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ある兵士の戦争  作者: iLL
ある兵士の戦争
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回収

「………………………………」

 誰かの声がする。

「……………………………」

 だが何をいっているのか分からない。

「……………」

 意識を集中する。

「ナカイさ~ん、おきてくださ~い」

 目を開く。

「やっと起きてくれましたか~、久しぶり~」

「………ぃぃ、シィノダ」

 口が回らない。

「は~い、そうですよ~」

 シノダがいた。

「少佐全員の回収完了しました」

「分かりました~、発進して~」

「………少、佐」

 ここには他に誰かいるのか探そうとするのだが、からだが動かない。

「気にしなくてもいいですよ~」

「少佐ひとつ質問が」

「なに~」

「なぜ彼らを」

「ナカイさん達が1番信用できるし~」

「ですが他にも」

「他にも、ってなに~」

「い、いえなんでもございません、失礼します」

 誰かが出ていく。少し焦っているようだ。少しずつ意識などがはっきりしてくる。

「でシノダ、少佐」

「呼び捨てでいいですよ~」

「……ここは」

「ここは軍事事務所有の輸送機のなかですよ~」

 シノダは確か事務に戻ったはずなのであってはいるのだが。

「なんで事務が輸送機」

「事務だって戦闘力が必要とかで元々配備してありましたよ~」

「何のために」

「さぁ~、けど最初見たときはほこり被ってました~」

「ほこりって」

「掃除とか大変でしたよ~」

「そっか、それでチバ達は」

「全員救助してますよ~」

「怪我してたと思ったんだが」

「ええと~、トワさんが発熱で~、ソノダさんが寝てるだけ~チバさんとサトウさんが重傷です~」

「重傷って」

「助かるはずですが~少し長引くみたいですね~」

「そっか、助かるのか」

 あの戦いで全員生きては帰ってこれたらしい。

「であの戦いは」

「損耗は激しかったみたいですが~戦争派が勝ったみたいですよ~」

「そっか」

「物資請求の情報によるとですけどね~」

「直接じゃないのか」

「ええ~、戦争派じゃないので~」

「なら、いっ」

 体を動かそうとして痛む。

「平和派でもないですよ」

「なら」

「どちらにも所属してない派閥です~」

「そんなのもあったんだ」

「ええ~、数は少なくですけどね~」

「それがなんで俺らの救助に」

「ナカイさん達の力を借りたくて~」

「力って、何もないぞ」

「分かってますよ~」

「だったら」

「ナカイさん」

 急に真面目な感じになる。

「ナカイさん戦争起こす気ありませんか」

「はぁっ」

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