傷
「………うっ」
痛みにより目を覚ます。どれくらい時間がたったのだろうか、それを調べるためにパイロットスーツに備え付けられている時計を見る。
「くそ、壊れてやがる」
ならばと無線を使おうとしたのだが、こちらも壊れていた。
「外に出るか」
コックピットのハッチは緊急に備え、手動で開くようになっている。だからそのためにベルトを外す。正面に落ちる。
「うぐっ」
忘れていた、機体が倒れていたのだ。だがハッチを開けることためらう必要はない。構わずに開ける。火薬が爆発する音がすると、また下に落ちる。
「っ」
機体はうつ伏せに倒れているようだ。ついていることに外に出るまでの空間があった。だからそこを這って進む。少し進む度にどこかが痛む、どこかに傷をおっているのだろう。だが構わずに外に出る。
「外、だ」
外はどしゃ降りで真っ暗だ。
「チバ達はどこに」
真っ暗でなにも見えないのだが、その中で僅かではあるが光が見える。誰かいるのだろう。そちらに向かって進む。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
1歩歩く度に、体全体が痛む、雨で体力が奪われる。だがそれでも、足を引きずり、暗くて何かにつまずいても、倒れても、その光を目指して歩き続ける。
「やっと、着いた」
かなりの時間を歩いた、体はボロボロだ、だがその光が壊れた輸送機から漏れていた光であった。だからそのボロボロの体に活を入れて、声を絞りだし探す。
「チバ、サトウ、いるか。ごほっごほっごほっ」
叫ぶ度に咳き込む、喉が痛い。それでも叫ぶ、何かが返ってくることを期待して。
「中に入るか」
輸送機は翼がもぎ取られて色々とボロボロだが火が出ていたりはしない。中に入っても問題ないだろう。破損した外装から中に入る。中は火花がたまには出るがそれほど問題なさそうだ。
「チバサトウどこだ」
そう声をあげる。だがなにも返っては来ない。だから自分の足で探す。
「どこ、っ」
何かにつまずく。
「何が」
よく見ると人らしき姿が。
「サトウ、チバも」
2人が壁に寄りかかっている。
「おい大丈夫かよ」
2人の体をよく見ると、サトウには包帯が巻かれていて、さらに2人とも傷だらけだ。脈の確認をとる。どちらも弱いがある。
「アドレナリン位は打っといた方が」
パイロットスーツに備え付けられている小型メディカルキットを取り出す。簡単な薬が入ってる、だが数は少ない。
「どれだ、どれ、あっ」
何かを落とす。
「どこにいった」
探そうとするのだが、何かの物音が。銃を構える。
「ナカイ、隊長」
トワが現れ、すぐに倒れる。
「おい」
銃を投げ捨て駆け寄る。
「トワ、無事か」
「ええ、ですが無理をしすぎました」
「ならやす、うわっ」
体に力が入らない、要するに自分の体を支えられない。意識が薄れていった。




