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 袖を上げて髪の毛もきちんとポニテへと移行し「よっしぃ、今日のお礼もあるからねー? じゃあじゃあ私頑張る、ご飯は超ーー得意なんよ、まっかせてよぉー……」ねーっ!て俺に言いそうなのを我慢する様子が。


 やって来たそのギャルはエプロンまでして、しかしてクラスの女達は威嚇だよ。


 そうしてお肉を下ごしらえして適度に火を入れ、うちのクラスのは丸ごと焼くと言って入れているな。合間に手際よくお野菜を処理していくが先生がお局みたいに肉を指ですくい頭を振るな、そうしてパラっと塩を入れるんだ、勝手に。生徒相手にあまりにもなムーブ。さすが29だぜ。

 しかしてリカバリーにリカバリーを重ねて、リカバリー! そうして出て来たのは、いや、ホントやばいな。涙出そうだ。



「ふふん――、どうよぉ? どうですー?」

 美味しい……れす。俺への圧が――女子共を見ないで俺は堅い意思で。

 今の王宮では日本の味を求める為に努力してくれてるらしいんだわ、それはこんな下町までは響いてこないがよぉ。その分だけ彼女はありがたがられたようで、なんと学生時代からお弁当まで自炊するプロ仕様であって。

 美味かったもんな、あの弁当。

 ただでもだ、そこはこの世界の料理基礎みたいなのとかち合ったりして、そこでもドラマがあったと。



「やっぱねぇ……時間を惜しまないんよぉ、ここの人たちぃ。朝から晩まで下処理してんのよねー? あとルールがよく分かんない事があってさー、特に赤ちゃんに蜂蜜とかあげんの、もぉねぇー」

 うなずく、うなずいている。汁をすすり温かいご飯をんで、夢中な俺達はギャル神さまを。でもでもー、その分だけ私もランクアップぅ☆ どうよぉ~。ありがたや、ありがたや。お優しい味だ……、女ども、泣くな。男が炊事しないのが悪いとか現実逃避すな。


 ちなみに素のツラで食ってる先生は初日で出禁を喰らったらしいぞ。

 大人なのに立つ瀬が全くなく。あまりにも可愛そうなので生徒たちがもやしのヒゲ取りを任せてあげてたらしいが。勝率は7割。



「あぁー……、ありがとう。生き返ったーー」

 そうだ……そうだよな、ここまで来れたなら異世界の旅はな……、この長き旅は終わったわ。じゃあな、お先――「コラ! 死ぬのはまだ早いから、この後もしっかりお皿洗うのォ!」

 ギャルは厳しい。でもやっぱりその美少女ギャルが話題にあがるわ。


「でもでも、屋舎陣さん良いのですか? コッチは下町ですけど」

「いやー、んー、でも私はお城に戻りたいんよねー、悪いけれどー」

「まぁ、そりゃそうだわなー?」「うんうん、どうしてもついて行きたいの、彼と私……、あとその勇者たちとゼッタイに……っ」

 かぬやはそうしてそのまま会話で盛り上がり、楽し気な姿を見せて……。それでこちらへ笑いかけるから、その真っ只中において、汗を流し。星々の光の下。


「そのお優しい王様の眼差しには私、全ての魔法を見せてもらったわ。伝わるものね……愛って」

 まだ続いてるまだ続いている、

 勘弁してくれぇェーーーーーーーエェ!?



「魔法ってやっぱり心なのよ、心の成分は宇宙と繋がっている、つまり魔法は宇宙? うん、なっと」「いや、もう僕はギルドとかで、独立しても……っ」

 笑ってるよ、でもすごく笑ってるんだよね、僕は。なんせ怖ーいお姉さんたちにちょっと来いされちゃうから。でも魔法は宇宙って単語の瞬間に白目むいたけど、何人か同じだったし魔法のババ様は一瞬血管キレた。


 でも正直言おう、もう限界だ。


 考えた事がある。僕は逃げれるんだ、王族が独占したいらしい優秀な僕達でも規約を守れば見逃してもらえる事があるんだよ。

 今は、そう、とりあえずだ。

 あんな美少女をアイツの横に一分でも置いておきたくない――。


 僕は常々思う、貴族という発想は非常に合理的だとね。アレこそ僕らが教えるべき弱男への姿だろうよ。どけよ……そうだ、ゲームよう世界ですら凡百のゴミが。

 今はこの僕が少し心の均衡を保たねばならない状態。実際もう既に2か月近くも阿佐ヶ谷だ、森三中だ。いやがんばれるーやか、声もアイツら芸人なんだよ―――――。



 かぬやでも良い、えとなでも良いさ、どけよ……、もうチー牛風情が消えろ。そろそろ何かが壊れつつある、時折ボクの夢に出てくるようになってて。

 良いか……男子校じゃないんだぞ? 選択肢がこれだけなんだよ、周りは四六時中キャッキャウフフだが。


 ぱちぱちぱち「いやーー、素晴らしかったですな、勇者サマは」やっと終わった阿佐ヶ谷フェスの次は、黒沢のフリータイムが始まり。無限の引き出しを見せつけられるし一緒に踊ろうとボクの周りを回るんだ、肉の恒星がかなりシツコイし。

 男女が三角座りで仲良く僕を鑑賞なされる中、逃げる場所もないよ。でもなんでもありな真田の時はハメを外すな、ただ清楚?な阿佐ヶ谷は僕を引き留めるな。進むも退くも地獄。


 そうして力無く静かに寝静まったあと。進む闇夜を、素早く隠れて僕は、すると光が見えてだ――必勝の。

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