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 ただマジでその作業は辛い。その辛いの内訳の主たるは日当、要はお給金が少ない。あの日からずっとだよ……。ただ正直異世界さんも本気だったんだわ。異世界から勇者を探し出したいなんて、もうそれ、もうすぐ死ぬよって所まで来てるんだから。



「それでです……、今から異世界から呼ばれた者達へと、その顛末を告げようと思います」繊細なる白色が揺れる。静かなる召喚の儀式であり、それは神話「いずれアナタ達は使命に燃えて、この世界を光で満たす。旅へと出るのですよ。だが我らの敵は強大なのだ、800年前より戦い、それは魔物と呼ばれているが」

 始まる物語。ペストマスクだけどまぁ良い、ただ問題はだ。

 頭をかくんだ俺は、まさか勇者があんな――。


「そうしてカブレーナにて和解です! 11年、いや……12年だっけ。我らは柄の間の平和を手にしていました。しかしなんと奴らは恐ろしい事に、それで次は2章となる、恐怖! 怪人戦士登場ッ! の巻きへと至るのですが……」

 ペストマスクは大いに語る、大いに「それでそれでぇ、次の3章の始まりは確か……117年、あれ……?118? 私が習ったのでは全員入れてイイナ、イイナだったよね? そうして……ぇ?」


 なんか通販みたいなことを言いながら、あ、長くなってきて巻物出してきたねー。分かるよー、分かるぅ? すると今度は読みながら……ムズムズしてて、あぁこれ無駄にじゃらじゃらしてんのよね、あぁもう鬱陶しい、かゆいわよ……。

 ちょっともう。あ、ペストマスクで腕かいたな。結構良いのか気に入ったか。

 ガリガリがりがり、おっほぉ……、良いわ、尖った感じが丁度良い、いや、マジでこれ別にも使えるかも。はぁ……はぁ……、奥まで行けそう。


 オッパイ大きいなぁ……、っていう事だけで救われているが。ヨダレまで垂れてますよ。鳥みたいな顔で白髪激しく揺れて、でもまぁなんかそういうお店かなって思えばいけるかもしれない。最初のお辞儀でのおっぱい揉みしだきが功を奏したか、90越えのペストマスクに物語をひたすら読ませるお店。

 全体がひそひそしてたけども男はその内に、揺れる肉、あらわな太もも、ココロの声をもって静かになるんだ。呼んだ奴が奇人だった場合はこうなるのか――。



「あー、そうそう。それで391年よ、サクイは無いけど戦争だ! ふぅ……。そういう訳で、今世界はピンチなのです。アナタ達を用いて光を作り上げようかと、ここに引き寄せられて引かれたのは全て、栄えある勇者の候補だ、さぁ……、アナタの神話を紡いで欲しいの――」

 少し掻きすぎでズレてます、横向いてます、ペストマスク殿。結構ゼッタイ可愛い顔が、ざわざわとなる中、一人が意を決して「こ、困るんですけど……、あのぉ、こんなんされても」

「ですが使命があります。これ以上に意義のある事は他にないわ」

「それってでもアナタの都合ですよね。僕ら関係ないですよねぇ?」

「はい、しかし契約です、それはもう完了しておりますので」


 ハキッと言う、真横のペストマスクのその言葉に、え、っと、俺達は手を見やるが恐らくはコレか……。なんか強い力ありそうな紋様の、「で、でもでも、免責事項があるんだ、大体本人たちに契約した記憶がないっておかしいだろ!」


「免責とは?」「そうだよ……だってそれって詐欺だよねぇ? 大体そんなの自分の国で用意して下さいよォ」

「そうね、ただそれほどの大事という事なの、分かって……。まぁとりあえずアナタ達はもうこの国にひかれました、あぁえぇ、異世界から引き寄せられたのよ。それにこれは出資者たる国の貴族たちが見ていますよ、ここでの態度は後々に問題がぁ」「はぁ!? だからなんなのよ! その前の話をしてんのッ!」

 それにイラっとしたのが分かるペストマスクさんが。


「そんな引き寄せられるとかって私達は商品じゃない、ユーフォ―キャッチャーじゃないもん! ネェ自由意志もないんじゃねぇ、神様だとしても人身売買じゃないのよ、おかしいでしょう!?」

「でも勇者なら良いでしょうがヨォ!?」「なんで開き直ってんだァ!?」

「い、良いかしらね……? コレは良いとお導きになった、この世にないものがあると、そう確かにおっしゃっていてよ……。ねぇ神よ、神なのよ――引いてみないと分からないって、引いてみる分には問題ないって言ったァ!」

