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どこかの風景
ぼんやりと駅に降りる。
空は春霞の少し濁った青。
誰もいない駅前。
「バスがあるってGoogleマップにあるんですが?」
「市バスだから、来る時とこないときがあんだな。太田の駅の方ならタクシー呼べんだが」
駅員さんに話を聞いて、ため息をつきながら、諦めて。ここ、韮川駅から歩く。
ここから、イオンモール太田近くのカフェまで2.7キロ。
あっついと思いながら、しかし、市バスで来るか来ないかわかんなかったら、とかはもう、意味がない。来ないものは来ない。
本当に長閑な群馬県太田市。
クルマ社会なため、誰も街中にはいないが、家や工場を覗けば人がいる。
まあ、いいや。
散歩がてらに30分。
いつものカフェでいつものチャイ。
ひとくち飲んで、ようやく、思考回路が平常時に近くなって来ているのを実感する。
詐欺事件にあってから、ずっと、思考がおかしかった。わかっているのに、止まらない思考が怖かった。
「片道3時間半かけてきても、なんもないよ?」
「まあ」
気が向いた、というか、原風景というか。
なんで仕事をしているのか、とかぐちゃぐちゃしていたのを、ようやく確認できるようになってきた。
意識して、笑い顔を作りながら、今月で終わり!という、いちごのクリームシャンティにフォークを突き刺している。




