始まりの神社(sideシュン) 19
「これからの事なんだ。今日で八八が本物だというのはわかった。この地図のエリアを制覇するんだとすると、日本中を巡らないと行けないことになる。このまま、御朱印巡りを続けて、八八の制覇を目指すのかどうかを皆に確認したい。」
「僕は、続けたいと思ってます。今まで、こんなにワクワクすることなかったし、こんな 自分がもしかしたら、世の中の役に立てるかもって思うと、ぜひ制覇を目指してみたいって思いました。」
ユウは、下を向いてしばらく考え込んだ後、力強く言った。
「僕もみんなと一緒に巡りたいと思ってます。でも、アヤの事を考えると、すぐに一緒に行くって言えません。勝手言って申し訳ないですが、アヤの回復を確認するまで保留でもいいですか。」
そんなユウの様子を見ていた僕は、申し訳なく思いながらも正直に気持ちを告げた。
「二人の考えは分かった。実は、俺と会長は、事前に話をしていて、今回の結果に関わらず、この御朱印帳を制覇しようって決めてたんだ。単なる学生の俺たちが、世界に関われるかもしれないと思うと、自分の力を試してみたくてな。シュン、もちろん、アヤちゃんのことは俺たちも何とかしたいと思っている。どうしたらいいか一緒に考えていこう。」
「ヨシ先輩、ありがとうございます。」
僕は、ヨシの言葉に目を潤ませたのを誤魔化すように、お猪口を一気にあけた。
「とりあえず、次の行き先をどこにするか決めようか。」
会長は、御朱印帳の近畿のページを開き、テーブルに置いた。
「場所も大阪だけでなく、京都、奈良、和歌山、兵庫と近畿各地に散らばってるし、祈祷 使いの情報もないから、どこから行くべきか悩ましいな。」
ヨシ先輩も、早く次に行きたくて、近畿のページに載っている地点を見るも、どこにすべきか決めかねている様子だった。
「あの、もしよかったら次に行きたいところがあります。」
ユウが、おもむろにある地点を指さした。
「この5番目に『御香宮神社』ってのがあるじゃないですか、ここに行ってみたいです。」
僕たちがその地点を見るとユウは、理由を説明しだした。
「僕は、初めて聞いたところなんだけど、なんでここに行きたいんだ?」
僕は、なぜここをユウが選んだのか分からずに尋ねた。
「僕って鼻がいいスキルを持ってるじゃないですか。だから、香りについて色々、調べた事があるんです。そうしたら、京都の御香宮神社にある「石井の御香水」ってのが気になってたんです。」
その話を聞いた会長は、しばし考えた後、結論を出した。
「メンバーの一人が行きたかった場所が含まれているのも、何か理由があるのかもしれないな。次は、ここに行くか。」
「会長、ありがとうございます。」
「次は御香宮神社ってことですね。ちょっと待ってください。今から、行き方を調べますね。」
僕は、すぐに携帯で神社までのルートを調べはじめた。
「最寄り駅は、伏見桃山駅か。明日の集合は、伏見桃山駅に10時でいいか。」
僕の携帯の画面を確認した会長は、明日の段取りを決めて告げた。