 迫真の神様マウント! 兵士たちも動くが、しかぁし「問題ない? 引いてみる? それってまさか……、ランダムか? なんかこれ、ガチャなのか、オマエさっきから引くって、それミスってたらどうすんだよ」


「が、ガチャじゃ……ないわ」

 ないわよ……。

 え、すごい嫌な感じなに。まじで全部ダボあり? 全部ダボ? 全部ダボは――。


 帰らなきゃ……。


 焦る、焦る、ペストマスクが「ら、ランダムとかは、へ、へへへ――え……、えぇいっ、そもそも私は特別だからァ、絶対アタリ引いてるっばぁ!? しっかり勝負下着も穿いて来たし、ほら、色んな縁起物買って来たからァ!」

 あ、あ、神聖のやつが別の方向へ行き出したぞ、勝負は緑ッ――いや、しかし全然引き留める要素ないじゃん、フラグだわ、「やっべぇやべぇ、逃げ道探せ」

 ヤダそっちだめーー!?


 慌てて走り始める女子達。ペストマスクがしゅたっと必死になって扉の前へと、ソッチなんだな?「え、えぇーーい!? もう大枚はたいてんだよ、こっから上げてくところだったもん、戻ろうよ。はぁ……はぁ……、今から開封するんだ……ごちゃごちゃ言うな、なんも言うな! いま結構な人が見てるんだよ、結構ヤバい人数だからお前たち黙って戻れェ!」


 あ――こんにゃろ。しかもこれライブ放送かよ。ただのガチャだと認めてんな?これ心はもう演出待ちだな!? 


 でもそんなの関係ネェ!


 逃げますが、だがしかし、余裕余裕と笑う腕組の兵たちが出現。イカツイ筋肉、しかもここは魔法でも厳重に封じてあるわ、無駄無駄ぁあ! しかし脱出ゲームにはまってるとかいう鬼畜たちが走り。あ、でもこの暗号はきっとぉ、風を当てろって事だね。コッチは座標だわ、すぐ解くからー!

 女子が渾身のどや顔でダイヤル回してるのを指を噛みながら戸惑う兵士たちだ。でも所詮一般人さ、向こうでぴぽーんって光っただけで分かるわけないだろ、同時にしないとぉ。いや、分かるんですけどね? クッソーー!? これ3年も考えたんだぞーー!?


 第一関門を突破、兵たちが焦るよ大慌てだ、だって誰も彼もが神に祈ってるんだよ、ククク、しかし次の部屋は少し卑怯だがな、所詮第一関門は最弱ッ、物理で固めてしまえば――。

 あ、ここ突くと音が違うねー? 爆弾はないから――フゥ―――そいつ、登坂野とさかの 蘭蘭らんらんっていうんですけどね、もちろんあだ名は蘭ねぇちゃ。

「こ、この音は!? 隠し扉開かれましたーー!?」っていうか脱出する訓練受けてるとかどんなスペシャリストだーー!?


「はぁ……はぁ……!? 行かせるな、行かせないで。なんで拘束してないの、ナンデ、実際は演出とかァ……どうでも良いんだからァ、能力読み上げが本編だってのにここの運営が理解してないからァ――ッ!」

 血走ったペストマスク氏はもう居ても立っても居られない。久々に謎を解かれて悔しくて泣いてる騎士を置いて、クラスで一致団結のオレらを、並走して来るペストマスク(バスト90センチ)が。

 バードフェイスで必死に諭して。「良いかぁ? 引きたいんだよ、もう引いたんだよ、女神さまのお告げで今なんだよ、今しかないのッ! この1ヵ月とか1年とか3年とかに引くのが良いって、そう言ってるんだから。しかも夢でずっっとメッチャ強そうなの流れてくるんだよ、どのタイミングかで最高の引きが来るようにしてるって言ってんだぁア!」


 広いよ広い……そのピックアップ期間が広すぎ問題。その勇者、大丈夫か――?

 まさかサ終とか……してないよね?


 長いお胸が揺れる、鳥さん、諦めない。あ、転んだ。とりあえず新パック開封の儀を、そのスキル鑑定者達が迫っているから。追って来る奴らはすっごい楽し気にワクワクとしてて、確定演出待ちか、虹こい虹こい。分かるぜ、分かる。

 でも力弱い、こっちも陰キャは陰キャか。戦力は拮抗してしまった。


 ラーーンが空けた穴が突破口となりダバダバと漏れ出す俺達は、廊下を走っているが。

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