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「でやっ、でやぁああ!」

「そうだ、もっと手首を返せよ、そうだよカヌヤぁ! オメエにゃよぉ……必殺の右があるんだぁあ!」

「ドヤ顔してぇ……っ、もう、ほんとにアンタ分かってるんー?」「俺がこの手でお前を改造してんだぜ、分かってるに決まってらぁ!」

「あ、そっか――。それでぇ、師匠師匠、右って私どうすれば良いのかなー、マジで師匠って言っちゃうよー!」

「よしよし、それはな……、自分の心へ聞けよっ、ウソつきーーフフフ☆



 それでもだ、ただの剣で進める範囲も少しずつ確実に広がっているなと。強化せずとも文字通り進む。推進力のお化けだ。大地を削り。

 するとこいつは更に加速だ。


 彼女は周りにあるのならなんでも良いからほぼ無限、今度は「風の――フォース。微塵の紫塵しじん!」

 その力強い力は加速をともない相手を剥く、なんというか……剥くとしか言えないんだわ。表面から薄皮を剥くように斬撃波が走ってるな、敵の体が剥がれる感じで傷つき。衝撃が全体に満遍なく走ったあと分身のような――受けたモンスターの分かたれた身を後ろへと飛ばす意味で、ちなみにこれにもダメージがある。

 ボーリングみたいに後ろの敵が飛んだよ。


「風は、これは使いやすいと思うな……、素早さはピカイチだし、しかも覚醒すると後ろを守るよう円形の衝撃波があるし。大地のセカンドだと衝撃波が追加で3本飛ぶ、か。結構確かに俺なら多用する感じかぁ……」

 なるほどなるほどー? 様々にほとばしり削っていく、それぞれが使い勝手が違うし全部が全部違う。

 面白いな……、面白い。


 ざっと見た感じのノーマルだが、時速換算で。



 水――50キロ

 土――60キロ

 闇――80キロ

 光――90キロ

 風だとなんと110キロは出てそう。いやあの、一番遅い水で既に人類最速を超えてるんですけども。ウサイン・ボルトで47キロなんだが? 風になると渋谷スクランブル交差点の一番長いナナメでも1秒っていう。



 それで観察した結果、以前はだ、連続使用は難しいと思ってたらしいけども、それらは相性がある事が分かるんだわ。次に動ける奴と動けない奴があるよって。


「えぇ……。うそ、なんでこんなの分かんのよアンタ、ともっちぃ!?」

 私はあのカラダを体験してから気づき始めてた事なのにさ、ただそれ以上に分かってるわ。試せと言ってて。いやそれで試してみると驚くんよ、コイツ正直なんか。


「よしよし、多分そうだなぁ……? このスキルは全然使い勝手が違うな、フレームって分かるかい?あぁ……、出だしの速さとか効果時間とか、あと次の動作が早い奴とか~、回避が特別な奴があるんだわ……。良いかい? 屋舎陣さん、キミの今の力から言ってだ――」

 続く言葉を、私は剣を握り歯がゆい思いをするけど、でも「ねー、そういうの結構すごいよねぇ……? ともっちしっかり見てくれてるしぃ」


 次の動作まで何フレ何秒だとか、発動してると気分で思ってるだけで実際は発動してないから駄目だとか。そのせいでピーク逃してるって……あぁそっかぁ……。王城じゃ言われなかったなーって、比較的あの人たち根性論だから。

 修行やり込まないと真の実力は分からないって言われてて、まぁそうかなって。うん。突進が命なので足の動きを覚えろっていわれてただけだわ、そのせいで走らされ続けたし。



「分かったよ。ヨシヨシ、それならじゃあ私も、運動神経良いの見せてやるぞっと――」

 うなずく、翻ったカラダ。実行力はかなり良いし高い。

 空中で回転してもきちんと大地へ立てる力、体幹。まぁ確かに彼女は運動能力は良い方だわ。ここは彼女を育てるべき案件、むしろ力が入るんだぜ。

 昔はずっとずっと画面の中だったけど今は集中していて――。あぁあのフレームはまずいなと、あれは……、もしかしたら使えるか、別の仕様でなら。


「屋舎陣さん、その突進は恐らく最高に使えるのはしゃがみからだわ、恐らくそいつだけはしゃがみからでも使えるぞ?」

「はぁ……はぁ……?」試してみる。大地の力、しゃがんで動けない中からでも上手い事滑るように「まじまじの大マジじゃん、良し――、コイツもっと使ってみるよ」

 しゃがみ突進、それをバリエーションとは言わずに基本動作と為せと。うなずき拾って行くよ。比較的このスキルは前に行くという――それは限定して言うなら見てる視野と同じで約45度内の前方へ行かないといけないみたい。

