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僕の涙

このお話のモデルは史記の始皇帝暗殺です。

参考にしただけです。はい、それだけです。

「無事ですかフレデリカ様」

「しゃべるのはやめるのじゃ」

僕は僕を庇った護衛騎士を支えている。

その騎士は首筋と胸から血を流して笑っている。

「はやく、治療のペーパードライブを持ってこい、もしくは楓をつれて来い」

僕はフレデリカであることを忘れ支持を出す。

これを叱責する者は誰もいない。

これまで暗殺者の襲撃は何度もあった。

だが、防御魔法や護衛騎士の活躍で危ない目にあったことはない。

暗殺者も僕とフレデリカのどちらが本物かわからなくて躊躇するのもあるだろう。

だけど今回は違った。

その暗殺者は領主の首と周辺の地図をもって降伏してきた。



「フレデリカ様、降伏の証として徹底抗戦を唱えた領主の首と周辺地図をお持ちしました。」

「「ごくろうじゃったな」」

三年以上の影武者生活で妾はフレデリカと同じタイミングで発言する。

使者は妾とフレデリカを交互に見て困惑する。

「「どうした?」」

「いえ、あの、その、どちらがフレデリカ様かわからなくて、あの、どちらですか?」

「すまぬのう」「それは明かすわけにはいかんのじゃ」

このように交互にしゃべりだすことも容易い。

「そ、それは当然ですね、申し訳ありません。約束通りここ周辺の地図を持参しました。ご確認下さい。」

「そうじゃな」「領主の首を手厚く葬ってやるのじゃ」

ここで使者の眉がピクリと動いた。

堂々と周りの騎士に命令をだし騎士がそれに従う。かたやもう片方は黙ってそれを見守っている。

使者は妾が本物のフレデリカだと確信した。

使者はくるくると巻物型の地図をひろげてゆく。

妾とフレデリカはそれを覗き込むように見た。

巻物の途中に短刀が入っていた。

暗殺者は短刀を持って妾のほうに向かって突き出した。

妾はとっさに防御魔法のペーパードライブを発動する。このような短刀じゃ貫くことなど不可能な防御魔法、しかし暗殺者はとある第二魔法の使い手だった。

一回きり、耐久度を使いきると砂のように刀身が崩れるが短時間の間切れ味を増す魔法、第二魔法凶刃

防御魔法で張られたバリアがガリガリ削られていく音がする。

妾は迫力に圧倒され動けない。

回りも駆け寄ってくるだが位置が悪い。

バリンとバリアが割れる音が響く。暗殺者の短刀が妾の心臓にむかっていく。

「フレデリカ姫、その命もらったぁぁぁ」

妾は横から衝撃を受ける。

護衛騎士ではまだまだ下っ端の騎士が妾を押し倒した。

しかし首の急所に短刀があたったのか首から血が吹き出ている。

その騎士は妾を守るように暗殺者の前に立った。

暗殺者はその騎士の胸に短刀を刺した。その騎士はそれを待ってましたかとその暗殺者を抱きしめた。

暗殺者は短刀を抜こうにも体が密着していて動くことができない。

暗殺者がナイフを動かしてじたばたしても騎士はまったく動かない。

口から血を吐き出し、首から血が流れ出る。

暗殺者があきらめたように力を抜いた。

騎士は抱きしめるのをやめ後ろに倒れこんだ、妾はそれを後ろから抱き支えた。

暗殺者は武器を持ってきた。兵士に滅多刺しにされ息絶えた。




楓が駆けつけた時にはすでに治療魔法のペーパードライブが妾のところに届いていた。

「三年前の城壁でのあなた様をまじかで見てあなたに恋焦がれていまし、、た」

「しゃべるな、今治療する。」

ペーパードライブが発動する。兵士の傷がみるみる治ってゆく。だが、治ったのは傷だけだった。

傷のない綺麗な死体が僕に微笑んでいた。

僕はその場で大声で泣き出した。泣いて泣いて泣きはらした。

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