episode14 『黒歴史ノートと疲労困憊での朝活』
episode14
『黒歴史ノートと疲労困憊での朝活』
[part1]
生温かい液体の海に沈みながら夢の世界へ。
血のように赤い夕焼けと平原。
平原にはおびただしい量の赤く染まった物体達。
その中心に白い三角帽子と白いゆったりとしたローブの少女が刀と銃を手にしてポツンと立ち尽くしている。
少女……ミゾレは無表情。しかし、全身は真っ赤な色に染まってる。この血は……ミゾレではない。
目の前に物体が蠢いている。和服を着込んだ少女。
「タス……ケ……ケケケ……!」
その少女は全身から血が溢れている。それでもミゾレに涙を流しながら懇願する。
パァン。
無慈悲な発砲音。
和服の少女は動かなくなった。
パァン……。
パァン……。
パァン……。
パァン……。
パァン……。
パァン……。
次々とミゾレは地に伏している物体……否、神様を極楽へと導いた。
「『神殺し』がッッッッ!!」
突如、ミゾレの背後に襲いかかる。正体は血塗れの神様。
ミゾレは表情1つも変えずに刀で神を貫いた。神様は崩れ落ちた。
ミゾレのスマホから電話。
オオカミサマ『終わったか?』
ミゾレ『……多分』
オオカミサマ『……ご苦労だった』
ミゾレ『…………』
オオカミサマは続ける。
オオカミサマ『『不死殺し』が行えるのは私と、君だけ……』
ミゾレは黙っている。
オオカミサマ『『汚染者』は……生き続けるほうが地獄だろう……』
オオカミサマ『……『奴らの侵略』による弊害はこれで終わればいいが……』
ミゾレ『別に』
オオカミサマ『?』
ミゾレ『ずっと『世界が赤くても』いいけど』
オオカミサマは言葉を失う。
ミゾレ『これぐらいしか……取り柄ないし』
オオカミサマはミゾレの声からどこか純粋を感じた。無垢に近い感情……。
オオカミサマ『ミゾレ』
ミゾレ『なに?』
オオカミサマ『……『本業』を忘れるな』
ミゾレ『…………』
ミゾレ『文字通り汚れ仕事させて……それでも倫理を求めてくるとか』
ミゾレ『神様って……汚い……ね』
オオカミサマ『…………』
ミゾレ『まーこっちのほうが天しょ……』
オオカミサマ『役目を忘れるな。また連絡する』
朝チュンチュン、お日さまピカピカ。
8:00。
屋上庭園で爆睡していたミゾレが日光が差し込むことで目を覚ました。
ミゾレ「…………うわー」
夢の出来事に激しい嫌悪感を抱くミゾレ。
ミゾレ「めっちゃ……イキってて草……」
ミゾレ「……自分」
[part2]
『配信前待機画面』
『タイトル、2日目朝活やるよー』
<お>
<きちゃ>
<ねむー>
<結局寝たのか?>
<ミゾレちゃんおはよー>
ブチ
ミゾレ「『雨か? 雪か? 神か? クソか? 全部ハズレ。天候系配信者の日蝕ミゾレです』」
朝日を撮影。
ミゾレ「はい朝日ー」
<わー>
<お日さま綺麗>
<夜型には敵だぜ……>
<仕事ヤダ>
<もうミゾレも立派な生徒だナー>
ミゾレ「はぁー?撮れ高終わったら帰るし」
彼女はあくびをしながらトボトボと校内に戻る。
ミゾレ「あそうだ。今日魔力あんまないからー、無理な要求やめてね」
<えー>
<え?なんで?>
<ちゃんと寝た?>
<大丈夫?無理しないで>
<リスナーさんー!ミゾレちゃん今日疲れてるからあまりイジメないで!>
<お>
<お?>
<なんだぁ?>
<自治厨かぁ?>
ミゾレ「自治厨ー、ちゃんと概要欄にルール載せてるからみてねー」
8:30。
学園内に人が溢れる溢れる。どこかにアヤとリスズもいるだろう。ミゾレは現在、食堂を撮影中。
ミゾレ「唐揚げ定食うまそー」
<ちょ!?>
<朝から飯テロ(笑)>
<俺ン所、豆腐しかねーんだわ>
<唐揚げたべたい>
そんなコメント欄を見ながら1人孤独に考えるミゾレ。
ミゾレ「ドラゴンバレかー」
中々ビジョンが思いつかず、苦戦する。
<ドラゴンマスターって用は主に従順だろ?じゃあソウルジャックしてアヤちゃんの能力引き出せば?>
ミゾレ「あー」
ミゾレは目が泳いでいる。
<?>
<ミゾレ……?>
<怪しい>
ミゾレ「ネタバレすると夜中に『来訪者』とガチって今、魔力無いんだよねー」
<は>
<え?>
<来訪者と?>
