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異なるスキルの使い方  作者: 黒服
28/47

28:甲乙平

「問題なく倒せたとは思うんだけど、どうだろうね」


 それなりに良い闘いが出来たんじゃない?

 こっちじゃなくて相手がね。手加減的な意味で。


《問題は無いかと。判断はダンジョンに寄りますので、極端な話いくら手を抜いてもダンジョンがそう判断しなければ無意味ですが》

「身も蓋もねェ」


 そうなったらもうダンジョン潰すつもりで殺戮マシーンにでもなってやろうか。

 ダンジョン存続の危機に陥ったら潰されまいと必死に抵抗するでしょ。


 実際にはやらんけど。


「ねー、カナ。これ何?」


 戦闘が終わってドロップ品を拾っていたアルマが宝石を片手にこちらへ訊ねてくる。

 握り拳大の赤い宝石はガンロックの頭部にあったそれに酷似していて、ゴーレム核と呼ばれる物だった。


【ゴーレム核・丙】

魔力残滓に晒された魔核が変質した物で、ゴーレムの心臓で在り、脳でも在る。

これを取り付ける事で無機物をゴーレムにする事が可能。

赤色のゴーレム核は丙型と呼ばれ純度は低い。


「だって」

「ゴーレムにする事が出来るって、それってつまりはクロエの心核みたいな物って事かな?」

「性能は段違いだろうけど、多分」


 心核は確か、魔力で形成された心を宿した物だったな。

 とすると、似たような事をゴーレム核に行えば疑似的に心核になったりとかするんかな。


 もしからしたらと、その事をクロエに聞いてみたらその答えはノーだった。


《心核は心を宿せるが故に心核と呼ばれています。只のゴーレム核にその様な事をすればたちまちに砕けて使い物にならなくなりますよ》


 当然ながら俺が創造した状態の物でもそれは不可能で、蓄えられる魔力容量が増える、消費する魔力の効率が良くなるくらいだそうだ。


《心核に比べたら性能が大きく劣るというだけで、ゴーレム核自体は優秀な素材なんですよ。こちらは丙型なので価値は高くありませんが……。そうですね、これで試しにゴーレムを創ってみるのもいいかもしれませんね》

「ふむ。これって無機物だったら生き物の形じゃなくてもいいのかね?」

《大丈夫ですよ。それが役に立つかどうかはまた別の話になりますけれど》


 まぁそうですよね。

 そこら辺の石ころに取り付けた所で石ころが連なるだけで何の役にも立たないだろうし、そんな事するつもりは最初からないんだけれども。


 とりあえず一個創造しておこう。

 クロエの言う通りじゃないけど、ゴーレムを創ってみるのも面白そうだ。

 俺はゴーレム核・丙を創造し、オリジナルをアルマの宝物の園に、創造した物を俺の宝物の園に、それぞれ収納した。


「ねぇクロエ。カナの説明だと赤色のゴーレム核は純度が低いって話だったけど、動かせる大きさの制限とかあるの?」


 そこまで大きなゴーレムを創るつもりはないんだろうけども、それでも創ってまともに動かない事を懸念したのかアルマがクロエにそう尋ねる。


《大きさに制限は在りませんが、その分消費する魔力は大きくなりますのでそこは注意が必要です。先ほどのガンロックの大きさになるとパンチ一発撃てば魔力切れという事も十分に起こり得ますが、愛玩用の小型動物程度でしたら丙型の純度でも3日間は稼働出来るとは思いますよ》


 その割にはさっきのガンロックめちゃくちゃ動いてたと思ったけど、ダンジョンのゴーレムが動力として魔力を必要としてるかどうかは疑問だな。

 それにドロップする魔物の素材が同個体の物でもないだろうし……燃え尽きたって素材落とすんだから。

 蓄えられる容量やらにバラつきだってあるだろう。


「うーん。そっか。まぁそうだよね」


 消費魔力が増大すると聞いて何だか残念そうに返事をするアルマ。


 その反応はまさか、デカいゴーレム創るつもりだったとか?

 アルマの事だから小型犬とかその辺りに落ち着くと思ってたんだけど。


「何だか残念そうだけど、そんなにデカいのが創りたかったの?」

「そういう訳じゃないけど、どうせなら良いゴーレム核で創りたいかなって」


 ガンロックのパンチ一発分がどれだけの魔力を必要とするかは定かではないけど、それでも三日間ではお気に召さなかったらしい。

 人の三倍魔力があるんだからあんまり気にしなくても良い様な気もするけど、多分そういう事じゃないのは何となく分かるし、どうせなら良い素材でというのも理解出来る。

 正しくその為にダンジョンツリーに潜ってる訳ですし。


「んー、創造した丙型のゴーレム核でどれくらい稼働するかだよな」


 ガンロック程のデカいゴーレム創るにはそれに足りるだけの手持ち素材が無いから試しようも無いけど、何回かに分けて鉄鉱石を創造して造形すればそれなりのが出来るハズ。


「ランクの壁は超えられないって分かってるし、多分アレだろ。丙って事は次は乙で、最優が甲でしょ?それで判断してみるといいよ」

「うん。そうする。ありがと、カナ」


 でも、中ランクのガンロックで丙って事は、高ランクのゴーレムで乙って事だよな多分。

 そうなると甲はボスクラスって事で……どちらにせよ今は無理だな。

 ここのダンジョンの中ランクはクロエのお墨付きがあるとは言え、流石に高ランクを相手取れる程自分の力を過信はしてない。

そもそもダンジョンツリーは高ランクの鉱物系統出てこないし、アルマの武器だってまだ無いしな。

 当分は先の話だね。


「そういえば、後のドロップ品は」


 無いモノかと目をやれば、ガンロックがドロップしたのはゴーレム核のみだった様で、他には何もドロップしていなかった。

 希少さで言えばゴーレム核のが上っぽいけど、魔核を狙ってる身としては魔核が欲かったんだけどね。

 今度は是非ともそっち方面に運が欲しいモノだわ。

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