伝わらない気持ち
この世界は全て「波」でできている。
当たり前だ。人の、全ての物質は振動している。原子に価電子が引きづられて回っており、その原子同士が結びついて安定すれば「物質」となる。
何故「価電子」は運動するのか。
当たり前だが「時間」という概念があるからだ。時間という概念がなかったら、それは「静止」であり、運動エネルギーがない状態であり、生命体としては「死」である。
全ての物質は振動している。要は「波」である。空気でもいいし、物体を通してもいいが、ある場所から発生し、干渉し、減衰する波は少なくとも「時間」という概念の下であれば全ての「事象」において観測される。
エネルギー準位とか物理学の話ではなく、単に俺の思考だが。
「思考」はどうだろうか。物理現象として考えれば、ニューロンとシナプスは電気信号である。
人体から何かしらの電気信号、もなにも、今、単に手を伸ばしてドアノブに触ろうとすれば『バチッ』となるだろう。とても痛い。
この場合は「導電」、どちらが「電気に対する抵抗値」が低い必要がある。水は絶縁体である。つまり、思考とは限らず人が何かしらの電気(波)を発生させること自体はできる。思考を電気的に伝えられるかは、脳みそを直接繋ぐようにすれば、机上の空論としてはできなくはない。
また、思考が波であれば「増幅」する。エコーチェンバーという言葉が示すとおり、小さな音が、徐々に重なり響き、やがて思考が雪崩を起こし、正常な判断が出来なくなるだろう。
ただ、レーザーも同じく「波」である。こちらは何度も「波長」を「同期」させることでエネルギーの束を作り出し、当てた先の物質を「強制共振」させて熱エネルギーを発生させる。もし、音楽の持つ力を物理的に定義したら、それはレーザーなのかもしれない。
相変わらずな「仮想世界」。
全てが「波」で作られた世界に漂う「言葉」。
『ヒーリングの勉強をしようと思うの』
知り合った方から送られてきた資料にある「邪魔するエネルギー」とやら。
ヒーリングとやらが実装されてるなら、まずは人体の電気的な乱れを直せばいいのでは?磁石でも貼り付けとけば?とりあえず、怪しすぎない?
と、こんなひとことですら、うまく伝わらない。電波が来ない部屋で携帯電話に向かって、伝わらないもどかしさに悶えている。




