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2

ダンジョンに飛び込んだ。

短剣と少しの水を抱えて。


我ながら、無茶なことをしたと思うけど生きるためにはこれしか方法がなかった。

街にいては野垂れ死ぬ可能性が高いからだ。


ふぅー。

息を吸う。

ここは、ダンジョンだ。いつ何が起きてもおかしくはない。

ゆっくり周りを観察する。

あたりは仄暗い洞窟だ。目の前の一本道以外、冷たい岩が自分の周りを囲んでいる。

ダンジョンのスタート地点はひらけたところだった。

ゆっくりと水筒が入ったカバンを肩にかけた。

短剣を握りしめた。


深く深呼吸をした。


一歩を踏み出した。

一本道に足を進める。いつダンジョン特有の魔物が現れてもいいように警戒をしながら。


ダンジョンの一階層の浅いところに現れるのはスライムやゴブリンの最弱の魔物だ。

最弱だけど、スライムは素早く体が溶ける毒を持っているものもいて、ゴブリンは大人の力ぐらいは余裕に持っている。

そして、どちらも群れだと俺は手こずるだろう。

慎重にならなければ。


ピチョン

音がした。何か柔らかいものが飛び跳ねた音だ。

スライムだ。

短剣をしっかり握り、待ち構えた。


ピチョン。ピチョン。

近づいてくる。

黄色い、丸いものが見えた。

あれが、スライム。


どうやら、スライムもこちらに気づいたようで勢いよく突っ込んでくる。

俺は、身を捻ってスライムの突撃を避ける。

そして、身を180度捻ってスライムを切り付ける。


ピチョン。


どうやらまだ生きているらしく、スライムは冷たい石の上に着地した。

俺は素早く着地したスライムの真上から短剣を突き立てた。


ぐちゃ。


奇妙な音が鳴った。

スライムは動かなくなった。死んだ。

確信を持って短剣を引き抜いた。


(確か、スライムの死体はスライムの毒の毒消しになるんだっけ?)


そんなことを誰かが言っていたのを思い出し、カバンの中にスライムの死体を入れた。


(もしものときはこれで解毒しとう。)


俺は足を進めた。

少し進んだら、道が二つに分かれていた。


(どちらに行こうか…)


少し悩んで直感で左の道を選んだ。

左の道を進む。


少し進んだところで、岩の壁に不思議な模様が描かれた少し広い所にでた。

古代語らしき解読不能な文字が模様の横に隙間なく書かれていた。俺には全くわからない。


(少し休憩しよう。)


ダンジョンでずっと気を張っていて少し疲れた。

壁を背もたれにして座り込む。短剣は手放さずに握ったまま。


少し目を閉じる。深く息を吸う吐くを2、3回繰り返して目を開ける。


何か嫌なにをいがした。

ゆっくりと立ち上がって目の前にある道を進んだ。


人が死んでいた。


三人。男性だ。近くに一本だけ少し剣としては短めの剣が落ちていた。

そして、全員胸の真ん中に穴が空いていた。

ゴブリンだ。ゴブリンは、人の魔力が集まる心臓を好んで食べると聞いた。

この死体はまだ腐っていない日があまり経っていないのだろう。

それならまだ、ゴブリンが近くにいる可能性がある。

俺は、近くに落ちていた短めの剣を手に持ち一番近くにいた男性の腕に剣を振った。

ぐちゃ。

一発では切れなかった。

もう一度降った。

まだ切れない。

もう一度。切れない。もう一度。切れない。もう一度……


息が上がる頃には腕が切れていた。

急いでカバンに切った腕を入れて回れ右で歩き出した。

剣は重いので置いていった。


(これで、ここ三日の食事はどうにかなりそうだ。)


普通の人が見たら異常と思える光景だろうが、ルイにとってはこれは普通でこの街では異常に見られない行動である。

そして、ルイは当たり前のようにもう何度か人を食べたことはある。

特に不味くはなくおいしくも無いそんな食べ物だ。


少し急足で歩いて二つの道が分かれたところまで戻って来た。

次は右の道に足を運んだ。


魔物の群れに会わないように願いながら。

右の道を進む。


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