チャプター4
2
渚は、後悔していた。
少し、いやかなりの後悔だ。
何で、会おうなんて言っちゃったんだろう。
自分でも判らない。
元々、渚は口ベタだし。男に対して自分からガンガンいけるタイプでは無かった。
そもそも、渚はテレクラに電話した事自体初めてだった。
何故、そんな女がテレクラに電話したのか?
半年前に、付き合っていた彼氏と別れてからいうもの、友達がバイトしている居酒屋【魚山】へと毎夜足を向けていた。
毎日、一人酒を飲んでは泣き崩れる渚を見た彼女は、テレクラを薦めた。
「テレクラに電話してみれば?いい男いるかもよ」
冗談の様な会話。
最初は、乗り気がしなかった。
テレクラに電話してくるのは、ヤル事しか頭にない男ばかりだと思っていた。
もし、最初に出た男が変な男だったら直ぐに切ろう。
そう思っていた。
今は、テレクラで一番最初に出た男が、テレクラを薦めた友達がバイトしている居酒屋で、ビールを片手に焼き魚を突っついていた。
目の前で、焼き魚を突っつく男が、変な男には見えなかった。
まだ、あどけなさが残る表情と低いのギャップにドキドキした。
電話で話していた時と、大分イメージが違った。
(何で、テレクラなんかに電話したんだろう?達也君モテそうなのにな。っていうか、ウチのタイプぅ~?)
「全然、食わないね。ダイエットしてんの?要らないなら貰っちゃうよ」
渚は、目の前の男に見とれた。
妄想が暴走して、達也の声は耳に入っていない。
(ハァ、ドキドキだよ~。こうなったら、ガンガン飲むしかない)
「ヨッシャ!」
気合いを入れた、その時、達也が渚の焼ナスを食べ様としていた。
「あぁ、ウチの焼ナスッ」
悲痛な声を揚げるも、時既に遅し彼女の焼ナスは達也の胃袋に消えていった。
「だって食べないから、ダイエットしてんでしょ?」
「えぇッ、誰もそんな事言ってないぃッ!」
大好物の焼ナスを食べられ、手足をジタバタさせ、子供の様に駄々を捏ねた。




