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そうして決戦だ。
「よっしよっしぃ、今日だけは本気で挑まないとだな」「この為に準備した……。俺らみたいなその日暮らしが、それで2日はなんとかだぜ」
目の前に広がるその土地は。
かなり厳しいが、耕せただけなら使って良いというお墨付きをもらっているしな。それってそういう事だ、俺らの夢の一歩であり最大の障壁。
コノ世界の耕作であり必死になるしかない生き残り策、開墾。
全員でしっかりと朝の体操第一して作戦の打ち合わせを入念に繰り返していると、担任が来て。
さすがにこの大舞台ともなれば大人としてスーツを羽織り、装飾もなく、彼女は森の隙間から漏れる光の瞬きに目を細めた。美しい女性、赤毛のふんわりとしたくせ毛を直して。
「えぇーと、ごめんなさいね。それで作戦なんだけれど、あぁ……、これ――キッツイ、えと、なんて読むのぉ? 異世界の字は読めないわよぉ」
先生、アナタ、勉強が一番遅れてるってどういうことですか。
「それでね? 安全、安全よ、えーとそう……安全にねぇ。魔法は耕作の魔法を使う、すると魔族が湧いて来る……。魔動共鳴で? 我らには見えないがそれが人類というものが魔というものへ対しての弱者である、その証明とされる1つ。忌々しいが……へー、こんなのあるんだぁ? 私魔法だと頭光らせて金玉~とかしか見た事ないわ~」
先生、仕事は選んでください。
「そっかぁ、頑張ってね~全員。冬が来たらこわいもんねぇ、でもその前に還りたいわよね~~」
―――。――。
「じゃあとりあえずね――、ケガだけはしないように? 愛する生徒だもん、あとね大事なのは……、もっともっと早くビールにアルコール入れる方法を見つけて~っ? 味だけビールはもう飽きた~~っ!」
「駄目だこの女、早く結婚させないと」
でも29だと難しいんだ、異世界は厳しい。引き締まるよ。
最悪この人の少ないお金をアテにしないといけなくなるんだぞ、それだけはなんとしてでも、どーーやってでもな、回避したい。全員が1つになるな。
「それでな、土魔法使う時は慎重にな……、場所を間違えると大穴が湧く。そうなるとあのオバサ、いやお姉さまにこっぴどくやられるぞ」
「あぁこの下には魔物がウジャウジャいるらしいっていうか、もう知ってる」
魔法耕作班と守護班、それらが正確に測り上げて予定を立てた四方を囲むんだ。この領域以上は相手してらんない。
モンスターが土の下で生きている。奴らは魔法を使うと途端に湧いて来るんだよ、でもそれは陸海空の全てなんだ。
弱き人間が波紋する事なかれ、なぁ いるぞ。
「でも負けない。おぃお前ら、頑張ろうぜ! これを乗り超えなきゃ俺らの身が持たねえ!」
俺の号令一下、全員が身構えうなずく。走って行く、向こうでは以前俺らがやったように前衛として森から守る予定だ。
そうして戦いへ向け。全員で準備体操して、さぁ。
「行くよ、一気に」
おびえと恐怖で震え、魔法の詠唱が始まると同時、地上と地中で動きが有る。嫌な微震があって……、そのうち立てかけてあったクワが倒れて。
待つのも面倒なので地面へと打ってやるんだ、するとゆっくりと足裏が響きだした。そうして。
「ガァルル――」
そんな土を割るとかじゃないから、ひっそりと小穴を開けて湧いて来るピンクの肉感。汁と共にオカミミズたちが。
大きさは1m50くらいで太さは直系30センチくらい、ただ問題は結構な……100をも超える体数と硬さがあって。ニクが揺らめいている、さすがに多くて砂塵があがり。
あと凶暴性もがある事も。
もうなんか、中学男子がニヨニヨしながら黒板に落書きしそうな口穴を開け拡げ、汁と肉ヒダのその奥から触手を沸かせると。
