始まりの神社(sideシュン) 04
僕たちは、巫女の後を付いていき、本堂の裏に案内された。
「ここです。ここは私たちの休憩部屋なんですが、この時間なら誰も来ないので、さ、どうぞ。」
僕たちは、巫女に案内された部屋に入っていった。部屋は和室の簡素な造りで、部屋の真ん中に大きな机が一つあるだけだった。
「さ、何をお困りなんですか。私でできることでしたら、お手伝いさせていただきます よ。あ、自己紹介がまだでしたね。私はこの露天神社で巫女をしているアオイと申しま す。」
アオイと名乗った巫女は、お茶を出した後、僕たちの前に座ると自己紹介をした。
ユウを除く僕たち三人がそれぞれ自己紹介をした後、会長は、お茶を一口飲んで話を始めた。
「実は、・・・」
会長は、露天神社に来た理由を説明し終えると、ホッとしたようにお茶を飲んだ。
「そうなんですか、それは不思議な話ですね。で、お初天神に来られたものの手がかりがないってことなんですね。」
会長の話を静かに聞いていたアオイさんは、少し考え込むようなそぶりをみせた。
「アオイさん、何かヒントでもないでしょうか。」
ユウは、身を乗り出しアオイさんに尋ねた。
その様子を見た僕は、思わずヨシ先輩の方を見るとヨシ先輩もこちらを見ていた。
(アオイさん・・ユウ、、親しすぎるだろ)
「皆さんが、色々調べても分からなかったとなると、もしかしたら、お初天神の秘密に 関係があるのかもしれませんね。」
アオイさんは、僕たちを順に見つめるとそう告げた。
「お初天神の秘密?それって何なのですか。」
会長は、思わず身を乗り出していた。
「一般には公開されていませんが、この神社には、代々受け継がれている秘話があるんです。」
「アオイさん、それを教えてもらうことはできませんか。」
「教えてあげたいんですが、はいどうぞ、というわけにはいかないです。」
会長の興奮ぶりに対して、アオイさんは静かな様子で話し続けていた。
「え、アオイさん、そんな事をいわないで教えてくださいよ。」
ユウが、アオイさんの手を取り、懇願した。
「この話は、露天神社に認められた人にしか伝えることはできないんです。」
アオイさんは、静かにユウの手をほどき言った。
ユウは、思わず、アオイさんの手を取ってしまったことに驚いたのか、自分の手をしばらく見ていたが、顔を上げるとアオイさんにどうすれいいのか問いかけた。
「皆さん、神前試合に挑んでみますか。」
アオイさんは、意を決したように僕たちに告げた。
「神前試合。それって、何をするんでしょうか。」
会長は、四人を代表するようにアオイさんに問いかけた。
「命をかけた勝負というわけではないですが、簡単なものでないのも確かです。それに チャンスは一度しかありませんので、慎重に考えてみてください。私は、少し席を外し ますので、皆さんで相談してみてください。」
そういうと、アオイさんは立ち上がり、部屋を出ていった。
「彼らなら、きっと・・・」
「会長、どうしますか。」
僕は、アオイさんを見送ると突然の話しの展開についていけず、会長の方を見つめた。
「ヨシはどう思う。」
会長も急な展開に頭の整理ができていないようだった。
「何も手がかりがない以上、神前試合をやるしかないんじゃないでしょうか。」
ヨシ先輩は、すでに神前試合に挑むつもりのようだった。その考えを聞いて僕も気持ちが固まった。
「僕もそう思います。僕たちなら何とかなりますよ。」
僕は、皆を鼓舞するようにこぶしを握りしめて言った。
「ユウは、どう思う。」
「僕は、アオイさんなら、そんなひどい勝負を言ってこないと思うんです。だから、勝負 を受けてもいいと思います。」
ユウは、一人アオイさんを信じ切っているようであった。
「皆さん、考えはまとまりましたか。」
しばらくすると、アオイさんが部屋に戻ってきた。
「神前試合に挑ませてもらいます。」
会長の顔は、覚悟を決めた表情だった。
「そうですか、では、こちらについてきてください。」
アオイさんは、四人を促すと扉の外に出ていった。




