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21 予想外

慌てて美羅は久と距離をとったが、手遅れだった。


瑠璃は、ピリピリした空気を放っていた。


それはそうだろう。

婚約者が他の人と仲良くしていたら、嫌な気分になるにきまっている。


(どどど、どうしよう!)


さすがにこれはまずいと思った美羅は、


「ご、ごめんなさい!!」


この場から逃亡しようとした。


しかし、案の定、久と晶子にがっちりと両腕をホールドされた。


背後から小声で、


「美羅、逃げるな、頼む。ここからが勝負なんだよ」


「そうよ、何で逃げるのよ。今、最高に面白い展開になってきたのに。逃がすわけないでしょう?」


(ううっ……。もう嫌だよ、この人達)


とても逃げられそうにない。


身動きが取れず、美羅は目をウルウルさせていた。


そんな美羅の思いとは裏腹に、話は進行する。


瑠璃はじーっと三人の様子を見ていた。


こちらの視線に気づいたのか、瑠璃はコホンと咳をして、


「久さん、説明して下さる?」


久に問いかける。


「ええと、さっきのは違うんだ……」


久は弁明をしようとするが、


「さっきのは、いいですわね!」


「え??」


予想に反して、瑠璃は機嫌が良かった。


普通はここで、激怒する場面だと思われるのだが……。


「パーフェクトだわ! とてもわたし好み! 久さん!  何故、紹介して下さらなかったの!」


「ええと……?」


今、瑠璃は何と言ったのだろうか?


「あら。以前、久さんのお友達を紹介して欲しいとお願いしたではありませんか?」


「ああ、そういえばそうでしたね」


なんだか嫌な予感が……。


「この子を私に下さるなら、婚約を破棄してあげても、

よろしいですわ!」


瑠璃はそう言って美羅を指さした。


「ええ!! る、瑠璃さん?」


話が思わぬ展開へと発展していく。


「私、久さんとの距離を薄々感じていましたの。寂しかったわ……」


瑠璃は沈んだ表情をしていた。


「ですが、最近気づきましたの。本当に私が求めているもの。それは……」


そう言って、瑠璃は憂いを帯びた目で美羅の方を見つめて来た。


「この子なら、私のこと、分かってくれる気がしたの。だから、久さん。この子を私に下さいな?」


(だから何で私なの!! あと、私はものじゃないよ!?)


と、心の中で突っ込む美羅であった。


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