよ」
「そうなんだ」
「そう、一週間前はどこにも行かずに親監視の下徹底的に勉強させられるんだと」
「それは可哀想だね」
「まあ、自業自得だな。これで僕も勉強に集中できるし」
まあ、少し可哀想だがな。
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一方その頃。
「うわ~ん」
「こら、騒がずやりなさい」
「うう」
あ~、今頃悠たちは勉強会か~。うう、何で私はこんなとこで見張られながら勉強してんだろ。
「手が止まってるわよ」
「は~い」
あ~、向こうに行きたい。あ~行きたい行きたい行きたい。
嘆いている黒江莉子であった。
****
「なあ、佐藤ここはどうなるんだ?」
「こんなのもわかんないの?」
「悪いか。英語は苦手なんだよ」
「まったく、こうよ」
「へ~、サンキュー」
「わかったなら早く次の問題でも解きなさい」
「はいよ」
いまさらだが佐藤は頭がよかった。テストは必ず上位にいた。ちなみに僕は中の上か、上の下。三上は言わずもがな、下から数えたほうが早い。栗原は頭はいい。というか我らの学年のトップ。
「そうでもないけどね」
栗原、勝手に人の心を読むな。
「ごめんごめん」
だから読むなよ。
「佐藤、ここ教えてくれ」
三上が佐藤に聞く。
「ここはこうなってこうなるのよ」
「ああ、わかりやすい」
三上にも理解できるのか。
「佐藤は教えるのうまいな」
「別に普通よ。もっとうまい人も居ると思うし」
「それでも三上に理解させるのはすごいぞ」
本当に三上には苦労させられるんだ。
「そんなことよりさっさとやるわよ!!」
『は~い』
どことなく佐藤は照れていたと思った。
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「じゃあ、今日はこれくらいにしよう」
栗原が言う。時間は七時を回っていた。
「そうだな」
「あ~勉強した~」
「で、三上明日はどうするんだ?」
明日もやるのだろうか。
「モチのロンでやるぜ!!」
ああ、そう。まあ、僕達はいいんだが。
「佐藤は明日来なくてもいいぞ。自分の勉強したいだろ」
「べ、別に構わないわよ。私が教えたたのに赤点なんてとられた困るからね」
「そうか」
佐藤が来てくれるのはうれしいな。
「じゃあ、僕は帰るよ」
「ああ、俺も」
「ああ、じゃあな」
玄関で三上と栗原を見送る。
「それじゃあ、私も帰る」
「ああ、送っていこうか?」
最近物騒だし。この前高校生二人が行方不明になったて事件があったりしたし。
「いいわよそんなの」
「いいから遠慮するな。今日の礼だ」
「なら、勝手にしなさい」
「ああ、勝手にするよ」
佐藤と供に外に出る。夕日が綺麗だ。歩き始める。
「なあ」
「何?」
「お前優しいよな」
「な、何よいきなり!!」
「いやな、お前見てるとさ、意外に優しいと思って」
「そ、そんなわけないでしょ!!」
ドゴッ!!
「ぐはっ!」
殴られた。意外に痛い。ってかかなりいたい。
「あ、アンタが余計なこと言うからよ!」
「それでも、殴るかよ、ってて」
それにしてもこういうキャラってなぜか筋力強いよな。
「何か余計なこと思ってない」
「い、いえ!!」
怖っ!! マジで怖い。
だが、夕日のせいかわからないが佐藤の顔が赤かった気がした。
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「っともうこのあたりでいいわよ」
「いいのか? 家まで送ってもいいんだぞ」
「いいわよ。それよりさっさと帰って勉強して少しでもいい点数をとれるようにがんばりなさい」
「わかってるよ」
「いい、これで中途半端な点数を取ったらただじゃおかないんだから」
「肝にめいじるよ」
「じゃあ、また明日」
「ああ、また明日な」
佐藤を見送り家に戻る。そこにはしおれたウサギがいた。
「おい、何でここにいるんだよ莉子」
「逃げてきました」
堂々と莉子が言った。
「そうか」
スタスタスタスタ
靴を脱ぎ電話へと歩く。
ガチャ
受話器をとる。
ブチィ
「おい、電話線を抜くな」
「やだ、だってうちに電話するきでしょ!」
「当たり前だろ」
「お願い泊めて!!」
またも土下座をする莉子。
「お前本当にプライドないよな」
「悠にはプライドなんていらないもん」
そんなにこやかに宣言することじゃない。
「はあ~」
「溜息ついたら幸せが逃げるよ」
「誰のせいだよ誰の」
「誰の?」
「お前だよお前!!」
「エヘヘ、照れるな」
頬を赤く染めて照れる莉子。
「褒めてねえよ!!」
照れるなよ。
「さえ、じゃあ、帰れ」
「嫌だ」
「お前も勉強しなくちゃいけないだろう」
「やるもん、悠とやるもん」
「僕を巻き込まないでくれ」
自分のことで手一杯だっていってるだろう。
「教えるもん」
「はあ? お前が僕に?」
「うん」
「何を教えるんだよ」
言っちゃ悪いが莉子に教えてもらえることはないと思う。
「英語」
確かに僕は英語は苦手だがそれでも莉子に負けてるとは思えないんだが。
「あ、その目は疑ってるな」
「お前を見て疑うなと言うのが無理だ」
「じゃあ、これ見る?」
莉子が何かを取り出した。
「なんだ?」
「前の高校で私が受けた全国模試の結果」
なるほどな。確かにこれならわかりやすい。
「え~っと」
五教科で受けてある。相変わらず国語、数学、理科、社会、悲惨だな。そして英語。
「な!?」
「フフン、どうだ!」
英語だけ物凄い上位にいた。
「本当に?」
「それを偽装できるならね」
「…………」
まさか本当に莉子が英語だけ点数がいいとはね。驚きだ。知らなかった。中学の時はまったくそんなことはなかったのにないがあったのだろうか。
「熱でもあったのか?」
「そんなわけないじゃん!!」
そうだな。コイツは生まれてから一回も病気になったことがないからな。
「それで、どうする?」
莉子が意地悪く笑っている。コイツ僕が断れないの知って言ってるだろ。
「…………」
「ど、う、す、る♪」
仕方ない英語だけだな。英語だけにしよう。それが終わったらお帰り願おう。
「わかった英語だけ教えてくれ」
「やた。じゃあ、夕食つきで」
「はいはい」
ちゃっかりしてる。
その後、また莉子が風呂に乱入してくるというトラブルがあった。そのときはいきなりで防げず侵入されてしまい、何とかするのに余計な体力を使ってしまた。そのあと莉子が異様に機嫌が良かったのが気色悪かった。
夕食を食べて勉強をした。
莉子は用事が終わったあと文子さんに電話して連れ帰ってもらった。
佐藤のキャラが定まらないどうしょう。
まあ、いっか
気にしないでおこう。
佐藤は設定はツンデレだとお知らせしておきます。




