↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/7

5

俺は今分かれ道の左を進んでいる。

よく分からない文字と図形が書かれている壁を通り過ぎ、俺の食糧となった人間の死体のところまで歩いてきた。

ダンジョンとは不思議なものでここに前来てから6日も過ぎていないのに死体だけが消えていた。

剣は残っていた。剣を俺は手に取った。

いくら人間を食べるダンジョン特有の魔物がいるとはいえこんなに綺麗さっぱり死体は消せない。

少しの血の跡など何かしらの痕跡が残るはずなのだ。

そして、腐り果てた様子もない。本当にダンジョンとは不思議なものだ。

俺もダンジョンで死んだら死体も綺麗さっぱり消えるのだろうか。


数日前までは死体があったはずの場所を通り過ぎ奥につながっている道へ向かっていた。

このみちは若干坂道で分かれ道が奇妙な程に多くある。

俺はできるだけ真っ直ぐの道を進んだ。

ここまで来るのに一匹も魔物に遭遇していない。

奥に集まっているのか、あの悪魔の道の罠で死に過ぎたせいなのか。生きているものの気配が全くしない。

奥へ向かうにつれ光る植物が少なくなっている。道のその先が見渡せない。


光る植物が12メートルに一本ぐらいになると俺は足を止めあるものを設置した。

その近くにただの花と化した光る植物を目立たないように一本添えて。


流石に持っている光る植物を使わないと前が見えない暗さになったためカバンの中から光る植物、2、3本を蔦で器用にブレスレット型に編み込んだものを利き手の右手首と左足首につけた。

このブレスレットを作っているときにわかったことだが、この光る植物は引き抜いてから3、4日ほどで光が消えるようになっていた。

そして、なぜかはより分からないが仮拠点の水たまりに光らなくなった植物(もうただの花)をつけると一瞬だが強い光を出すことがわかった。日光があるダンジョンの外では少し眩しいぐらいの光だろうけれどここは洞窟だ。光なんて光る植物ぐらいしかない。薄暗いのだ。

俺は偶然光らなくなった植物を水たまりに落としてしまった時目がやられた。

あまりに突然でしばらく目を閉じてただ茫然と座っていた。

その後あの悪魔の道の罠(強化版)にかかり絶命はしていない魔物に八つ当たりをしたことは記憶から飛んだ。


ゴツっ、ピチョン。


魔物の足音だ。

ここ2、3日ぐらい準備をしていたものをカバンから出し手に持った。

そして、ゴブリンのギリ服と言える布を目に巻いた。少し見えにくいが俺はそこそこ目がいい方だから全然見える。

目の前の暗闇からヌッ、っとゴブリン二体&スライム三体が姿をあらわした。


 (ちなみに、ゴブリンとスライムは敵対はしていない。ある意味では友好関係にあると言える。そして、スライムは大体どの魔物の種族でも友好関係にあると言われている。どうしてなのかは知らない。)


俺は手に持っていた俺の手のひらより少し小さいぐらいの歪な丸いモノを手に持っていた。

それは表面は蔦で覆われており、中身はもう光らなくなった植物が入っている。

それを魔物の集団にひとつ投げ込んだ。

そして、投げた手とは反対の手でゴブリンの皮を剥がしてなんとか作ったミニ水筒(中身は仮拠点の水たまりの水)を投げ込んだ歪な丸いモノに向けてぶっかける。

俺は入念に準備をしていた時、光る植物みたいな特性がないかを他で試していた。

すると、蔦はあの水たまりの水は蔦を素通りできたのだ。蔦は水たまりの水はその体に一切含まないようだった。

原理? それは俺が聞きたい。とにかくどうしてそうなるのかが俺は分からないことだけ分かった。


そして、今水たまりの水が触れると強い光を出すもう光らなくなった植物とその水は素通りする蔦に水たまりの水をぶっかけた。

当然のごとく強い光が真っ暗だった洞窟を切り裂いた。

スライムに目(視覚)があるのかは知らないがゴブリンは狼狽えていた。ゴブリンは目がついているから視覚があるのだろう。

俺は目に布(ゴブリンのギリ服だったモノ)を巻いていたので目は潰されなかった。

ゴブリンの目が見えていないうちに始末しようと前にいたゴブリンの急所を刺し殺した。

今回は顔面を石で殴るようなことはなく一発で仕留められた。


(なんだか少しだけれど身体能力が上がっている気がする…

ちょっと怖い。まぁ、ダンジョンだから、で片付く。)


もう一匹の厄介であろうゴブリンを片付けようとそっちを見るとゴブリンは回復していた。

さすがは魔物回復が早い。

俺はコンマ1秒ほどで後ろを向き走り出した。

ゴブリン、スライムは追ってくる。俺が通ったできるだけ真っ直ぐの道を走りながらある所に着いた。

魔物らも少し遅れて俺が罠を仕掛けた道に到着した。

そして、近くにひっそり置いてあったもう光らなくなった植物に水たまりのあの水をかけた。

またあたりは強い光にあてられた。


真っ暗な道に光があたったことでゴブリン、スライムにもしっかり見えただろう。

ゴブリンには仲間の首が。 (この首はあの悪魔の道の罠に掛かった愚かなゴブリンの一体である。)

スライムにはそれを見て憤ったゴブリンが血走った目でこちら(罠たっぷりの道)に躊躇いもなく足を踏み入れた光景を。

数秒後、辺り一面はゴブリンの血で染まっていた。すごい緑だ。

ゴブリンは俺の食糧になった人間らの剣(2本)に串刺しにされていた。あっけなく罠で死んだのだ。

憤怒の顔でゴブリンは死んでいた。死ぬ自覚もなく死んだのだろうか。

少しおかしくも思える。


スライムに目を向けた。

どうやらゴブリンと協力をしていてもそこまでの情はなかったのだろう。

仲間が死んだというのにこちらに来ることをためらっている。

もしかしたら、ゴブリンよりスライムの方が頭が良いのかもしれない。

なんとなく身勝手に人形に近いゴブリンの方が頭がいいのかと思っていた。


スライムに近づく。

スライムも戦闘体制に入る。

残念ながらスライムとは準備をしていた時に材料調達で結構な数を倒している。

スライム(1〜4体程)なら対処もできるようになっていた。

やっぱり俺はダンジョンに入ってから身体の能力が少しだけれど上がっている気がする。


一斉にスライムが襲ってくる。

正面から襲ってきたスライムを短剣で切り裂いて、横から来ているスライムを短剣で突き刺した。

一番小柄なスライムが他より遅く後ろから襲う。

くるりと身をひるがして避ける。スライムがまた飛び襲ってくる。

今度は避けることなく短剣でスライムを斬った。

ボチャっ。

スライムも全滅した。


「ウッー。」

体を伸ばした。小さな声が俺の口から漏れた。

体を伸ばし終わったら魔物の死体を無視してまた暗闇の洞窟へ向かっていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。