<あの、温存は……?>
ミゾレ「しばらく配信だけ。夕方には回復するから」
<来訪者はまずい>
<ホントかよ?ショーコねーじゃん>
<んじゃ寝るわー夕方になったら起こして>
<◯◯さん(名指し)!ミゾレちゃんが困ってますよー!>
<そーいえば△△ってやつ仕事サボってるのバレたらしいな>
ミゾレ「こら自治厨ー!あと鳩もやめてねー」
ミゾレはドカッと朝日が照らされるテーブル席に座り、ダルそうに定食を食べる生徒達を見つめる。生徒達は龍トークで盛り上がっていた。
ミゾレ「どんなに勉強、昇進しても……龍に会えないのにね」
<うぅ……>
<切ねぇ>
<てかなんで歴史的に龍の目撃例がないの?悪役令嬢も言ってたけどよ>
ミゾレ「簡単。魔法で姿を隠してるから。それと龍の住処自体が人間には到達できない。瘴気?邪気が酷いからね」
<?>
<ソースは?>
ミゾレはスマホを操り、生徒のテーブルに置かれてるカレーライスをズーム。
ミゾレ「コンプライアンスに引っかかるから言わない。はい、カレー」
<カレーうまそ>
<カレーきちゃ>
<(カレーアイコン)>
<みんなはカレーにソース入れる?俺は入れる派>
<入れない>
<入れない>
<ソースだけにってか(笑)>
ミゾレ「てかマジでねむい」
ウトウトしながら朝日を浴びてセロトニンを活性化させる。今日はぐっすり寝れそうだ。
授業開始の時間。今回はアヤとリズズは同じ教室。そしていつもよりお互いを見つめている気が。
<おー>
<フラグ>
<フラグ立ってんじゃね?>
リズズは無愛想な表情。アヤはニコニコしている。
流石にベラベラ喋れないので勉学に集中している2人。
特に授業は普段通り進み、昼休みに。
リズズは外出。ミゾレは彼女を追うとアヤがダッシュでリズズに接近!
アヤ「食べよ!どっか外でさ!」
リズズ「……」
アヤ「混んじゃうから早く!」
リズズ「……わかった」
その光景をスマホで撮影。
ミゾレ「撮れ高は?」
<うんうん>
<エ〜ナ〜>
<そろそろカミングアウトか?>
<はえーよw>
<イチャイチャしてくれー>
<オオカミサマ見てるの?>
ミゾレ「さあ?見てないかも」
<え?>
<んじゃ?この光景は?>
ミゾレ「だって、神様は気まぐれだから」
ミゾレは淡々と2人の行方を追う。
アヤ「カレー屋あるよー!」
リズズ「…………?」
リズズが周りをキョロキョロしている。様子がおかしい。ミゾレはリズズの表情をスマホで収める。
ミゾレ「……焦ってる?」
<リズズちゃん?どした?>
<なんか変?>
ミゾレ「《龍の眼》」
デシュウ!
スマホによる魔力探知。
するとミゾレは予想外の光景が。
明らかに今、この瞬間に『複数の存在が《龍の眼》を使用した』のだ。
ミゾレ「ん?」
リズズ「アヤ!こっち!」
リズズはアヤを連れて袋小路へ入る。アヤは状況が読めてない。
ミゾレは街中、周囲を探知。リズズ以外に『高魔力の存在が3体、空にいる』
ミゾレ「あー」
ミゾレ「いるわー。姿隠してる……隠してるつもりだけど……」
ミゾレ「青龍、赤龍、黄龍……3体」
episode14
END
ミゾレオリジナルソング
『因果のマグネット』
AはB BはC CはD DはA
AはB BはC CはD DはA
AはB BはC CはD DはA
AはB BはC CはD DはA
(イントロ)
(Aメロ)
ちょっと来て 早く来て すぐに来て とにかく来て
来て 来て 来て これで四回目!
お願い!来て! (低い声で)運命的に来い
(Bメロ)
引き寄せの法則 そんなの知らんし
神様はサイコロを振らない 誰かが言ってたし
偶然?運命?奇跡?ないないない
全部 見てるよ?
残念……運が悪かったね you!
(サビ)
操り人形 マリオネット 所詮はおままごと
そうここでは君達はただのキャラクター!
Heads or tails? 運命のコイン インチキのコイン
裏!裏!裏!裏!裏!
残念……運が悪かったね you!
(ラスサビ)
あーあー! 嫌われるぅ!
でも君達も 私達も 所詮は操り人形
消費して消費されて消費して消費されて
飽きたらポイ!
結局みんな 誰か達の戯れ
……因果のマグネット




