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「いや、まだだよ、私少しでも急がなきゃなの、はぁ……はぁ……だってもうすぐきっと離される――」
その必死の言葉に……。
「かぬや! でも普通に行ったら勝てない、だったら無駄打ちする方法はもう一つある、いけ――、コイツで大地をうがてぇ!」
その言葉で、パイプを思わせる棒を投げてやるんだ。
俺が差す方向へ、カノジョは眉根を上げながら水のファーストを打ち込んだ。真下へと、三角ジャンプし真下。
「え、これで良いのぉ!?」「おっけぇだ、姑息な擦り方なら任せろよ! 行け!」
追いかけた瞬間に狼がしまったと目を4つ瞬かせ。
一閃! すると思った以上に入ったんだ、顎から切り上げが入って血が飛ぶ。
そうしてでも相手も結構な根性だ、何せ命懸け。2頭のうち一方が傷を恐れず体当たりし噛みつきをして時間稼ぎすればもう一頭が足へと噛みついて引き裂こうと。
だからジャンプ飛翔、もう一度水で激突!
このクソ、卑怯な擦りはヤメロや、って見えたし聞こえたぜ。ゲーセンでやると台パンしてる奴よなぁ。しかしヤメる訳なし、しかも直下へ落ちるって結構どうしようもないんよ。
「あはぁ、まじで効いてる効いてる、ともっちすごぉ!?」
褒めるなよ、上と横もが駄目なら真下を撃てば良いじゃな~い。
圧倒的な調整ミスをついての糞プを見せつけてやるよ、残念だったな。かぬやは使ってて楽しい奴だわ、これなら2体いても相当いけるが、それでもやはり。
「奥の手か――」
炎を吐いた、前面へと激しい乱流が。
空気の方が先、出るものより歪む、結構ヤバい放射で逃げ回るかぬやが可哀そうだわ、俺も柱から出れないし。必死にこう……突進連打して逃げて逃げてジャンプしてローリングして、ゲーム初見でボスの隠し技見た時みたいながむしゃら逃げしてて。
今、カスっただけであの強烈な風のフォースが剥げたのが見えた、多分生身で受ければ黒焦げだろう。
広がる犬のアギト、憤怒の形相。
バランス崩して墜落しそうで、続く炎から、続き続ける炎から。ダッシュするがでも捉えられてしまい。
「くぁあああ!?」
俺は異世界を、ヤバい、と思ったらもう一瞬で――。止まった、あれ?
もしかして……、コイツ、いやまさかゲロみたいな感じか。吐いたら吐き切るだけ?
首が上がって来る、ヤツはすぐにその、足を焦がされて痛む少女を追うから。かぬやが上手く動けないのを良い事に。じわりと油汗が、だって長かった――。
彼女は戦うけれども、次いつ来るか、痛みで分かってないな。その長い長い炎へ怯える彼女へと。
「かぬやーー! 怯えるな、ココが圧し時だぜ、アイツーーッ、炎を調整するのムリーーッ!」
「え?」「こいつ多分そうだわ、一匹が貯めてるのを全部全部使うんだ、あの衝撃波の時もワンツーは来なかった、一匹しか動いてないんよー!」
うなずく。相手もデメリットあって良かった。突進で一匹集中で狙うべきだが結構厳しいが、これって一つ頭を倒せばなんとかなるのか、あと何よりも足が痛くて。
「私もさ、3分って、あんじゃん?」
だったらいっそ――。
「おぉう!? お前、かぬややっぱ――」
才能あるなと。
ここでこそ斬り込んだ、美少女がかがんだ瞬間に突進かまして来て驚くワンコの下から切り裂く、わき腹を切り裂いて。終わったら上へ風のフォース穿って擦って、更にもう一撃を!
