課題と勝利
「ギョッ!?」
漁協会長がマグチェンジする、
一瞬の隙を突いて、
俺は樹の前に出た。
「自ら出るとは愚かな!
食らうギョ!」
漁協会長はG11を構え、
フルオートで乱射し直すが、
歩み寄る俺には当たらない…
思った通りだ!
俺には本当は当たる筈でも、
「避けよう」と認識すると、
VR空間のデータなった俺は、
グラフィックがバグって的確に避ける!
地球でサバゲー時なら、
クトゥルフ社長複数ベレッタや、
漁協会長フルオートなんて、
正面からは普通にヒットだよな…
『番 長一ヒット!』
「えっ!?今バグで避けれたと思ったのに、
当たり判定か!?」
『あー確かに漁協会長が、
直接撃った弾は大丈夫だったけど、
石に当たった跳弾はヒット扱いだね』
つまり俺は、
スナイプやブービートラップなら、
普通にやられる?
クティーラ博士に説明されると、
俺の体が徐々に消えていく…
今まで俺に撃たれた邪神たちみたいに…
あくまでサバゲー中のみだよな!?
「ギョッギョッギョッ!
よく分からんが貴様の負けだギョ」
漁協会長は勝ち誇り、
G11を肩に笑い始める。
「いや!まだ俺たちの勝ちだ!」
「なにい!?」
「フラッグ取りました~!」
『試合終了!ルルイエ水産チーム勝利』
「あっ!?」
漁協会長が振り替えると、
ダゴン専務がインスマス漁協チームの、
大漁旗を持っていた。
そう、これは殲滅戦でない、
フラッグ戦なんだ。
俺自身は戦術的に負けても、
ルルイエ水産チームが、
戦略的には勝った!
ぶっちゃけ俺一人で走った方が、
漁師たち倒しながら、
今より早く勝っていた。
だがそれでは、
俺だけレベルアップして、
社長や専務は何も出来ない…
負け癖付いてしまった邪神らに、
勝利の具体的ヴィジョンを、
味あわせる必要が有る。
まあ人間の俺が舐めプし、
旧支配者に教えるてのも、
おこがましいのだが、
平和ボケした宇宙人に、
好戦的蛮族が出来る事だ。
それに俺に批判的な、
ダゴン専務に手柄譲る事で、
かなり好感度上がった筈!
「おぉゲーム終了すると、
体戻るんだな!良かった…
あのまま本当に消えたら、
どうしようかと…」
「…」
ダゴン専務俺に、
花ならぬ旗持たされて、
動揺しているな?
俺とダゴン専務が凱旋し、
ルルイエ水産チームのフラッグ地点戻ると、
甲ちゃんとクトゥルフ社長は、
喜んでいた。
「やったな!
アウトドアでも2丁拳銃不安だったが、
外でも強いじゃないか!
私は一人仕留めたが、
残り一人に社長ともどもやられ、
うちのフラッグ取られる寸前だった」
そんなギリギリだったのか…
てか甲ちゃん一人は倒したなら、
クトゥルフ社長よりは強いのか?
勝利の喜びに水差すのも難だから、
そこはスルーするとして…
「いやいや~俺は漁協会長にやられたし、
フラッグ取ったのはダゴン専務だよ」
俺は謙遜しながら、
親指でダゴン専務を指差したが、
よく見るとダゴン専務泣いている!
そこまで!?
「うっうっ…遂にやりましたよ社長…」
「よくやりましたね…
これで魚仕入れ値下がる」
感涙するダゴンを、
クトゥルフが触手で労う、
新感覚過ぎるクトゥルフ神話だ…
しかも魚の安さで!
NPCにラブクラフトやダーレス居たら、
腰を抜かしそう…
「ふふーん、やっぱ番くん強いね~
ただ勝つだけじゃなく、
チーム全体に貢献だなんて」
「確かに凄いギョ…」
「VRサバゲーで、
爆破漁やバグなんてギョ…」
審判のクティーラ博士と、
対戦したインスマス漁師たちも、
俺を評価してくれた。
ここに転生して良かったかも…




