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伽藍堂の勇者  作者: 不落八十八
二章「ティアール城奪還作戦」
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間章「狂った思念」

 私は失敗した。

 あれ程までに時間を掛けたというのに、たった一度のイレギュラーにより全てが黙阿弥となってしまった。

 貴方が初めに半身として奪った魔王の左腕を取り替えていただなんて気付きやしなかった。当たり前だ。アレは貴方の未練と意義を引き剥がした仮初めの魔王という駒でしか無い。

 アルカナという盤上で勇者となり凱旋して絶望した貴方を私が護ってあげるつもりだったのに。

 する筈の無い魔人化をしてしまった。

 憎きライバルたる戦の女神が与えた聖剣すらも汚染する禍々しい憎悪は、魔王の最期の一手により私の加護を打ち消した事実を刻み込んだ。

 まんまと私の手中で踊った三人は役立たずとして正気に戻して捨てた。精神が狂おうとも興味は無いし、二度と会えない筈だ。人間の寿命は伸びないのだから。滑稽ね。残念でしょうね。

 嗚呼、何故失敗してしまったのか。

 美しい世界は残酷な仕打ちをしてくれた。私の運命を狂わせるだなんて万死に値するが、罰するには神の意向が無ければ不可能だ。

 貴方は何故か私を呼んでいて嬉しくも内容に悲しみを覚えた。貴方の幸せのために、貴方だけの物語を作ったんだよ。何故私が恨まれる。何故私を嫌う。

 何故、何故何故何故何故何故何故、何故ーー

 


 ーー私ヲ愛シテクレナイノ?



 魔王に封じられた私が出来るのは次に備えて貴方の記憶を消すだけ。辛いけど貴方のため。貴方はきっと私を思い出してくれる筈だ。二回目の召喚は封印が解けるその時にしよう。それまで私は封印を甘んじよう。魔王もまた貴方の一部なのだから。

 嗚呼、神が与えた愛を女神が持たぬ訳が無い。

 この狂おしい気持ちは永遠に貴方だけのもの。

 私だけの勇者。貴方にだけ私の全てを捧げるわ。

 私から誰も貴方を奪えないのだから。

 

 ーー嗚呼、美しい世界に残酷よ在れ。

二章完結ッ!

三章はストックがある程度溜まったら放出します。


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