三島由紀夫が書いたクトゥルフ
「飯にしようぜー」
「弁当有るか?」
「パン買おうぜ」
「店で食おう」
深きものども工員らが弁当、パン、外食なら、
食堂は無い様だ。
「そういや今の俺の食事何!?
義体に充電か!?
空腹感は無いが…」
『電池や動力炉はニャい!
その義体は大気中の理力吸収するから、
壊れない限りずっと動くニャ~
パソコン、工業機械、電光剣もそうだニャ』
「すげえ!戦闘力無くて地味なのに、
技術すげえ!」
『因みに長くんのその義体、
学術征服用摂理義体てニャ前だニャ♪』
「無駄に格好良い…」
学術はクティーラ博士が、
大学から持ってきたからだろうが、
征服出来るのか?
摂理は一応神である、
クティーラ博士言いなりだからか?
そもそも俺は地球では将来、
エアガン関係する企業に、
勤めたいとも思っていた。
ルルイエ水産はVRサバゲーで、
一応関係するのか?
宇宙とか旧支配者とか、
予想より派手な将来なったが…
「なんか情報量多くて、疲れたな…」
『だからその義体は、
理力で動いていて、
保存容量もいっぱい有るニャ』
「精神的にて意味だ!
動くならこの昼休みは、
外を散策するか…
ルルイエ水産の外も気になるしな」
『良いニャ!案ニャいするニャ!』
こうして俺は、
ルルイエ水産敷地から出てみる事にした。
そしてふと、
宙に浮く妖精甲ちゃんを見て思った。
「しかし今の甲ちゃんの姿可愛いから、
男の子の俺より、
女の子の周り飛んでた方が、
似合う様な…」
『気にするニャ!ノンバイニャリーだニャ』
「意地でもニャと言いたいんだな…」
ルルイエ水産門を出ると、
直ぐ水平線広がる海岸が有る。
そもそも水神ばかりだからか、
防波堤の類いは無い様だ。
「海も空も青くて綺麗だが、
太陽が三つも有る!?
暑い!だが潮風気持ち良い‥
温度と触覚センサーは有るが、
痛覚無いのは、
都合良い義体だなあ‥学ラン脱ご…
汗無いしオーバーヒートしちまう」
『綺麗でも海で泳ぐのはダメだニャ!
耐水性もまだだニャ』
「泳ぎたいとは言ってないだろ!
上着しか脱いでない!
冷却水連想したのか?
海と脱衣でAIハルシネーション起こすな!」
しかし深きものども漁師や海女は、
素潜りばかりで漁船無いのか‥
さすがは海の眷属!
クトゥルフ小説のインスマス港は、
ジメジメして暗かったが、
ここは潮騒の歌島かの様な健康的逞しさ!
ラブクラフトでなく三島由紀夫が、
書いたかの様だ…
「おっ!地球の坊主」
「この前のサバゲー、
凄かったな!」
「ははは…どうも」
ラブクラフト作品の漁師なら、
網の手入れしながら、
こんな気さくに話しかけない。
地引き網引っ張っている漁師らも要るな…
ソーラン節に限らず世界的に、
漁師は独自の熱い歌を唄うが、
インスマスならあの「ふんぐるい~」な、
呪文だろうか?
「インスマス!ファイトー!」
予想よりシンプルだった…
普通に考えて複雑な呪文では、
そうそう力出ないか…
「それと甲ちゃん、泳ぎはしないが、
あの地引き網なら俺したいが、
この義体で参加出来るのか?」
『え?色んなとこ外れるから、
それはちょっと…』
語尾に「ニャ」キャラ付け忘れマジレスとは、
相当タブーなんだな…
今の俺まるで素組みプラモだな‥
こんなデリケートな義体で、
本当に学術征服なんて出来るのか?
海はこの辺にして、
陸地をみてみよう…
山上に神社が有って、
屋根瓦の住居が複数…
日本の漁村と変わらんな!
店はばらけていて、
コンビニは見当たらないな…
漁師食堂がうちの従業員も、
並んでいる‥
コンクリートのルルイエ水産工場が、
島で一番大きな建物だな。
何か船屋みたいに、
古民家とガレージ一体化した様な、
家も有るなあ‥
「全体的に和風だが、
酒場だけ西部劇ぽいな、
夢見亭て屋号か‥クトゥルフぽい‥」
『お酒気にニャるかな?
未成年だから飲んじゃ駄目だニャ!』
「建物の話しただけだろ!
またAIハルシネーションするな!
そもそも今の俺の体では、
大人なっても飲めないだろ‥」
『機械の体でも、
飲めるメニュー有るだニャ~♪』
あ、また勿体ぶるパターンだ、
明らかに俺を酒場に、
誘導したい様だな‥
面倒だし休憩時間終わるから、
深入りは辞めよう‥
『あぁそれと、
私は用事が有ったから、
一旦バイニャら~』
「おい!午後からの仕事分からん!
まだ説明してくれ」
『午後の仕事はだいたい、
午前と同じだから大丈夫ニャ、
もう教える事はニャい!
またニャ~♪』
そう言うと妖精甲ちゃんは、
少し離れてからボンと、
煙と共に消えた。
それから午後の仕事は、
特に書く事ニャく、
確かに上手くやれて終業した。
「やはり体の疲れは無いが、
心はドッと疲れるな…
タイムカードは自動みたいだな…」
「番くん♪良いの有るよ~」
クティーラ博士に、
先ほどの研究室連れてかれたが、
VR空間戻る論調ではなさそうだな…
俺が起動した台座横に、
似た台座が並んでいて、
そこには見慣れた姿が…
「ふぅ~私も物理的に来たぞ」
「甲ちゃん!?
甲ちゃんも学術征服用摂理義体を!?」
「いや、これはAIの甲ちゃん用だから、
学術電脳用易神友機だよ」
違いは分からないが、
これまた名前だけは凄そうだ…
また旧日本軍みたいな漢字並んでいる型式…
易神は十干だからだろうが、
友機てのが特に良いな。
「何だジロジロ見て、
今の私の美しさに惚れ直したか?」
「いや甲ちゃんは綺麗より、
かっこ可愛いだが、
その姿でも語尾にニャ付けてくれないか?」
「嫌だニャ!」
「付けてくれるのか…」
「キャラ付けより長くんの、
初勤務祝いと物理現実復帰祝いに、
夢見亭で飲もうぜ」
「まじ酒場行きたいんだな…」
「私が奢ってやるよ」
宇宙の酒場でサイボーグの俺が、
ロボット娘に奢られるのも、
凄い状況だなあ…




