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八八冒険記  作者: 夢形えいて
1章
11/51

始まりの神社(sideシュン) 04

 僕たちは、巫女の後を付いていき、本堂の裏に案内された。

 「ここです。ここは私たちの休憩部屋なんですが、この時間なら誰も来ないので、さ、どうぞ。」

 僕たちは、巫女に案内された部屋に入っていった。部屋は和室の簡素な造りで、部屋の真ん中に大きな机が一つあるだけだった。

 「さ、何をお困りなんですか。私でできることでしたら、お手伝いさせていただきます よ。あ、自己紹介がまだでしたね。私はこの露天神社で巫女をしているアオイと申しま す。」 

 アオイと名乗った巫女は、お茶を出した後、僕たちの前に座ると自己紹介をした。 

 ユウを除く僕たち三人がそれぞれ自己紹介をした後、会長は、お茶を一口飲んで話を始めた。

 「実は、・・・」 

 会長は、露天神社に来た理由を説明し終えると、ホッとしたようにお茶を飲んだ。

 「そうなんですか、それは不思議な話ですね。で、お初天神に来られたものの手がかりがないってことなんですね。」

 会長の話を静かに聞いていたアオイさんは、少し考え込むようなそぶりをみせた。

 「アオイさん、何かヒントでもないでしょうか。」

 ユウは、身を乗り出しアオイさんに尋ねた。

 その様子を見た僕は、思わずヨシ先輩の方を見るとヨシ先輩もこちらを見ていた。

 (アオイさん・・ユウ、、親しすぎるだろ)

 「皆さんが、色々調べても分からなかったとなると、もしかしたら、お初天神の秘密に 関係があるのかもしれませんね。」

 アオイさんは、僕たちを順に見つめるとそう告げた。

 「お初天神の秘密?それって何なのですか。」

 会長は、思わず身を乗り出していた。

 「一般には公開されていませんが、この神社には、代々受け継がれている秘話があるんです。」

 「アオイさん、それを教えてもらうことはできませんか。」

 「教えてあげたいんですが、はいどうぞ、というわけにはいかないです。」 

 会長の興奮ぶりに対して、アオイさんは静かな様子で話し続けていた。

 「え、アオイさん、そんな事をいわないで教えてくださいよ。」

 ユウが、アオイさんの手を取り、懇願した。

 「この話は、露天神社に認められた人にしか伝えることはできないんです。」

 アオイさんは、静かにユウの手をほどき言った。

 ユウは、思わず、アオイさんの手を取ってしまったことに驚いたのか、自分の手をしばらく見ていたが、顔を上げるとアオイさんにどうすれいいのか問いかけた。 

 「皆さん、神前試合に挑んでみますか。」

 アオイさんは、意を決したように僕たちに告げた。

 「神前試合。それって、何をするんでしょうか。」

 会長は、四人を代表するようにアオイさんに問いかけた。 

 「命をかけた勝負というわけではないですが、簡単なものでないのも確かです。それに チャンスは一度しかありませんので、慎重に考えてみてください。私は、少し席を外し  ますので、皆さんで相談してみてください。」

 そういうと、アオイさんは立ち上がり、部屋を出ていった。

 「彼らなら、きっと・・・」 

 「会長、どうしますか。」

 僕は、アオイさんを見送ると突然の話しの展開についていけず、会長の方を見つめた。

 「ヨシはどう思う。」

 会長も急な展開に頭の整理ができていないようだった。

 「何も手がかりがない以上、神前試合をやるしかないんじゃないでしょうか。」

 ヨシ先輩は、すでに神前試合に挑むつもりのようだった。その考えを聞いて僕も気持ちが固まった。

 「僕もそう思います。僕たちなら何とかなりますよ。」

 僕は、皆を鼓舞するようにこぶしを握りしめて言った。

 「ユウは、どう思う。」

 「僕は、アオイさんなら、そんなひどい勝負を言ってこないと思うんです。だから、勝負 を受けてもいいと思います。」

 ユウは、一人アオイさんを信じ切っているようであった。

 「皆さん、考えはまとまりましたか。」

 しばらくすると、アオイさんが部屋に戻ってきた。

 「神前試合に挑ませてもらいます。」

 会長の顔は、覚悟を決めた表情だった。

 「そうですか、では、こちらについてきてください。」

 アオイさんは、四人を促すと扉の外に出ていった。

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