27 見つからなったもの
久しぶりに投稿しました。完結を目指してはいます。
美羅と瑠璃が向かい合って座り、その周りに久、晶子、松田、陽子、俊治が占いを見物していた。
「それでは、始めます」
「美羅さん、よろしくお願いしますわ」
美羅は目を閉じ、透視を始めると、膨大なイメージが頭の中に入ってくる。
その中で、幼い瑠璃の記憶を探すが、現在から時間が経っているため、遡るのに時間がかかりそうだ。
だが確かにこのイメージの中に真実が眠っているはずだ。
美羅は集中し、少しずつ具体的なイメージが浮かんで来た。
「……瑠璃さん、彼と出会ったのは海の砂浜ですよね?」
「そうです! そこで出会いましたわ。彼は今、どこにいるのでしょうか……」
「そうですね……」
美羅はイメージがどんどん見えてきた。
一人で砂浜に立っている瑠璃とその背後に立つ彼。
瑠璃が後ろの気配に気づき、振り向いた。
その人は……。
「ま、まさかそんな……」
「美羅さん、もしかして、わかったのですか!?」
「お兄ちゃん……」
「え? 」
一同騒然とする。
「瑠璃さんが探している人は、私の兄です」
「お、俺!?」
***
「お兄ちゃん。覚えてる? 小さい頃、家族旅行で海に行ったよね?」
あれは小学生の頃。
海で俊治がカニを見つけたが、指を掴まれて痛がっている時だった。
ふと後ろを振り向くと、幼い頃の瑠璃がそこに立っていた。
俊治は挟まれた指を隠して瑠璃の方に体を向けた。
「……君は?」
「私は瑠璃。あなたの名前は?」
「しゅん……痛っ!」
カニが指を強めに挟む。
「どうしたの?」
「い、いや何でもない」
「そう、あなたは俊ですね!」
「俺の名前は……痛って!」
「俊! 一緒に遊びましょう!」
「だから俺の名前は……」
「私、良い場所を見つけましたの!」
「ちょ、待って……」
瑠璃に勘違いされたまま、俊治は瑠璃の後をついていく。
思ったよりも瑠璃が歩くのが早く、俊治は息が上がる。
「ここですわ!」
そこは、人がいない、青い世界が無限に広がっていた。
「綺麗だ……」
「そうでしょう?」
その場所で二人はしばらくの一に遊んだのであった。
***
「………そうだった」
俊治は思い出したようだ。
「私、美羅さんに言われて、思い出しましたわ」
そう言って、瑠璃は俊治の方を見つめた。
「最初あなたがここにいらっしゃった時に、どこかで会った事があると思っていましたが……、お久しぶりです」
「あっ!! 思い出した! あの時の瑠璃たん……瑠璃さんだ!」
俊治はあれから長い年月を経て、フィギアのキャラを呼ぶ感覚で名前を言いかけたが、瑠璃の事を思いだしたようだ。
「瑠璃でいいです、俊治さん。ですが……」
瑠璃は急に鋭い目つきになる。
「何故、あれから私に連絡してくださらなかったの!!」
「ご、ごめんなさい!!」
俊治は即座に謝るが、瑠璃の説教は続く。
「良かったね! お兄ちゃん!」
これで念願の彼女が出来たではないか、と思う美羅であった。




