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異なるスキルの使い方  作者: 黒服
8/47

8:金貨十五枚

2018年。あけましておめでとうございます。



《では今まで通りマスターとお呼びいたします》

「うん……それでお願い」


 俺としては、気になるのなら俺の事はマスター呼びでもいいよ、ってつもりで好きな風に呼んでって言ったんだけど、いや、言葉とは難しいもんだ。

 とか自分の発言を棚に上げてそんな事を考えてみる。

 うん。俺の言い方が悪かったんだけどね。


「それでカナ。これからどうするの?」


 己の発言を棚の上にポイしてたらアルマがこれからの予定を訊いてきた。

 さて、どうしようか。

 特にこれといった筋道を立てている訳ではないんだけど、目的地であるグランドリスの滝があるのはユルド王国だから向かうならそっち方面だよな。


《ユルド王国となりますとここから南になりますね》

「知ってるの? クロエ?」

《ハイ。グランドマスターから頂いた知識の中に含まれております》


 成程。貰ったのは地球の知識だけじゃ無く、この世界に関する知識も貰ってるって訳だ。

 って、考えたら当たり前の事か。

 地球に戻る方法を探して世界中回ったって話だしな。


《三日程進んだ先にウルスラという街がありますので、一先ずはそちらに向かうのがよろしいかと思います》

「私、リコッタ以外の街って知らないんだけど、そのウルスラってどんな街なの?」


 アルマの言うリコッタとは俺たちの住んでいる街だ。

 俺も他の街の事は知らない。貴族や商人ならいざ知らず、冒険者でもない一般人が他の街に向かうことは殆どないだろう。

 少なくともリコッタの住人はそうだった。


 何せ街の外には魔物がいる。


 貴族や商人であれば護衛を雇うし、冒険者であれば魔物を倒す術を持っているけど、殆どの人は護衛を雇う余裕も無ければ魔物を倒す術も持っていない。

 そんな人達がいつ魔物に襲われるかも知れない場所を進む無理に必要は無いからね。

 街の中だけで充分生活出来る訳だしさ。


《ウルスラは薬学が盛んな街ですね。一般向けの薬の種類も豊富ですが、冒険者向けのポーションの種類は国一番だそうです》

「へぇ。それは凄いな」


 ポーションなら何種類か創造出来るけど、旅の安全の為にも種類は多いに越した事は無いし、国一番って言うならそこで増やせるだけ増やしてみるのもいいかもしれない。


《その中でもブーストポーションが特に人気ですね》

「ブーストポーション?」


 訊いた事ないな。いや、そんなに多くを知っている訳じゃないんだけどさ。


《スキルの効果を一時的に高めてくれるポーションです。攻撃系のスキルであれば威力が上がりますし、補助系ならば効果範囲、効果時間などが上昇。回復系なら回復効果が上昇します》

「そんな便利なポーションがあるんだな」


 それは是非とも手に入れておきたい。

 俺の固有自体に効果があるとは思えないけど、汎用スキルには勿論コピーしたスキルには適用されそうだし。


《ええ。ポーションの中でも比較的高価な物ですが、いざと言うときの為に二~三本常備している冒険者が多いみたいですよ》


 む。比較的高値とな?


《一本金貨十五枚です》


 高っ!!

 金貨十五枚って四人家族の三ヶ月分の食費くらいあるぞ!

それを二~三本常備って……。


《このポーションを必要とするレベルの冒険者ならば元は取れるようですね》


 あー。そういうこと。

 確かに初心者がこのポーションを使っても金貨十五枚以上稼げるとは思えないな。

 でも、欲しいなぁ。金貨十五枚か……。金貨十五枚。


「高いよなぁ」

《確かに今の手持ちでは心許無いどころか圧倒的に足りませんが、一度効果を確かめてしまえば創造が出来る訳ですし、もし街で見かけたら購入される事をおすすめします》


 聞けばブーストポーションはウルスラの街の冒険者ギルドでのみ製造販売されているとかで他の街では見掛けないそうだ。

 手持ちのお金は金貨、銀貨、銅貨がそれぞれ五枚ずつ。

 正直やろうと思えば硬貨も創造出来るんだけど、流石にそれはダメだろうと、それぞれ一枚ずつ創造しただけで終わっている。勿論手持ちには加えていない。


「私も買っておいた方がいいと思う。今は必要無いかもだけど、備えておいて損はないよ」


 だよね。

 とすると不足分を稼ぐ必要が出てくる訳だが、その方法は考えるまでもないよな。


「と言うわけでクロエさん、おススメの魔物を教えてください。」

《そうですね。この辺りですと……コランダムクラブはどうでしょうか?》

「あ、エルドさんから教えてもらった事あるよ。体が水晶で出来た魔物だよね?」

《その通りですアルマ。野生のコランダムクラブの素材は不純物が多く宝飾品としての価値は低いですが、武具の研磨剤として優秀なので、金貨十五枚なんてあっという間ですよ》

「そいつの装甲ってダイヤモンドに匹敵するくらい硬いって話だけど、どうにか出来るもんかな?」

《マスターの異世界憧憬(アストラルヴィジョン)を使えば余裕です》


 余裕ってまるで見てきた様に言いますなクロエさん。

 ダイヤモンドを殴った事なんてありませんよ?


「殴ったら骨が折れるイメージしか湧かないんだけど……」

《鉱物系統の魔物は衝撃に弱いですから、殴るのではなく掌底で魔核部分を狙って下さい》


 外部にダメージを与える訳ではなく、内部にダメージを与えるのがコツなんだそう。

 ただし魔核部分、つまりは心臓だな。そこを狙わないと効果は薄いそうだ。

 成程、内部にダメージね。それならどれだけ外殻が硬かろうと関係はないって事か。

 うん。それなら何とかなる、のか?


 まぁ物は試しだ。ダメそうだったら他の魔物にしよう。


「よし。じゃあコランダムクラブを狩ろう」

《畏まりました。マスター。道中に生息しているポイントがありますのでそちらに向かいますね》

「よろしく頼むよクロエ」




 明日のお昼には着くそうなので、それまではコピーしたスキルのおさらいでもしておこう。

 とりあえずコピーしただけでしっかり検証していないスキルも多いしね。

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