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VIOLETlazward 〜辺境伯令嬢シャルロットの奮闘記〜 【第1部完】  作者: 和霞


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1-26.蒼空



「本日は、辺境会議だな。あちらは、上手く進んでいるのだろうか。」


 どうしても気になってしまい、度々、執務を行なっている手が止まってしまう。


「無事に終わる事を祈りましょう。」


 肝心な時に、肝の座った発言をしてくれる"姉さんメイテア"が顔を出し、軽やかな声で答えてくれる。

 

 何かあったとしても、あの面子ならばなんとかする筈だと信用してしているんだろうな。


 そうだな。言葉を吐き出して、その分だけ心が軽くなった気がする。


 みんなが私のために、やらなくて良い賭けにでてくれているんだ。

 私もやれる限り、こちらで頑張らねばと、アルフレッドは奮闘する。


 集中して執務を行い、本日のある程度の仕事が終わってしまった。

 用意してもらった昼食を、ゆっくりいただき、いつものように肩回しの運動を一通り終える。

 

 うっとりと見ていたメイテアから、お昼寝を取り入れてみたらどうかと勧められた。


 シャルロットも午前中に集中して調べ物をしている時など、疲れを取るために昼寝をしているらしい。


 20分くらいがお勧めだそうだ。


 昼間から眠るなどとは思ったが、本日の目処が立っていたし、そのくらいの時間ならばとメイテアの案に従ってみる。


 隣室のベッドに入ると、存外すぐに眠りにつく事ができた。


 眠りについて、きっかり20分後。柔らかな声と共にとんとんと肩を優しく叩かれた。


 浮上する意識。びっくりするほど脳がスッキリする感覚だった。


 睡眠と栄養を取り、改めて落ち着くと周りの事がしっかりと見えてきた。


 考えた事を忘れないようメモをとり、まずは目の前の本日の仕事を片付ける。

 数刻経ったあたりで、最後の一枚に承認のサインをした。


 執務については大幅な改革を行なったが功をなし、目に見えて私に回ってくる書類が減っている。

 慌てて別館まで相談にくる文官も、ここのところ少くなった。

 今日に限っては皆無だ。


 シャルロットに相談するのは、最終手段だと各部署、気合いを入れてくれているのも確かであるが、これはすごい成果である。

 自分達でできるという、実績を積み重ねる良い機会にもなったな。

 

 とはいえ、あの時は気づかなかったが実際運用してみて、まだ変革の余地はありそうだ。

 先日、ざっと整え配置した組織図を広げてみる。

 久しぶりに頭が動いている感覚がする。

 

 とりあえず、まずは監査部を創設して、もう少し専門的に書類を精査する部署を創設しよう。

 そうすれば、もっと書類の精密さが増し上手く業務が回るはずだ。


 元々観察が得意であり小さい時からお父様や文官の動きは見てきた。

 お父様のようにいかないならば、役割毎に専門的部署をつくり分担させてしまえ。

 思いつく限りの改善案を書き出した。


 あとは、制度面だな。先日は、だいぶそこの見通しが甘かったようだ。


 身分が下の者や平民は、長時間でも終わるまで働けばいいと時間がかかる作業を押し付けられていた。

 一般的な貴族の考えではあるが、我が領地では、もう一歩進みたい


 身分の高い文官達だけではなく、館で働いてくれている皆の勤務体制も整えていきたい。


 まず、休養も仕事のうちだと周知させよう。

 長時間労働はミスも多くなるし、体調を崩す者も多い。

 完全シフト制に切り替える仕様書を作る。


 能力がある者には、能力手当や技能手当を上乗せる制度を導入しよう。

 向上心や、その分野を深く勉強したい者には、その機会を。

 資格を取得した者には資格手当を。


 領地の皆が学び、より良くなるように、生きやすくなるようにとの考えが留まらない。


 できれば子供の頃から、識字率を上げていきたい。

 そして、自分の生きる道を自分で決められる未来にしたい。


 アルフレッドは、自分ができる事が何かあるのではと心境の変化を感じた。


 手を止め久しぶりに窓を開けて空気を胸いっぱいに入れる。

 目に広がるは蒼空だった。

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