潜入8
「は、はっはっはっはっはっなるほど、なるほどな」
「妾と兄上、どちらも死ねばこの国は荒れるしかないのじゃ」
「そうだな、王政であった国のトップが急に何も残さず居なくなれば、これからどうするかで荒れていくな。またその隙をついて他の2ヵ国が襲ってくるだろう」
「そうなのじゃ」
「だがそれはナカイが私を撃った時の場合だ、ナカイもし君が私を撃ったならば、君は、いや君達は指名手配だ。この場から生きて出ることは不可能に近いだろう。それが嫌なら銃を下ろしたまえ」
「ナカイ兄上を狙ったままでいるのじゃ、命令なのじゃ」
正反対の命令が下る。銃口をどこに向けていいのかわからなくなる。だが。
「あ……ああ、くそっ。俺の命令は護衛のためにその場の指揮官の命令に従うことだ。んでそいつからは王女を守れって頼まれているんだよ」
「お前を見捨てた国の命令にしたがうのか」
「撤回されてないんだ」
「死んだのであれば撤回されるわけないだろ」
「なら本当に死ぬまで命令にしたがうしかないだよ」
王子に銃を向ける。
「そうかなら攻め方を変えよう、シルビア君はここまである種の忠義を示している兵士になにか思わないのか」
「思うことはあるのじゃ、じゃがこうするしかないのじゃ」
「本当だな、なら仕方ないか」
そう言うと銃をしまう。
「王族として決闘でけりを付けようではないか」
「それなら妾は」
「なにそこにいるナカイに代理してもらえばいいだろう、それに決闘による殺人なら王殺しも責められる事がないのがこの国の決まりだろう」
「それは」
「それにこのまま言葉だと平行線だ」
そう言うと王子は壁に近づく、今気づいたがそこには長剣が2本壁にかけられている。
「剣でいいかな、と言っても剣しかないが」
そう言って剣をこちらに投げる。反射的にそれを受けとる。
「ナカイ」
「決闘成立だ」
そう言うと王子が切りかかってきた。それを剣で受ける。更に追撃される。一方的な殺し合いだ。
「攻めなきゃなぶり殺されるだけだぞ、ナカイ」
「くそっなんでだよ、もう少し形式とかあってもいいんじゃねえの」
「決闘など半分形骸化してるのでね、略式でいいのだよ」
「それに剣かよ」
士官学校では剣道、柔道はやっていた。それに多少の格闘技も。だが上手いわけでも強いわけでもない、だから押される。
「防いでいるだけでは勝てるはずがないだろう」
「そんなにウマイわけじゃ」
「知っているよ報告書にあったからな」
だから、銃を抜こうとする。
「ナカイ銃を抜いてはいけないのじゃ」
「うぁ、ああ」
「そうだ、決闘中は同じ武器しか使えないことになっている」
「分かったよ」
「剣術ぐらいたしなんでいないのか」
「ただの兵士が」
「ただの兵士ならばこそ学ばないのか」
「兵士は勝てない相手には他の武器を使うからな」
「なるほど」
「そういうお前は」
「お前呼ばわりか、まあいい。そして剣術ぐらいは王族としては足しなむよ。でこれで止めだ」
その言葉と共に剣を弾き飛ばされる。