「いいかい、これの一番は攻撃じゃないよ。根本から変わる、何せそれなら前への逃げってのを覚えるべきだから!」って言われてから、私は眉根を上げてなんとか――。


「よし……よしよし、くぐれたわ。しゃがみからも合わせればさ、これ、狙えるのだいぶと増えるよねぇ!?」

 剣を上で回して思った以上にビックリした様子に「そうそう、それで今の最小の突進距離は4mだな、最大は9メートルと少しだ。属性によって違うがこれは絶対に覚えろよ、感覚で理解しろよ!」

 うわ、細かぁ……。うなずき、追って来たミニマム・ギガントレディとかいう2メートルもあるデロデロ九官鳥みたいな顔の、その棍棒持った脇を抜けて、そうして――じゃあえぇっと……、取って返すには相性があるんだ、これも覚えなきゃダナ。あ、これ短いわ、効果が届き切らないわー。


 だから目の前「く――!?」ギリで横っ飛びして裏拳を避ける、マジでヤバかったー。

 そこへ敵から更なる大振りの一撃、よろめく。連撃されてる、その錆びたヤイバこっわ、なんとか突進で圧し返すけどコイツおっもいよ。大汗かいてモンスター弾いて、はぁ……はぁ……、じゃあじゃあ今使えるのは、あぁ……えと、まさか効果によってとか状況によっても違う?


 使いたい物の射程に入る為に今わたしは。



「そう、走っても良いな。そうでも宝の持ち腐れだぜ屋舎陣さん、剣を使用しない突進があって良いんだぞ。素の突進で使える奴がある、そこで水だよ――」

「え、でもでも、そんなん強いん? わたし剣で斬らないとほとんどダメージしないよぉ? はぁ……はぁ……、私もう少し距離が出せればなーー……っ」

「違う違う、それはむしろ悪手だ、止まれる方が良いんだわ、なんなら2mぐらいで良い!」「いや、ごめんわっかんない。私のを分かってないっしょ、これぇ――」


 真正面から打ちあうが、2層に入るとそれがキツイんだろうなと。スキルだけでは通じない、前から押すだけだと一撃ガードされてしまうし突進の途中でもその衝撃波を割いて攻撃してくる奴が出てくる。

 青筋立ててなんとか屋舎陣さん横っ飛びで逃げるが、首を振っていて。


「あー、いや。良いんだよ、戦いっていうのは大技ばっかじゃ決められないんだわ。この有利が取れるだけの突進ってのが、良いか――1撃だけを狙ってるといつか苦労するんだぜ。もっとセコくいこうぜッ!」

 うわー、なんか複雑ー。でも空中で指を切って動かして彼は3角を描いてて。

 そうしてでも教えてくれるから、剣とかで斬るの諦めて水でかく乱してすり抜けるのね? 大回りして効果だけを擦ってからの、横行って止まって直角、風の一撃!



「なるほどぉ? そういうのも有りかー? まぁー……、嫌なの良く思いつくねー、ホントー」

 でも距離稼ぎに良いかも、アレ、これもしかして水は様子見とかコンボ練習に良い?

 そうだ、気づき始めてるな。ダンジョンの岩場をゴリゴリ削りながら戦う様子は、周りを広く使ってってて。俺はRPGとアクションと格闘が得意なんでなぁ。突発的な異世界でもマウント取れるぜ、むしろ想定以上にアツくなれる。


「よし、全ての効果の網羅が必要だな――、かなり多いがこうなりゃいっぱい見せて欲しいな。むしろ組み合わせを全部全部露出させてからが勝負だよ!」

 うなずき。しっかりと見せていくんだよ、なんかワタシ急速に進歩してってる、なんとか形になったかも。スキルがやっと始まったって感じだ……、今こそ異世界って感じで。じゃあ見せるしさ。見て欲しいし、少しはね……って。気にしていたスカートを離す。


 しゃがみからの一撃を自分の物へと。

 あのさ、すっごい横に逃げるって怖いんよ、一生懸命戦ってて壁の位置なんて分かんなくなるんだもん。でも前は見えてっから。これは本気で私やらなきゃ――。



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