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対ヤバい奴ら編④『予感』

4人で三連休を満喫している最中、突如消えたヨウ。

嫌な予感を感じ、陽の家に急行する連夜達。

すると、例の謎の襲撃者達に出くわす。


対ヤバい奴ら編④『予感』

 よーちゃんが消失した直後、俺達は何が起きたのか理解できず呆然としていたのであるが……。

「ミドリ君! 陽さんは!?」

 キララさんの声で、我に返る。 

「……」

 将軍は、棒立ちしている。

「っ……」

 電話を掛けるも……出ない。

 ……嫌な予感がする。

「電話に出ない! 今から陽さんの家に行く! 一緒に来てくれ!」

「りょーかい!」

「あ……?」

 将軍は、まだ事の次第を飲み込めていないようだ。

「ミドリ君に従って! 急いで片付けて、次の御殿場線の電車に乗り込むよ!」

「後で説明する! 手伝ってくれ!」

「わ、分かった……」

 俺達は辺りに散らばったよーちゃんの衣服や荷物を急いで彼女が持っていたバッグにしまい込むと、そのまま沼津駅の南口に駆け込んだ。


 ホームに停車していた御殿場線の上り電車に駆け込むと、すぐに扉が閉まり発車する。

 ……この電車に乗れていなかったら次はおよそ30分後なので、ギリギリだった。


「すまねえ碧……事態が飲み込めねえ。ヨウさんに、何があったんだ?」

 電車が裾野駅に着くまでの間、将軍が質問してきた。

「陽さんがこんな、急に分身体を消すなんてありえねえ。今日は俺達にゆっくりして欲しいって言ってたんだ。嫌な予感しかしねえ……」

「嫌な予感? そりゃ一体」

「分かんねえ。でも、明らかにこれはヤバいよ……」

「……そうか。……」

 将軍は右手で顔を覆うと、そのまま考え込むような吐息と共に沈黙してしまった。

「その、キララさん、ありがとう」

 キララさんの呼びかけが無ければ、行動が遅れていたはずだ。

 彼女にそっと一礼した。

「気にしないで! アタシも2人が心配だから……」

「キララさん……」

 ……早く、早く着いてくれ。

 ガタンゴトンと、東から北へ進路を変える電車の中、俺はひたすらそう思ったのだった。


 それからおよそ20分後、電車は裾野駅に到着。

 俺達は急いで駅の外に出て、陽さんの家へと駆ける。


「こっちだ! 2人とも!」

 陽さんの家の場所を知るのは俺だけなので、俺が先導する形で走る。

 すると……。

「なっ! お前は……碧、連夜!?」

「何でバレたんだ!?」

「畜生! こんなところで出くわすとは!」

「何としてでも通すな!」

 そこには例の黒い目出し帽の集団が、家への道を塞ぐように数人現れた。

「なっ……」

 こいつら、裾野市まで……。

 というかやはり……。

「なんでこいつらがこんな場所に!?」

「……陽さん目当てだ。多分」

 嫌な予感が、当たった。

 陽さんの身に、何かあったのではと思った。

 あってほしくないとは思ったが……。

「何!? どういうことだ!? 襲うメリットは無かったんじゃねえのか!?」

「俺にも分かんねえ!」

 何で、こうなった?

 何で、彼女が……。


 男達は俺達の姿を見て困惑の声を上げつつも、先に通すまいと立ちはだかる。

 だが魔術が使える俺と将軍を警戒してか、進んで攻撃に打って出ようとする者はいない。


「なるほど、コイツらがね……。ここはアタシに任せて!」

 俺と将軍が動揺する中、キララさんはというと、冷静沈着な声色で男達の前に出る。

「えっ! ちょっ! キララ!?」

 単身前に出たキララさんを、将軍は制止しようとするも――。

「任せてよ、晴斗」

「わ、分かった……」

 キララさんの言葉を受け、不満げな様子で引き下がる。

 その様子を見たキララさんは、男達の方へとすたすたと歩き始めた。

「あん? 何だお前?」

「こんのーっ!」

「ザッケンナコラーッ!」

 当然、男達は、近寄ってきたキララさん目がけて向かっていく。

 おそらく、キララさん相手なら何とかなると踏んでのことだろう。

 だが……。

「はあーっ!」

 キララさんは男達の方に両手を向けると、そのままシャウト!

 すると、彼女の両手から突風が発生し……。

「な、風……っ!? うわーっ!?」

「ぐああーっ!」

「ぬおぁーっ!」

 発生した突風は小さな竜巻となり、それは男達を巻き込む!

 巻き込まれた男達は、およそ1メートルほど身体が宙に浮くと、そのまま渦の流れに巻き込まれ、洗濯機で洗われている洗濯物のようにグルグルと遠心力で回されていく。

 そしてしばらくしたのち、竜巻の回転が次第に弱まり……。

「ぐぉぉぉ……」

「がぁっ!」

「うぐっ!」

 回転しながらゆっくりと接地した男達は、身体をグルグルとアスファルトに擦りつけられる。

 そして洗濯機は動きを止め……後には気絶している男達が残った。

(これは……風の魔術)

 瞬時に男達を無力化したキララさんは、俺達の方に身体を向ける。

 そして片付けが終わったときによくやる、両手をパシパシと交差するように叩く仕草をした。

「おお……」

 その瀟洒しょうしゃな振る舞いを見て、思わず拍手してしまった。

「キララ……すげえな」

 将軍の口から、感嘆の声が漏れる。

「これでも前ほどは力出せてないんだけどね。あの腕輪ももう無いし。でも、このくらいはできるよ……っと! 立ち話してる場合じゃないんじゃない!? ミドリ君! 早く陽ちゃんの家に行った方が!」

「あ、ああ! 分かった!」

 俺達は倒れている男達を横目に、陽さんの家へ走った。



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