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「むむむ、今日は魚か肉か、それが問題だなぁ……」

睨む。比較的いつもは魚がお高いが今はセールだ、どうやら豊漁だったらしい。氷がいっぱいの生鮮物へ。この少ない金を肉へするか魚へと振るか。ただエトナは確か……?


「あぁ、うん、良いんだよ私ぃ、良いの~。ともぉ君はお魚好きだったでしょ、食べさせてあげたいな……って」

「お前でも、えとなは小骨とか苦手だろう? 食えないじゃん大体が」

その商品を見ているとでも悩む、いつも生臭い川魚ばっかだよ海の幸を久しぶりに食べたいが「思い出すもんなぁ、魚を釣って帰ったら、すべからずツクネにしようとするんだよな。刺身でたべるのも嫌がるし」



「え~、でもやっぱりお魚はねぇ、あれはツクネくんが一番だもん。実はお魚さんは全員ツクネっていう苗字なのぉ」

「あぁぁ――なんか、こう、築根 鮫子、みたいな?」

ぱっちりお目目でこくこくしてる、笑うしかない。いやある意味怖いか、人間だと肉ミンチ・佐藤・太郎だしな。


「ははは、アンタら仲良いなぁ。うちのカミさんもそーんなに可愛くて慎ましいなら良いのによぉ」

ほれ、じゃあ初々しいアンタらにはおまけだー。

「おぅサンキューな、おっちゃん。でも俺らと比べるなよ~、付き合ってすらないぜぇ」



「何言ってんだぁ、もう結婚してもいい歳だろう。アンタら親無しで婚約者もいねぇんだろぉ? ばしーっと決めとけぇえ」

二人して赤くなる。その子供が2人元気に俺らの周りを走って行って。そうして薬屋に寄って。帰り道、赤い夕陽。

鼻歌。ゴマ太郎がそこらで寝っ転がってるので嫌がらせで抱っこしてやる、もきゅーと鳴くから。お鼻からちょうちんを吹くんだ、まさか近づける気かよ貴様――。


お目目ウルウル、それを拭いてやって。


乗せた俺のモモの上からアイツの上へ、小さな2つの手の感触。そうして引きずるお腹のもっちりが擦れる。回転。次は、えいや、と飛んで来た。

可愛すぎる遊泳を2人で撫でながら。



「あぁ、星は綺麗だねぇ……、全然違う」「あぁ、いっぱいだ、もしかしたら俺らの星もあるかもな~」

「うんうん、どこにあるんだろうねぇ。一緒に帰りたいねぇ、ふふふ。あ、じゃあ帰ったら何しよっかぁ、あ、」ご飯の話は無しでねぇ……?

「あぁ、そうな。じゃあ……今からの続きで陶器作ろうぜ、一緒に陶芸教室行こう」

「うん、じゃあ私が土を練るね~? 得意だもん私、こう見えても~」


紫の空に光る星を見て、うなずく。帰ったら本当はゲームして端っこでいる事になるのかもしれないが。

でも彼女は笑ってくれるから。制服を少し改造したのを羽織っているからまだ学生のような。あと仕事終わりで、外で待ってた奴らが五月蠅いんだ。クラスメイトたちはもう全員ご近所さんだし。


「あ、トモオ班帰ったじゃん。おーい、トモオら帰ったよー」

この頃は班の名前で呼ばれる事が多いし彼女も普通にそうなってる。呼ばれて属性をあげて光を与え、他も色々と渡して行くんだ。集落へ光が広がって。



「ちょっと、夜五月蠅かったよー? も少し気をつけなさいよ」「あぁごめんごめん、激しくしないでって言ったんだけど」

「まぁ無理でしょ。むしろゆっくりされたら怒るわ」

笑ってる。

手を繋いだ。



「ねぇ、お休みぃ……」「あぁ、お休み」

可愛い顔を前にして目をつむるんだ。

「夜番だからね……」じゃあ、行ってくるね。

いそいそと個室から来ると俺を見て、出て行く、疲れた様子の彼女に笑い。あぁ……、うぅクソ、下から覗いても力が出ないよ、助けてーー。

彼女のスカートは新しい防壁が追加されていて無数の白き三角が邪魔をする。

でも見送ってやると嬉し気でいつまでも手を振っていて。



「えーと……、申し訳ありません、よく分からないんです。私は普通にしてるんですけど……、駄目ですか?」

光を投げていく、等間隔で城壁2階の廊下から外と向かって、あと内へも。これはただの石だけれど光るんだ、それは全然違う未知とも言える。


「聖典の記述にない。むしろこのような素晴らしい付与術式は見た事がない。簡単に手軽にやっているが、こんな事がという驚きが今も……」

本当に何にも磨いてないし転がってた物を手渡しただけで1秒、それが光へと変わる。マジックだ、隣で石を持つ者が信じられないといった顔で。しかもこれが2時間も持つというし。



「いやぁ……、魔力は持続が難しいのにな、むしろ持続こそが最大の問題だ――。ゆえにほとんどが物質的魔力を追い求めるんだ、むしろそれしかないのだよ。ただ上位ともなるとそれは幻想領域であり、そう、正3位たる聖略、そこをも行けると言うがな。ただそれとも違うような不可思議」

「えぇ、はぁ……? 確か、えと、この魔法っていうのは正6位、なんでしたっけぇ」


「そうですよ、そうです! いや、ですがこれは正に神が下さった恩寵だよ、私は女神に感謝したいな! だからもし良ければアナタが受けたその女神様からの恩寵を詳しく、きちんとお聞かせいただけませんか、是非にです是非! 後でゆっくりと!」

「後で、ですか? えーと……、ごめんなさい。私そういうのは~」


「少しのお時間だけ、そ、そうだ、歓迎会もかねてやりましょうよ。わたくし共は貴方をまだよく知らない、仕事仲間なんですし!」

「あぁ……、えと。私は、じゃあトモぉ君がいるなら――。あぁ……いやでも」やっぱりごめんなさい。

そ、そんな、ただの交友ではないですか、少しだけでも……そう言って食らいつく男の肩を引き。オッサンが。

「やめとけぇ、あの子は無理だわ。お前が落としたい気持ちは分かるがな~? ひっひ」


所有権は王室だし、それはまぁまぁ大事だしなって。


「ぐぅぅ……、そうか。女神の恩寵ですよ……、すごいフワフワで……。この世にあるまじきほどの聖女であり、笑顔が可愛いとは、それは深い深い意味なんだよ、その男の情欲を思うがままに引き出す事だけに特化したような女性なのに、この優しいお顔を……優しいお母さんにしてやりたくなる――。そんな。これは無垢で純情可憐なだけなのに、おかしいぞ。何故か情欲を誘ってしまう天然のエロさはテンネンなんですよ、このすごさは根源への浸食であり、今私はホントの意味で驚愕なのに、私がお母さんとしたいんだという――ッ!」


うなずく男達、とりあえず、配置転換をしておくねと。絞り出してしまい、そうですよ、そうです。両方行けるでしょう、だって私のママでも良いんだ、最高じゃないですか、この小さい体でどこにそんな欲求を沸かせる源泉を持つのか、パンッパンだ! ドッチでも旨味しかない少女がこんな――。あまりこういうのはいないんだ、貴族なんていっぱいいるけど大体がヤバいのばかりで。こーんな育ちもよくて柔らかフワフワ、僕のお母さんなんてそそるでしょう!?



いや、はい。そうですね、すぐに撤去しますのでー。ひたすら石を投げながら警戒する警備のお仕事。彼女がいてよかった。

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