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 それで今日は今日とて、えとなと一緒だ。


 一緒に朝ご飯を食べて、昼休みは一緒に過ごす。代わり映えのしない毎日で。

 それで今は……、二人でパズル作りだな。

 木が削られる小気味いい音。休憩で暇な時間はパズルを作る事を楽しんだりも、2人で合作するのに良いんだわ。まず色々削って板にしてだ。彼女と俺が絵が好きなので、それは……でも全然ジャンルが違ったけれど。

 綺麗で写実的な街並みを描くエトナは「俺はじゃあ、こんなのどうだ。ドラゴンだけは得意だったぜ、コンテストも出たんだ~」

「良いかもぉ……、だってもうファンタジーだもんねぇ?」


 ドラゴンの絵を撫でた金色の。それに彼女が背景をつけ足していくから「確かでも美術部とはすんごい仲悪いんだよな、アニ研と。絵をボロカスに言われたってササやんがさぁ……」

「良いの……、だってもう向こうの私はいないから。もうあの場所はないし、今は一緒……」

 お互いが見ていた世界は少し近づいていて。切れ目を入れて行く、そうして二人で削って綺麗に、これももう3つめかなと。



 淡い光の中で静かに背中を合わせて、魔法の光の下で削っていく時間。そうしてまた合わせて。


 でも最大の問題はだ、二人で適当に削ったので最後のピースがあれに見える事で。


「んー……」「えと、うんぅ……」

 切れ目を入れるのははばかられるな、この心臓はさ。なんとなく言葉に困って。

 家の中。

 空気が吸いたいなって思う、でも窓がないんよな。見つめれるのはすごく可愛く小さくて大きい美少女だけ。


 はい、突然のマフ太郎登場。貧相な仕切りをくぐり愛らしい、そうして彼は焦らず騒がず、家の中を一周して、出て行くのです。あぅあぅって体を波打たせて行ってしまった……。


 えとながするとだ、中央部分を少し、少し、少しだけ、こう……意を決する人間の、そうしてサッと切ってだ。なんというかお見事で、片一方がはみ出る感じでもう片一方はパンチでもちーー、されてるような。

 ただこれで一安心だわ、いや別に何かこう、いやうんこれ飾ろうとかいう話もそろそろ良いじゃん?みたいな。でもエトナよやったぜって微笑みかけた顔の俺とは、だが――?

 しかし?


 すんごく顔が赤いまんまで相当気合入れたんだろうなと、そう思ってたが。


「あのね、それでどこかへ行かないかな~?」「ん~?」

 カノジョはそこはかとなく距離を詰めて来る時があってな。柔らかいしそのオッパイの大きさにはほとほと困る物だ。

 うぅーー……、温かいな。

 笑い合う。

 大空は良いな。



 特別な事ってないけれど、白パンなんかを食べてみます、あーーーッ美味い――っ。二人で地団駄ふんで。甘みは少ないけれどこんなに柔らかいだけで至福。石畳の高級住宅街で。

 するとふと目がいったその緑の宝石は、残念ながら前のおっさんはいなかったけれど。えとなの手を握り。


「あぁ……うん、えとな。あのさ、コレ。どうだ。今度お前に買ってやろうかと思ってて」

「え、本当? 嬉しい~~。何かあったのぉ?」

 ぎくりと――「ま、まぁ、そんな事ないなー、うーーーん。少したまったからね、そうだねぇ」

「そっかぁ? んぅ。そうなんだぁ……」ふふふ☆

 さっきの叶っちゃったな~、って。


 とてもとても笑顔で、似たもので揃えようって。でもあんまり買っていくのもマズイかも。美しい宝石はこの世界では貴重なんだよ、可愛い顔が近づくのだ、なんとしてもバレないようにしないとだが。幸せそうなその頬に触れても今は。


「あ、そう言えばともぉ君は夜勤、続くね?」

 ――焦った。

「あ、あぁ。でも家で寝るだけだろう? 少しだけ小遣い稼ぎとな、あと情報収集してんだ、あの……、畑とかを上手くやる方法とか、あの、それでぇ……」

「ふふ、やっぱりそうなんだ~? リーダーさんだもんね、しょうがないよねぇ? お疲れさまです。でも……、だけどもね、うん」

 寂しい、かなって――。


「で、で、でもでも、まぁ寝る時だけだろう、ゴマ太郎も時折いるしさぁ……」「でも寝るだけだけど……、一緒にいたいかもって」

 そう言うとすごく恥ずかし気に、それでなんか……ウルウルとした気が。それでな……、夜も一緒の家へ帰るんだわ、部屋とかもほぼ一緒。テレビもスマホもない、間仕切りはあるんだけども。


 少しだけ、静寂。


 着替えて来るね? そう小声で、でも四つん這いになったお尻がすごくその……。間仕切りの中、その影絵で胸がね、その。



「それでね? 私ゴマ寝って、考えたのね」

 小声でそう言うとマフ太郎を差し出してきてだ、なんと一度も開けた事のないその仕切りを開けてしまう。するとほんのりと良い匂いが……。


 多分真っ赤だな、指がもっちもっちとピアノを小さく弾くし、必死に枕で顔を隠してるから。そこへ白の悪魔がにゅっと――お邪魔しますです。


「あのね、ゴマ太郎はね? 実は二人で抱っこされると逃げなくなるんだよ?」

 小さな声のエトナがひっしりとしてきた、「マフ太郎、お前がカギだぞ――」

 ぅきゅーー?