「うへぇ、コッチ多いよなぁ……」「まぁシールドが薄い方だからな。城の外だし、その中でも貧民でも寄り付かない方だから」
そうだ、だからこそ面倒なのが放ってある。さぁ攻撃だ、という所でこいつ等は……。
「クソ、すぐに逃げやがるな、面倒だぜ!」
かと言って地面で突っ立っているとだ「きゃああ!?」
全くもって出入りの形跡がない所から湧いて引きずり込まれそうになるんだわ。
あとムチのような触手でぶん殴られる、それらを必死に包丁で切って対応するが。ウネウネうねうねと、コチラが追えない状態で百をも超えて。
「くっ、地面からの攻撃には土魔法とかしかないのによぉ」「コッチ全く見えないし当たらないんよ、卑怯なんよォ――」
土か水か、でも発した瞬間にバレるからな……。オタ芸の高まりだけでも察知してくるし、奴らの敏感なマ皮膚・マ感覚にはどこから攻撃されたか、どんな威力かも分かるから。空気伝導よりも早いらしいんよ。
この程度なら初級~中級らしいけど俺らではなんともで。地中で大量にいるこいつ等をヤル、それが面倒なので耕作が進まない。
そんなさ、魔法が万能ならもうとっくに地球が真っ平になってて自給率爆上がりしてるわな。
「おぃ木に登れよ、奴らは木の上の敵は気づかないから!」
だから奇襲を期して真上からの攻撃だ、下でえとなの属性石投げでも良いけど前は狩り切れなかった。だから耕作予定地からずらして木の下へと誘導して、降下の一閃、切り払い。
「ぐぎ――!?」斬られても敵を探しているな、次も飛んで次々と。それで落ちても急いで別の木に乗っていれば「きゃああ!?」
ただ結構木の上に逃げても捕まれる。しくじったか、吉田さんが掴まれた、マズイ。
いや正直もうパンツが見えたが、あとなんかこの触手っぽいのの中へ落ちるのは想像が捗ってしまいそうだが。
急いで手を伸ばすんだ、しかし掴めずにその女子は触手の中へ――。
「ぎ、ぎゃあああ!?」
触手にもみくちゃにされて女子が嗚咽をもらす。ホントぬるぬるヌラヌラで大変だ、いや、大変なんだよ服も破けちゃうし、筋肉がもう悲鳴を上げて。
なんとかこの、日本では特殊過ぎるしそのくせ実写でマジすんごい動きするお尻の映像に負けないで。俺ら、俺らはさぁ……っ。オッパイを触手が鷲掴みしてて、こんな、こんなのは非道で――。
うごめくうごめく。ニクが激しく。
「大丈夫ぅ!? 付与魔法、炎!そうして風ぇえ!」
「あぁ、ありがとう、はぁ……はぁ……、」はぅう。
ピンクの触手が慌てて引いて荒らしまくられていた女体だけが静かに残る。
涙目でネットリぬらぬら、ヒクヒク、熱い息のクラスメイトが上がって来る、しっとりとな。口に入られかけてて惜し……、おしっこ漏らしそうなほどの恐怖だろうな。
でもやっぱこの付与だけは特別、だから俺は要を失う訳にもいかずで。木の上で彼女をギリギリまで守るしか。
せめて罠として付与魔法をつけたいが、なかなか――。
「一応……、前も無理だったらしいけどもね」
大地へばら撒く属性。ただその網目を縫って来るんだわ、空き缶の迷路をネコに渡したくらいの難度だ。飛んで跳ねて、好き放題スキを狙い。
やっぱり置きにした時点で読まれてしまう。もう少し近接で狙えばイケるだろうが……。
そうしてこちらを挑発しているように地中のうねりが続いて。
「何匹いる……? 前から全然減ってないように思えるな、配置変更しても無理か」「ちぃぃ!? 派手じゃないし生活の近くにいる癖に一番面倒とかいう、マジで消えて欲しい奴!」
阻まれ続ける壁が。
そうして問題はもう一つ、地中だけじゃないんだわ直ぐに地上の敵もやって来るし、なんとか減らさないといかないんだが。
「おぃ、抜けてね? もう地上部隊やってきたぞ、おぃ!?」「アイツらよぉB級なんだろが、もう少ししっかりしろーー!?」




