VRの衝撃
VR旅館の客室に戻ると、
飲み物が飲みたくなった。
「こういう客室冷蔵庫の、
瓶の飲み物良いんだよなあ♪」
だが栓抜きで、
いくら開けようとしても開かない…
ゲームのバグみたいに、
すり抜ける…
「まさか!?」
テーブルのお菓子包装も、
全く開かない…
むしろ食品サンプルみたく、
袋まで固い…
「これどうなってんだ!?
飲み食い出来ないぞ!?
甲ちゃん分かるか!?」
「だってここVR空間で、
お前データなんだぞ?
喉渇いたり腹減ったりしてるか?」
「してない…」
「データなんだから、
肉体的な制限、
わざわざ要らないだろ」
「確かにそうだが、
ゲームなら回復アイテムとかで、
食べ物が…」
「サバゲーで撃たれても、
終了したら体元に戻っただろ?」
「それなら強化アイテムとか!」
「お前もう強いじゃん、
これ以上必要有るのか?」
チート無双なら良い様に感じていたが、
飲まず食わず平気て意味は、
前代未聞だ!
「もしかして寝る必要も?」
「肉体無いから無いな。
あと昼夜も四季も無い、
ずっと明るいままな。
ずっと遊べて合理的だろ?」
「マジかよ…なんか精神的に疲れる…
地球ゲームでも高度なのでは、
有る要素なのに」
日本庭園が緑豊かで夏っぽいが、
暑くなくて蝉の鳴き声無いから、
季節感無いなと思ってはいたが…
孝ちゃんは宇宙AIだから、
地球人の感覚あまり分からない様だ。
『おぉーっと!肉体無くても、
有った頃の感覚に縛られる!
貴重な地球データだね~』
再び壁がディスプレイ越しの、
触手な邪神態のクティーラ博士表示された。
「四季グラフィックは、
難しいから後回しにするけど、
その部屋の飲食物は一応飲食可能に、
設定し直しといたよ♪
細かいあじや
日の入りや星空はまだだけど、
一応空を黒くはしてあげるね!
睡眠は精神の休止モードとしても、
必要かあ…」
「博士ありがとう助かる!」
確かに袋開く様になったな…
味は…無いが、
食べれるだけかなりマシか。
「甲ちゃんお茶を…」
「うるさい何時代だと思ってる!?
お前のが近いから自分で淹れろ!
私のもな」
女だからとお茶汲みしない、
孝ちゃん服装古風でも、
ジェンダー現代的だなあ…
お茶もやはり味はせず、
甲ちゃんは「これ飲む必要有るのか?」
と疑問抱いたりと、
色々有ったが布団を敷いて就寝した。
VR空間自体が夢みたいなもんだからか、
疲れてぐっすり寝たのか、
夢は特に見なかった。
『番くん!番くん!起きて』
「むにゃむにゃ…博士?
寝起きにその触手顔はきついな…」
翌朝クティーラ博士が、
禍々しく嬉しそうに俺を起こした。
『うちのチーム初勝利貢献の御褒美に、
こっちの物理現実に出してあげる♪』
「えー!?」