 あったかいんだ、なんか……もう、温かみが空気感から伝わる。この柔らかい感じも。


 このあと滅茶苦茶セッティングした。


 小さいエトナは抱きしめる必要があるのでオッパイ位置がね、あのね……。

「初めてだったけど、良かったよ? やっぱり二人が良いねぇ」

 いやもう、可愛いので。ここら辺で勘弁いただきたい。




 そうしてまた、夜は彼女と出会う。

「よっすぅ、かぬや……」「あいよ、待ってましたー、相棒くぅん?」

 ヨロイと制服揺らしながら運動してる白ギャルのお誘いを受けて。運動部らしいしっかりと本格的な準備をする引き締まった体を、そのへそチラを堪能しつつ一緒に組んで体を動かして。それでダンジョンへと潜っていくんだ。

 少し装備とかも整え出した俺は。


「やだーー、恰好つけてるー」「ったり前だろう、黒以外にあるかよぉ!?」

 一番安いのを買ってえっちらおっちら塗って黒の装備を整えており棍棒までも黒くすることでキモオタ君を実現するのであった。白ギャルがげらげら笑いながら俺を押したり引いたりしてて。

 今日も一日。


「や、やぁ――、どこへ行くの? この頃すごく頻繁にいなくなるけれどねぇ」

「え、ええとー……、やっぱりその、ちょっと用事がぁ……」

 そのイケメンが心配する様子に焦るギャルは「わ、悪いけども、心配されるようなことは全くないよ? 全然、ぜーんぜん」


「でも外へ行ってると聞いた、それはとてもとても危ないんだよ? 屋舎陣さん」「あ、えと――、その。ただ外の友達と会ってるだけだから、そうそ、そうだよー、私5組のクラス外だけどさー、いたんよねー? すっごく話し合っちゃってぇ、あー……友達フレンズ良いなーーって」



「そうか、じゃあ明日は一緒にいないかな? 僕と友達フレンズだ」「あ……、いや、どう、かな」

 その好きな横顔。優しい顔が。学校だったら良かったのになって。でもすごく不可解そうな顔をする王子に焦るかぬやは。確かにこの頃一緒にいれないしこの言葉はかなり嬉しいが、ただ、でも何故か今は。

 大丈夫だと言うが「そう思いたいけどね……、分かってくれよ。だって何せキミは数少ないアチラからの女性だよ?」


「貴重って、事……? うーん、でもそれって別にこだわらなくてもさ、隣にいっぱいいるじゃんさ」

「違うだろう、明らかにキミだけは違うんだよ、それはっ……、それは君だよ! 君だからだ!」

 真剣に話してくれる姿に、彼女は少なからず悪くない。むしろそれならもっと話してたいと思うから。

 ただそれを引き裂くように――。


「ほら、そんな、勇者サマが……っ。そんな子を相手するなんて汚らわしいわ、勘違いしてしまいますわヨ――」



 唇を噛み、その少女を見やるしかない毎日だ。正直あのお姫さまは私を完全に敵視してる、間違いないよねーって?

 銀色の透けるような髪を揺らしてそれは絵よりも、あんな絵なんて比じゃないくらいの美しい出で立ち。異世界の神が見せた、本物の輝きは深く凄艶せいえん――。


 彼女は剥がしても剥がしても輝くだろう、芯から輝く。


 青く怪しく光る蠱惑の瞳をもって私と同じ位、169センチと長身ながらも細いモデル向きな容姿。ワタシよりも遥かに繊細だ……、しかもこのお姫様ミョーに男好きのする感じなんよなって。オーラも違うし。



「そ、そんな言い方はね……、ローレタナ、あの」「お黙り下さいな」

 ふわりとした言いざまだが。

 しかしその少女は美しくもとても冷徹で見下していて「そんな木端こっぱの、遠く及ばない者と関わる時間などはありませんわ。何せ明日は月に1度の勇者降臨の日ですものねぇ? そうよ、アナタは別にね? お休みいただいても構いませんがねぇ? ンフフフ」白亜の階段を優雅に降りて来るよ、コツリ、コツリと揺らして、私の心臓をも。ねぇ、ビビってんの「しかもしかも、その数日後からは討伐が始まるのですわよ? アナタ様はそこで民衆の前へと立ち、格の違いを見せねばなりません、これは逃げられないわ。何せ我が王家の威信と同じですものねェ? それは勇者――。 世界の希望ヨ。だからですわよ、こーーんな、  勇者にすら含まれないような……」

 自分で分かっているのでしょうに――。



「いや、あの、はい。しかしだよ、だからといってだ、そんな」「もっと勇者というのを大事になさって欲しい……。 まだまだ世界の勇者という、その意味を分かってらっしゃらないのかしら」

 凄みのある妖艶さ、そうして唇を噛む一介の美少女は。その目で引き下がるしかない。住む世界が違いすぎるのだと、声すら上げられないのは初めてで。降って来る光はカノジョのもの。そうして二人になれば。


「ねぇ……、どんな贅沢をしても良い、どんな我がままも良いの。私も……、あなたなら良いのよ。でもわたくしの事も少しは考えて欲しいのよ」

 高貴にも儚いようにも、そうして年相応に、その王子へと潤む瞳でもって微笑む姿は。銀色の数多ヒカリを引き連れて懇願した。


 頭を振る。まぁ、何がどうしたって王城だよな、僕から逃げるはずがないんだから。

 そう、そうよ、そうしてわたくしの力はなんびとたりとも侵させないわよ。この男はわたくしの物。だって……。

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