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異なるスキルの使い方  作者: 黒服
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5:冒険の目的

評価していただいた方、ブックマークしていただいた方。ありがとうございます。拙い表現力ではありますが、どうぞお付き合い下さいませ。




2017/12/14 修正

滝の幅があまりにも小さいかなと思いまして、「500mを超える」から「5000mを超える」に変更いたしました。

 祖父ちゃんから装甲馬車を貰ってから一週間後。




 まだ街にいます。




 ……あのね、違うのよ。


 よくよく考えてみたらさ、あんな見た目の馬車が他の街に入れる訳ないじゃん。

 貰った時はインパクトが有り過ぎて「派手だけどこんな馬車襲ってくる奴なんか居ないよねー。ハハッ」くらいにしか思ってなかったけど、それ以前の問題じゃん。

 馬車を貰った次の日に、そんなに多くは無い荷物を積み込みに工房に行った時気付いたんだよ。で、造った張本人の祖父ちゃんもそこで気付いたみたいでさ。


「これ、街入れなくない?」

「じゃよねー」


 そんな爺孫やりとりの後装甲馬車の手直しをしていたら一週間目に突入、と。


 完成したかな?って作品はさ、出来あがった時はテンション上がってるから、一度時間を置いてテンションを元に戻した状態で改めて眺めてみて、そこで気付く事って結構多いと思うんだよね。

 正にソレ。

 一週間も時間がかかってるのは一から造り直したから。

 祖父ちゃんの創造:異だと全く同じのが出来ちゃうし、かといって祖父ちゃんの記憶に存在しない限りは材質や姿形、大きさを指定した創造は出来ないからね。

 で、どんな風に造り直したかって言うと。


その一:車輪はキャタピラから普通の車輪(ミスリル合金)に変更

その二:六門あった大砲は全撤去

その三:ミスリル合金の上から樹の合板を重ねてカモフラージュ


 大きさは相変わらずだけど、ちょっと小さくなったしこれで前より馬車っぽく見えるってもんだ。

馬車の車輪が合金製ってのは珍しく無いし、ゴーレムだって「スキルです!」って言っとけばどうとでもなるしな。あと、ユニコーンゴーレムに愛着が湧いたってのもある。


 今日完成したから、一日時間を置いて、明日またじっくり眺めてみて問題がなければいよいよ出発だ。大分冷静な目で造れたとは思うけど、念の為にね。

 そして、このままでは工房を圧迫してしまう初代装甲馬車は国に売るらしい。

 こんな馬車で王都に向かったら大問題になると思うんだけど、国のお偉いさんが一兵団を連れて街まできてくれてそのまま王都まで一緒に向かってくれるんだとさ。


「こんな簡単にお偉いさんが来るもんかね」

「ワシ、結構この国に貢献しとるんよ?切れ味の良い包丁とかで」

「母さんも使ってるやつね。あれのおかげで鍛冶屋の技術力が向上したんだっけ?」


 最高品質で創造されたニッポンの包丁が当時の鍛冶屋に与えた影響は凄まじかったらしくて、ニッポンに負けるかと鍛冶屋の腕が軒並み上がりそれが兵士の武具にも拡がって国の防衛力がかなり向上したとか。


「そうそう。ほんでまぁ色々と国と縁を持つようになったんよ」

「それのお蔭で祖父ちゃんは怒られずに済むって訳か。よかったね。国と縁があって」

「ほんまそれな」


 国が買ってくれるお蔭で祖母ちゃんの怒りを回避した祖父ちゃん。祖母ちゃんの怒りを回避する為に国に売りつけたともいう。っていうか絶対そうだろ?


「カナ。おはよう」

「おはよう。アルマ」


 会話の終わったタイミングで工房に訪れたアルマに挨拶を返す。

 アルマはあの日から毎日工房に顔を出している。別に圧を掛けにきてるとかじゃなくて、馬車を組み上げる工程を眺めに来てるだけだ。だって楽しそうに眺めてるし。そうであってくれ。


「おはようアルマちゃん。待たせて悪かったのう」

「おはようございますミオさん。完成したんですか?」

「おうともさ。バッチリよ。アルマちゃんの為に新しく本棚を追加してそこに好きそうな物語一杯詰め込んどくからね」

「っ!? ありがとうございます!!」


あぁ……だとは思ったけどあの大量に創造された物語達はやっぱりその為だったか。


「祖父ちゃんってさ、アルマに甘いよね」

「孫ちゃんに言われたくはないけど、自覚はしとるよ。ええやろ別に。どうせ将来義理の孫になるんやし。 」

「任せてください! カナは私が幸せにします!!」


落ち着け。そしてガッツポーズとかしなくていいから。


「はいはい。その時はよろしく頼むよ」

「任せてください! カナは私が幸せにします!!」


わかったから。


「で、孫ちゃんよ。冒険って具体的な目的とかはあるん?」

「ん? まぁ、目的って言うか、世界の景色を観て回りたいかな」


 祖父ちゃん達の話を聞いてて、ダンジョン探索よりもそっちの方が気になってたんだよね。


 湖が侵食することによって出来上がった蒼の洞穴、ブルーカテドラル。

 様々な鉱石の結晶が生い茂る森、エルツァ晶森林。

 白と運河の街、アイビス島。


 他にも沢山、祖父ちゃんが写真付きで説明してくれるもんだから尚更よ。


「成程、冒険ってより絶景巡りの旅行って感じやね。でも、すげぇわかる。ワシだって写真に収めたくらいやし、地球ではあり得ないような景観もあったもんな」

「勿論ダンジョン攻略も興味あるけど、メインはそっちかな」

「私は天上世界から流れ落ちてくるグランドリスの滝が観てみたいです」


 アルマの言うグランドリスの滝とは、精霊族や妖精族が住まう空の上の大地、天上世界と呼ばれるそこから地上に向かって半円状に流れ落ちるとんでもない大きさの滝だ。

 滝の幅は五千mを超えると言われ、精霊の魔力が流れているのかどのような悪天候にも左右されることなく一直線に流れ落ち、夜中には淡く輝くと言う。

                       

 俺も是非行ってみたいと思っている所だ。


「あそこは絶対に一度は行った方がええよ。正しくファンタジーって景色やった」


 祖父ちゃんの一押し、アルマも行ってみたい、勿論俺も行ってみたい。

 となれば行くしかあるまいよ。


「んじゃ、とりあえずの目的地はグランドリスの滝って事で」

「うん。賛成」


 道中も色々寄って行けばいいよね。

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