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「はい、じゃあ色んな属性、いっぱいどうぞぉ!」
地水火風、その全てをセットして俺がスリンガーショットで撃ち抜く、結構強くて普通の敵ならこれだけで十分。
そうしてその炎は一級で。
「はぁぁァ! 炎よ、輝け。ライジング・ブレス・シューート!」
撒いてまき散らして「乱流・ファイナルファイア・女神んアタックぅ!」
少し異世界らしい装備を羽織りて可愛いローブを纏った金色の美少女が揺れる「見事だぜ、これで全部基礎だってんだから――」
呆れる程にすごい。良い引きしてるなと、だから彼女が今使っている魔法は全てが無色の基礎魔法であって、それでも言った通り牛丼や天丼レベルになって出てくるんだわ。
もうゴブリンなんぞは相手にならず、強いと言われ始める魔法ヴォルカニック・ライトまで疑似的に使いこなし。80を超える大群で来たがその魔物たちは予想外の強さにもう足を止めて。
「よっしまだ連携はしなくて大丈夫だな、じゃあ俺らで前を守るぞエトナ」「うん、私はともぉ君に全部任せますからぁ!」
なんとか二人でさばいていく、魔法を打つ、走る、そうしてオッパイが揺れる。「お願い、はぁ……はぁ……、少し退いて欲しいの――!」
俺はそれを見ながらも手持ちのスリンガーショットで撃ち落としての補佐。狙うのは兎にも角にも虫系と、あと気持ち悪い系。基本的にはえとなを色々から守るだけだ。
「ごめん、こっち来そうだから、ねぇ……ともぉ君、お願いしても良いかなぁっ……」
確かにかなりの数だな、守らねばならない。その数はゆうに10の。ゾワゾワっと。
でもそこへヒーローが登場し。
「えとなちゃーん、俺の事見た事ないっしょー!」「はい参上よっ……、はぁ……はぁ……、俺らがこんなのあっさりとさぁ。オラオラオラ、どけぇえ――!」
「あ、駄目、無理だよぉ!?」
バカだなぁ……、馬鹿だわ。こいつらは練習とは違うんだわよ。やはり多いかよ……、そうだよなぁ? B級スキルを持ってても甘くはないぜ、戦争ってのは練習とも競技とも決闘とも違う。
「うげぇ、ひ、卑怯だぞ。なんで戦わないで行く」「お前らぁ、どんだけの数で来るんだよ、どこ行くんだ」
向こうも連携してくるんだよ、あっさりと窮地に追い込まれる。こういうのはヘビ殺しが主流だわ、突出して来たら周りを流れて囲んでやるんだ。こうすればフレンドリーファイアが狙える。
埋められたんだ。だから前衛するにはプロが必要なのによぉ。
俺はえとなを直ぐに下げさせたし魔法をも停止させるしかない、彼女は撃てない、防御だけしてろと、後退せねばならないか……。
いや、しかし面倒になったな。えとなはもう走らせるしかないわ、このうごめき猛る蜷局ヘビのような物には一歩も近づけさせられない。
た、助けてくれーー!? 声が聞こえるような……、でもこれを超えるには高度な前衛が必要。
だからそういう時こそ俺の出番だが。
「チッ――しゃあねぇな……、少し早いが、よっしゃ、じゃあ俺のこれを……っ」「行くの? ともぉ君、でもだけどこの量は」心配そうな顔でその70もが群れるのを見てて「良いから、しゃあねぇよ。それじゃ超強化をくらええぇえ!」
そうだ、これを待っていた。全身に歪な文字が浮かぶ、唯一無二のスキル。
この力があれば、彼がいれば変われるって。「でぇええい! えとなーーッ!」俺達は1つだ。
「ともぉ君! じゃあ属性開放を……、風よ、天よ! 私の居場所を開いて下さい、この世界への願いを!」
光輝く。
実はこのエトナの属性という力、丸くて力という名の純粋なボールに形成可能であり。それは最難関らしいが強烈な圧縮となってるんだわ。
えとなが幾つか浮かべてくれて魔法陣が大空へと紡がれ、特大付与術式であり強烈な力の渦が巻く、普通ならそれは制御不能。雲が力で掃けていく、それは触れば大けがでは済まないが、一筋のビームを打ち落として――。
ドォオオオォォ「おォオオオーーーーー!」俺のカラダに地響きと共に、その突き上げた拳に降って風がまとう。
驚いたモンスターたち、しかもかなりの強さであっという間に数を減らしていけるんだ。
竜巻の如し削るハリケーンが回転、血しぶき無双で。
叩きつければ乱流のごとくモンスターが飛ぶ!
そうして、見えた――、ガチガチと震えて逃げ回り噛まれているのがな。お次は炎だよ、この手は七色。彼女が七色だからどんな属性でも耐えられる。
「えとな! もっと来い、もっとだ!」「ハイ、どんどん行くね、ともぉ君だけだから……、私の属性付与に耐えられるのはぁ!」
あと何よりこの状態だとフレンドリーファイアがないんだわ、強化のウデから的が外れても吸収してしまう。超強化した上で彼女の一線級のスキルをも得れる、それが可能なのは俺だけだった。これがスキルメイトの意味、これが美少女と組めるスキルだった事で――。
「これは俺が引き受ける、任せろよ! いけぇええ!」
正に豪腕、体の隅々までが異世界で輝く、天を衝く炎。見た瞬間ケモノたちが逃げ出す程。
これなら昔、う ォぅーーーン、とか言ってキモイ声出しながら気まぐれマウントで蹴って来た奴だってボコせる。
あの俺の秘密にしてた2次元のアイドルの奴をバラしてきて、全員の前で散々アニオタの癖にってイジられたのもだ、てめぇだよ、野崎ぃ。
「うぅぅらあああ!」
「あれ使えるのホントともお君だけなのよね……」「あーーぁ、コレどうしてくれんのよぉ、ホっント、お金になるんだからねぇ!?」
せっかく餞別としてもらった鎧も溶かしてしまい、作戦までもが途切れてしまった。クラスメイトから睨まれて囲まれてる、中山田くんたちが。
「いや……、あれはさぁ? アイツの動きが悪かっただけで、大体俺らBよぉ?」「そ、そうだよ、分かるだろ? 大体あの……、アイツ陰キャで説明も下手だし次は俺らに任せてくれればもっとだわ、上手くアイツら使ってさぁ……っ?」
「は? Bクラスのあんたらじゃ無理でしょ」「じゃあさっさと仕事してよ――」
その寒い言い訳も、昔は効いてたヘラ顔も今は全く効かない。空気が変わった事が肌を通り越して芯まで。
調子づいたのが落胆へと変わる。城で求められた無双からは外れており、そうしてチームワークを旨とするここでも下っ端。
もう他のもスキルメイトがいるんだ、俺が厳選したコンボ重視の組み合わせで。




