潜入9
剣が弾き飛ばされる、だがこんなところでは死ねない。何かないかと目を見開く。なにも見つからない、だが体制が崩れているので右足をまえに出す。すると足が王子の左に出る、そして王子は切り上げるために重心が左側だ。命の危機ではあるが逆転の手に気づく。切り上げようとする腕を右手でおさえる。
「片腕で抵抗する気か」
一瞬でも気をそらす。その隙に左手で首元をつかむ。
「なっ」
そのまま左に引っ張った。剣を振ろうとして左に重心があり左に倒れかけ、更に前に出した足に引っ掛かり倒れる。不意なことなので王子が地面に叩きつけられる。その衝撃で剣が。
「うわっ」
不安定な体制でした為か俺も王子の上に倒れ込んだ。
「ナカイ」
「大…丈夫」
王子に馬乗りになるすぐそばには王子が落とした剣が。それを拾い、王子に突きつけ。
「君の勝ちだな」
「嫌みかよ」
王子が拳銃をこちらに向けていた。さっきまで撃とうとしていたのでいつでも撃てる状態だ。こちらが剣でとどめを刺す前に撃たれるだろう。
「普通ならばな、だがこれは決闘だ。これは違反行為だ、君にそう言ったのに私がやるわけにはいかないだろう」
「なら俺の勝ちか」
「いや私にとどめを刺さないと勝ちにはならないさ」
「そうか」
「ナカイやめるのじゃ」
王女が叫ぶ。
「止めるな」
「兄上なぜなのじゃ、妾は兄上にも生きてほしいのじゃ」
「……ナカイ妹の言うことを聞かずにさっさと止めを」
「ナカイ」
「……………………ああ、くそっ」
剣を置く。
「ナカイそれでいいのじゃ」
「なら」
銃声。左肩に痛み。熱さ。衝撃。後ろへと倒れる。そのときに理解する撃たれたらしい。
「シルビアはわかるか、言葉で武力に抵抗しようとするとこうなることもあると」
「ナカイ」
「ナカイはお前が傷付けた」
「妾が」
「ああ、そうだ次は確実に殺す。止めたければお前の目の前にある剣で俺を殺せ」
「妾が、妾が殺す」
「ああ、その覚悟があるなら」
「なら妾は、妾が、兄上を、殺すのじゃ」
「ああ、そうだ、その覚悟でこの国をたの」
「いてぇよ」
右足動かし、銃を蹴り飛ばす。
「何で防弾ベスト着ている以外のところ狙うんだ、よ」
次は王子の顎を。
「ナガイぶじなのじゃ」
王女は泣いていた。
「無事なわけないだろう、いてぇよ」
「げど、いぎでおるんじゃろ」
「生きてるよ、くそっメディカルキットも置いてきちまってるよ」
「よがっだ、よがっだのじゃ」
無線機に助けを求める。
「任務完了、誰か助けてくれ」