手負い程恐ろしいと、そう改心したろう。ヤツはそのまま喧嘩状態へ。元々圧してたし勝てるだろうと、狼、あと何より。
「く――、私のって突進だよ、突進なんよ」
体の方向整えないと目線だけでは行きたい方向へ行けないんだ。やっぱ相手も知ってるわよ、それチェックして狙って来てる。
ケモノの目。嘲笑うように。
ただね、突進の途中、そうしてその突き刺さった棒を起点にして回転だ、地面の棒へ美しいチアリーディングでのポールダンス、そうしてなまめかしい太ももの吸いつくきちちっと。「いつもこれで大盛り上がりよ、イッケェエエエ!」私は体を大回転ジャイアントスイング、それでロケットキックの要領で飛び出す。変な所で方向転換されてしまい首へと斬撃!
「ぎゃぃいいイイ!?」
最初の水での地面撃ちはもう一つチャンスを、そうしてもう一本をかぬやへと俺が――「さっすが師匠」
任せろって、俺は基本性能がイマイチなんでこういうのすぐ気づく、何より相手の嫌がる戦術でしか戦ってこなかったからな。弱小をまとめるってのはこういう事だぜ。
「よっしぃ、これで決めてやんよ、見てなーー!」
予想外and予想外、次はやはり逃げ切れずに思いっきり横っ腹から突き刺し、捉えたよ。裂いて裂いて、肩へと引き裂かれたんだ、かなりの深手だ。
だからこそ、もう一度。世界が歪んだ、空気が臭くて引き締まり。
「来る――」
グゴ ぉォオオオ――その音だけが聞けたんだ、あとは燃え盛ってもう、もう耳が受け付けない。彼女はその風のツバサをまとって突進する。全力の一閃、炎の中を駆けて駆けて。
「勝つって、負けないってぇえええエエエ!」
雄たけびを上げるギャルを。負傷してる同士だ根性が勝つ。ひるまないその少女へ少し体を落としてしまい、オールド・オルトロスは眉間を貫通されて脳を吐き散らし、そのまま更に直角の、胸への突き刺しで。深く、深く、突進の波動が大地へ吐かれ足を裂き、巨体、倒れ伏して舌を出し。
そうしてすぐに俺はその兄貴にもらった特別な割り印をかざすんだ。抱きついて来てて、その健康的な美肉がでも。
「はぁ……はぁ……、やったぁあ!」「あぁ、なんとか開いたな!」
そうして持ってた割り符を掲げて、すぐに操作を!「えぇぇえ、もっと喜ぼうじゃん、ねぇねぇネェ! トモっち、やったじゃんねーー、やったー!?」
「いやいや、こういうな、戦いの最中はまじで危ないんだって!」「うへー、この陰キャーー! 根暗ぁあ! 良いじゃんサーー!?」思いっきり抱きしめて来てて笑顔のね、この、黙りなさいよ陽キャよ、ったく。
と言いつつもその俺をはたくオッパイに舌鼓を打ってたりもしてだ。とりあえず足も痛いだろうし倒れ込む2人で、それは相当強かったのが分かる。今のは明らかにC級以上、4人パーティーは必要だったろう。
見事に突破だ、これでなんとか5階層へのショトカが成立、あとは兄貴に頼むべし。あーー……、いや、やっぱヤダなぁ。でもでも可愛いからついついなぁ……、でもあの人の……。
ただ前では煌めくその瞳の隕石、ありがとー、ありがとーーっ、トモっちぃって、少し泣いてて。よしよしと。
「よっし、じゃあ、そろそろか、行くぞカヌヤよ」
肩を貸して俺は「あ……? コレで良いのん、引き上げてーとかないんだー?」
「そうそう、やるか、かぬや。どうなるか俺も知らんが、お前が切り開いたダンジョンだからな」
これは、小さな一歩だろうな。大した事ないショートカットだわ。それでも俺の手の甲へと指を重ね、「そうじゃんね? ともお・ダンジョンねー? じゃあ一緒に開いちゃいますか? ともっちの初めて――☆」
俺のダンジョンをギャルに開かれる、優しくして欲しい。
「じゃあじゃあ、二人での記念に」
笑いあい、今聞き逃さなかったぞ、ケーキ入刀みたいだねーって、可愛いカオしやがってぇ……。
すると降りてくる柱が、どうやらそれで登るらしい。ある意味オレも一安心だ。面倒臭い帰路が大いに短縮してくれる。しかし少しやっぱ上にもモンスターとかいて手に汗にぎったのはナイショ。




