旧支配者と仕事始め
研究室も廊下もオフィスも、
地球人のとあまり変わらないが、
窓から見えた取締役たちが、
作業着の異形たちなのは、
大きく違っていた…
「歩いてる歩いてる!」
「本当に動くんだ!?」
オフィスで窓越しに、
驚く声が聞こえる…
まじロボット初めて見たみたいな、
反応だなあ…
ドアを開けるとそこには、
明るいが古びた町工場オフィス有り、
作業着の旧支配者たちが、
仕事の手を止め俺を一斉に見た。
奥のクトゥルフ社長やダゴン専務は、
VR旅館内でと変わらんが、
似た姿のおばさん邪神二人居るな…
こういう時こそ、
義体の字幕機能オンか!
ダゴン専務に似た魚人女は、
ハイドラ経理でダゴン専務の妻!?
クトゥルフ社長やクティーラ博士に似た、
蛸頭女はイダ=ヤアー常務で、
クトゥルフの妻…
まじ一族経営だな!
中小企業らしい…
「おぉ番くん、
こっちによく来てくれたね。
みんな彼が例の地球人だ」
クトゥルフ社長は、
一番有名な邪神なのに、
俺には優しいよなあ…
「あんた!こんな高い玩具!
どんだけクティーラ甘やかすんだい!?
漁協からの値下げ分も、
これで無くなっただろ!?」
だがイダ=ヤアー常務は、
俺に厳し過ぎる!?
「しかしだね…
この義体はミスカトニック大学備品で、
うちで買ったでなく借りたもので…」
俺の体レンタルなの!?
しかもミスカトニック大学!?
文脈的にクティーラ博士が、
通学している大学みたいだな…
クトゥルフ小説では、
人間の邪神研究大学の筈だが、
実際は邪神の人間研究大学!?
「維持費で差額無くなったて話ですよ!
社長お嬢様にガツンと言って下さい!」
ハイドラ経理も俺に厳しい!?
クトゥルフ社長、
妻と部下にタジタジだ!?
え?俺社長令嬢の、
甘やかしの象徴なの?
俺賛成派は、
クティーラ博士、クトゥルフ社長だけ!?
俺かなり危うい立場!?
「…」
あ、ダゴン専務は、
昨日かなり手柄譲ったから、
グレーな無言なったな…
はい2票、いいえ2票、わからない1票!
わからないダゴン専務がデレたら、
俺有利になれるぞ!
しかし仕事前に、
気になる疑問が…
「ところでクトゥルフ社長、
VR旅館にはどうやって、
ログインしているんですか?
俺向こうからここ来たから、
分からないんですが…」
「あぁそれですか?
まずパソコンのVRアイコンクリックして、
椅子にもたれて目を閉じれば…」
「えっ!?体にプラグ挿入やゴーグルやデバイスじゃないの!?」
「地球のVRログイン、
そんなだったんですか!?
宇宙では昔はプラグだった様な…」
「子どもの頃図書館では、
プラグ挿入残ってましたね」
ダゴン専務ようやく口開いたが、
プラグ挿入はレーザーディスク並みに、
時代遅れなログイン!?
「地球ではゴーグルでしたが、
クリックして目を閉じるだけな、
宇宙凄いですね…
操作レバーとかは?」
「それは使う邪神も居るが、
使わない邪神も居る位ですね…
うちでは使わないかな…」
「ほらほらあんた!
設定説明終わったなら、
早く仕事して儲け出しな!」
俺はイダ=ヤアー常務に背中を押され、
ダゴン専務隣の空いてるデスクに、
座らされた。
「しかし宇宙の仕事て、
一体何をするんだ!?
スペースデブリ回収か!?」
『それは私が教えるニャ!』
すると突然煙と共に、
半透明でトンボの様な羽根が生えた、
喋る黒い仔猫が現れた。
「何だお前?ケット・シー?
尻尾二本だから猫又?
ひょっとして甲ちゃん!?」
『そうだニャ!
私は義体まだだから、
今はこの立体映像アバターで、
長くんにお仕事教えるニャ!』




