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「そっかー……。私はこうなるハズなんだ? このスキルってこういう風に望んでるんだなぁ……」

 少女は目を閉じて昨日を思い出し。まずは予習して来たのを試してるんだよ、正直かなり無理な動きなハズだが知りえた理想をなぞって、丁寧に丁寧に。

 万物推進、あの時に燃料にした物と今とを比べ、まずは水を吸って。


「ぐぅう!? 弱くなってても重いわ、なんか視界も歪むなぁ」

 エフェクトがそうなのだろうか、ばら撒き型の能力の、その水という推力は。どうやら聞くに見えなくても感じれば使えるらしい、それは色々な物が対象らしくて効果が薄かったりそもそも吸いにくいのもあったらしいんだ。



「圧縮の蒼縮、ワタシ水はあんまり使わなかったんよー、なんせさぁ? あんま強く感じないからさぁ? やっぱ別に強くないよねー、これぇ?」「いやいやイヤ、むしろ万能くらいに強いけどな――」

 大勢相手に突っ込むのに良いと言うと、一番弱そうなのでイヤだという。え? いや十分だろ、まぁそうか……。比べるとそう感じるのかな。眼をしばたかせて、ただそれでは駄目だと言って。だってほら、あのオオサキコウモリさんめっちゃ苦しんでるじゃん。


 すると大地を削り上げ。


「地の――セカンド、脈拍の黄拍おうはく!」

 力強い地の力をまとい大地を翻して駆ける騎士。しかもこれはどうやら実態を小さく見せれるらしい、その癖大きさは同じで。

 どういう事か。

 モンスターがその見えない切っ先に当たって転がるんだわ、明らかに20センチも余白があったのに。



「これって無いはずの当たり判定があるんだな……、虚像を見せてるって訳でもなさそうだが……? こっちはダメージが入らないけど、一方的な当たり判定はあると」

 Fateでいう風王結界とか、ああいうのに近いのかと、ただアレより抜群にイヤラシイがな。気配がしないし見えてる分だけ誤認しやすく厳しいはず。

 まず縮む能力があってだ、その上で消えた部分に見えないオーラのような物が入ってるとかか? ふーーむ。ヤバくね?


 能力の予想図と相関関係を頭で浮かべてて。


「ふぅーん? ねぇじゃあ聞きたい、それでやっぱハタから見ててどう違うかなって、強い私も見てたっしょぉアンタぁ?」

「うーーん、難しいな。全てが違うんだわ、レベル1から振り直した訳だし元々が違うな、としか言いようがないな」


 やっぱかーってすごい悔し気だが、それでもだ。たった3分しか使えない奥の手だし温存、兎に角これを別人と思って近づくようにする修練だと言い。

 まずは一歩一歩。



「そう、でもなんとしてでもね、アレになるよ私、頑張るんだって」どうだぁ――!

 戦い続ける。俺はせいぜいターゲットを分散させるだけで逃げるの担当、進行方向も俺が決めるし見守るのも当然担当。

 チラチラでも、あっちも見てるなぁ……。

 でも見るんだなぁ……、くふふ。


 いや、いかんいかん、ヤツめを落とさねばならぬのだ。俺はまた陰キャを出してたな、大体焦らなくても良いはずだが……。


 うん。


 ひとまずダンジョンの中では俺の指示に従う事。これは命懸けなので必ず守るよう誓わせた、彼女の要望はひたすらに深くを目指す事だけで。



「はぁ……フゥ、弱い方……っていうか今の私じゃ結構やっぱモンスター強いねー?」「いや、君がえぐいよ」

 正直ハメとしか言いようがないわ、並でもえぐい。彼女は推進をスキルに頼ってるせいで全くもって時と場合を選ばないんだ。


「ね……? これって何層あるんかなー? どういうレベルぅ?」「あぁ……分からないな、正式な管理は知り合いだからさ」「そっかー? じゃあ何層くらい行ったん、目安とか教えて欲しいんだけど」

 えいやぁ!

 いや、話ながらもゴリゴリされて相手泣きそうじゃねえかよ……。


 それは1層の中ボスなのだが、ひたすら突進され続けるだけだ。突進されます、気合入れて剣を受けます、止まったのでゼロ距離でもう一度突進します。? ? もう一度気合を入れて、あ、止まりましたね、また突進をしますね、ん? ??? いやマテや――待て、あ、あ、もう一度突進を――。

 あぁーーあ……、もんどりうっちゃった。しかも加速やらバフにデバフや衝撃波とか、もうまちまちで色々種類が違うの来るんよなぁ……。


 あっさりと一層をクリア。これ保険があるって思うのが効いてるな、だいぶと気分に左右される子かも、ただし……。

「つっよ……、アレの私なら弱かったのに強いってぇ……はぁ……はぁ……」

 やっぱり思い通りにはならないらしいな。その美少女の剣が敵の思う通りに揺れているぞ、明らかな力負けで。

 2層、シャイアリゲーターという種で俺らならアルマジロに似てると言えるか、ただ80センチもあるし異様な程に口が長くて牙が鋭いだけの。


「あのさぁ? 一撃だったよねアンタ、まじでこんな違うんだ、これが」

 突進。しかし堅いシールドのようなの両腕で弾き、しかも当然頭から背中へも堅いカラダが、本当に堅い。隙がない、けど倒せるんだぜ? 複数で囲めればな、まだ2層だし落とすなり縛るなりでなんとかなるけども、一対一だとかなり分が悪い相手だとは。

 それでも昨日は一撃だったんだよな、だけど剣で打つたびに自分の弱さが響くみたい、すさまじい反響で持ってられないか。相手の肉付きが良いのが刃先から伝わって来るんだわ、カッターで電信柱を突き立てたような。取っ手にまで。


「屋舎陣さんさ、もっと強くなるんなら剣をしっかりしないとだな。実際本当はソロで1階層突破って上々なんだが……、なんせスキル対比12なんだから。ただ上を目指すならキミはもう少し剣道とかを知った方が良いわ」

「そうよなーそうよ~~……。少しだけ教えてもらってるけど、はぁ……はぁ……、悔しいなーってさぁ……?」

 キミ剣道知ってるぅ? あぁいや――全然。

 ぬぅぅ、薄ピンクの唇を噛み、それでも試行錯誤して頑張る白ギャルかぬやが。正直だがソレは女の子の動きなんだ、その突進を撃つが、もう堅すぎて自分への反動の方がキツくてやめてしまっている。


 相手はかなりの防御上手で、コッチが剣で威嚇しステップで狙いすまして踏み込むカヌヤはでも、上手にかわされない、冒険してでも自分の物にしてくる敵モンス。ヌルルっと懐へと入ってくれば、そうして狙うのは細い足で。



「マズイ――」

 足を持たれると即終了、なんせ内側に歯のようなトゲが。アルマジロと同じで丸まるんだわコイツ、くわえ込んでから回転するデスローリングしてくる。そのあと丸いのが起き上がった後には綺麗な丸い穴が開く事に。

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