35
「さぁてさてー? 今日はお弁当作って来ました~っ?」
「おぅぅ!? マジでか――」
今回は敵との死闘、第一次ぴるぴるぽー戦線が終わり、鼻水ぴるるしながら非常に赤面しての一休みとなる。
スカートを整えて可愛いギャル弁を見せられてワテクシ、困惑。世話になってるからと言うが、構わないのになぁ。へへへ。
まぁでもそうして口に含むとこれが美味い訳がな――。「いや、これは嬉しい……。いやマジか、ギャルが美味い、ギャルが作ったーーーァ!?」
「むぅ? それは馬鹿にしてるだろー? 私を明らかにアレな生き物だと思ってたねチミィ!」
そうだよ、そうだ。
なんだろうか、でも日本の懐かしい感じが少しだけ戻って来たんだよ。弁当に入ってる楊枝ぶっ刺さったハムだけで泣きそうになるとは思えなかった。きゅうりとの相性は最高だ!?
ただそれが本人が作ったかどうかは……「あーー!? 作ったって言ったじゃんっ? じゃあ今度ぉ、二人っきりで見せて作ってあげようか、でもさー、それでマジ惚れしても知らないぞー?」
自分でもヒョイとつまんで口へと入れる白ギャルは「でもさでもさ? 確かにさ? むぐむぐ……、 日本のに似たの選ぶのは結構大変だったんだー?」
これとか自身作よぉ、って言いながらミニハンバーグを進めてくるカオ。いや、可愛いんだよな、マジで。ピンクの繊細な髪の毛をさらりと流し、可愛さを盛って来るんだぞ、なんでだと。ギャルで良いカラダしててお腹はイラストみたいな線入りで窪んでて綺麗、おヘソしなやか、お料理はお上手。
愛想も良いし明るいしこのギャルパワーだけで力をもらえるようなさ、恋愛方面へと自然誘導型の。もう僕君のアリゲーターから力と指令が来とるわ。
そのまままた戦いだ。
「ねぇねぇ、はぁ……はぁ……、これ始まってからさ、私のステータスってのは変わった?」
「あぁ、いや? 全くだな、感触としては同じだわ~」
その言葉にしょんぼりだ、俺もそういうのを期待してたけど甘くないらしいよ、すまんな、すまん「ただしさ? かぬやが別のことでレベルアップしたら数字は大きくなるからさ、色々な事にチャレンジするのは良いんだぜ?」
「あ、そーなんだー? へー、じゃあ戦い以外もオッケーって事? じゃあ私は恋愛がつよっつよになりたいですっ――て、あぁ」そんな時代じゃないか。フフフ「そうだな、あとまぁノーマルの時は苦労するぞ」
苦笑いしながら。それで各種ステータスの話では、相手がどんな事をやって来たかを聞くには良い。ステータスは偏に人生だ、話題には困らんし。
音楽がかなり良いねカヌヤはさ、それって何してた? あぁー、結構ねー私ねー、昔っからピアノとかやってたんよぉ? 正確にはヴァイオリンかなぁ?
それってなんか……、お金持ちなのって聞くとそうでもないというんだが。
「あと恋愛つよつよってのも違和感あるわ、キミなら全然いけるだろうに」
「いやいやー、でもあんまりねーって? なんかいつも突然過ぎるん、ホント、いや、びっくりするぐらい素早く来る人多くてね、怖いんよって……」
避ける、斬りはらう。
出会ってすぐに告白が始まるのが多いらしいんだわ、まぁ、その流星群のような煌めく瞳を見せられてればな。
「でもさでもさ? 確かに恵まれてるってのは分かるんよ、いやーー、まじでねぇ? 私は贅沢なんだなって……、そう思うけどもだ。ただね、 あぁー……、分かるかなぁ? いつもね、ホントの恋がしたいの」「あぁーうん、そうな、贅沢過ぎるわ、俺は全くモテなかったからヘイトしか湧かねぇ。もう良いよお疲れぇ」
おぅ――!? 聞いといてって顔で唇を歪ませるギャルへ「でもそういうのはエグるんだよ勘弁してくれよ。じゃあどんだけ振って来たか俺に話してみろよーっ、キモイ方から上げてけば30分で死ねるからなーー!?」
いいのかよーー!? って叫ぶと大笑いしだす。ダンジョンでの死因:ありもしない幻肢痛で自分のキモさを思い知らされる。っていう前代未聞が刻まれるっていうと剣を落としそうだ。
非モテのは早くても遅くても同じだ、使い道がねぇんだ! ねぇそれ下ネタっしょー? もぉぉ……気を抜くとすーぐそれだー? そう言って俺を押すから。
ただカヌヤは汗をふいてホカっと、綺麗なピンクの髪を手櫛して、少し赤くて濡れぼそり目線をずらし。私はイメージ的にも簡単って、そんな感じされてるって、でも実際は少し臆病者だって言うから。まぁでもそのくせ気さくだし勘違いするだろうなと。ただ納得してない風のカヌヤだったが。
ギャルの昔話を楽しく聞かせてもらう、笑顔が多い子だ。妙に魔力が強いのは芸術系に多かったりすると、信仰心は大丈夫かと聞くとバッチリだと。
「女神さま見ててー、真・風のフォース、微塵の紫塵!」
真であってるよね? あってるあってる。3分間、とりあえず効果の具合とかを観察してしっかりと見やるんだ。
彼女の良い所は初見の階層でも強い状態で入って荒らして経験だけをガメていける事。
それで風の能力は何度見ても使い勝手が良いな、ただこっちは能力が上がっても効果範囲は一緒か……。
いや、違うな。さてはアレ――。
俺が引っかかったのはその光った事だな、風だ、特定のモンスターの時だけが光りを放つ事で「なぁカヌヤ、多分その風の4番目、それって緊縛特性もってるんじゃ、当たった瞬間に風で縛ってるよ多分」
「え、うそぉ? 縛ってる? そうなの、え……、じゃあこれイケるって事」
一撃の風を放ち、その直後に色々遅いと思われていた土を撃つんだ。確かに相手が動けないのだ、あり得なかったコンボが使える。
「マジかーー……、やっばぁ~……。どんどん増えてくねぇ?」
こういう技の細かい仕様はやっぱり修行ありきだったろうがもう時短でワンオペだ、異世界転移はそこら辺が大変で。
上を、いや下を目指して二人で研究していく、ドンドンと。でも4階層はやっぱ結構強敵が多いわ、2人とも必死に。




