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サバゲー番長異星転生  作者: 龍に本
第三章 サイボーグ戦士 誰が為に働く
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風と油

ルルイエ水産から出ると、

先ほど見た海岸だが、

三つの太陽が落ちる夕焼けだ。



「風は初めて感じるが、

こうなのか…気持ち良いな…

夕日も綺麗だ」



暁に照らされ、

潮風に猫耳や黒髪、

袖や袴靡く甲ちゃんも、

綺麗に感じた。



「さっきかっこ可愛いと言ったが、

今の甲ちゃん美しいぞ」



「長くんも夕日に白髪照らされ、

潮風で服やマント靡いて格好良いぞ」



この甲ちゃんの評価を聞いて、

俺の中で急激に、

空回りしていた歯車が噛み合った。



「なるほど…番長、クトゥルフ、AI、和風…

バラバラに思える俺の人生の四大ピースが、

今この瞬間ようやく調和したな…」



「しかも今この状況は長くんが、

サバゲーに勝ったから生じたので、

五大だぞ」



「サバゲー、番長、クトゥルフ、AI、和風…

俺以外では噛み合わない、

カオスな歯車だな…

AIと和風はVR、義体含め、

サイバーパンクで統合可能か?」



「そろそろ暗くなるし、

黄昏と設定は、

夢見亭でゆっくり話そうぜ」



流石に興味が出て来たな‥

宇宙の居酒屋内はどんなか、

見てみたくなったな。



「ここだけアメリカンだな‥

クトゥルフ神話自体アメリカだから、

ここのがイメージ通りではあるか」



西部劇の様に、

木製スイングドアを開けると、

確かに洋風木造吹き抜け二階建てで、

座席の邪神たちは酒を飲む手を止め、

俺たちに注目した。



「おい何だあいつら‥」



「ロボットか?」



「もしやあれが例の、

ルルイエ水産の‥」



若干噂になっていた様だが、

初めて見る邪神ばかりだ。


魚人社員、漁師ではなく、

自転車配送サービスの様な、

ヘルメットやプロテクターで、

獣と虫が混ざった様な新怪物だ。



「甲ちゃんこいつら何?

表示にはアルデバラン運輸の、

バイアクヘーと書いてあるが」



「そいつらは宇宙の運送業者で、

ルルイエ水産の加工品を宇宙輸出したり、

必要物資を宇宙からインスマス漁港に輸入する、

重要な流通インフラだ。


長くんが最初に電話対応した、

ハスター社長の眷属どもだな。


今日は二階別室のVIPルームに、

ハスター社長も来ている筈だ」



「あの時の旧支配者か!

なんかアルデバラン運輸貸し切りみたいな、

占有率だなあ‥

しかし飲酒運転とかにならないのか?」



「こいつらは生身で宇宙飛ぶから、

酔い醒めるちゃ醒めるが、

近隣民宿や民泊に一泊してから、

翌日配達だ」



なるほど運ぶ仕事だけでなく、

終業後も金使って、

インスマス港の経済支えるのか…


旧支配者は一見混沌でも、

奴らなりの構造が有るから、

維持し続けられるんだな。



甲ちゃんがカウンター席座ったので、

隣に俺も座る。


バーテンダーも魚人ではあるが、

渋い…



「マスター、ウルタール油2つくれ」



「ウルタール油て何!?」



「私たち義体だから機械油だ。

飲めば部品の潤滑良くなるぞ」



「確かに機械用メニューだ‥」



バーテンダーはカクテルの様に混ぜず、

ポリ容器からウルタール油を、

2つのウイスキーグラスに注ぎ入れ、

俺たちに突き出した。



「VR旅館の売店みたいに、

ここでも既にキャッシュレス決済した。

ゴクゴク…ぶはー美味いぞ」



「慣れているな、

前に来た事有るのか?」



「今初めて義体入ったのに、

有る訳無いだろ。

博士がWeb上でのこの店情報も、

学習させたからだ。

いいから油飲んでみろ!パーツ潤滑するぞ」



「では…ゴクゴク…」



「どうだ?初めて油飲んだ感想は?」



「今まで飲んだ事無いから、

比較対象無くて難しいが、

パーツに染みている気はする…」



「そうだろう、そうだろう。

長くん体は私とほぼ同じ機械だからな。


因みにサイボーグと言っても、

オフィスでのマウスは生体パーツ多いが、

食事は電気のみな」



「あのリアルマウスも、

サイボーグだったのか…

改造度合いも色々有るんだな…」



「てか長くんは、

サイボーグの次になる夢とか有るか?」



「え?お母様の介護辞めて、

サバゲー復帰した今の時点で、

既に夢叶ったんだが…」



「無欲な奴だな…私には夢有るぞ。

宇宙中に私の量産機普及させるんだ」



宇宙中の邪神らが、

甲ちゃんをパートナーに!?

同族繁栄は生物の本能ではあるが…



「その為にはルルイエ水産を、

VRサバゲー優勝導き宇宙覇権なれば、

試作機である私の有用性が、

分かりやすく証明されるからな」



AIだから単にプログラムで、

俺を助けているとも思っていたが、

夢実現のためでも有ったのか…


甲ちゃんがAIと忘れかける訳だ…



同族繁栄が量産機て発想は、

機械らしい夢かも…



「おい、ここはブリキ野郎どもが、

来て良い場所じゃないぜ」



しかし突如背後から、

不穏で威圧的な声が絡んで来た。

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