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女子会

俺はまたアーサー王国に戻ってきた。

最近往復が多い気がする。


ウインは追加で大型船を作るためアーサー王国西の港町に出かけていた。

海上交易が思ったより好調らしく、船が不足したのだ。

造船工房の建設すら終わっていないらしく、俺が作ることにした。


「最近ウインと一緒にいる時間が少なくてさみしいです。」

ルナが王城で愚痴をこぼす。

ウインは内政とレベルアップの手伝いでしばらくみんなと会っていなかった。


「今は四天王もいるから、女子会を開かないかい?」


「良い考えです!女性陣が揃うことは中々ありません!すぐに支度をします。」


「僕は四天王を呼んでくるよ。」


こうして、中庭の庭園で女子会が開かれた。

四天王

エムル

ベリー

ルナが集まったが、メアだけは討伐任務でいなかった。


遠目で見ていた警護の兵士はちらちらと中庭を見ていた。


「おい、奇跡が起きているぞ!」


「ああ、三大天使と美人四天王が揃ったな。」


「メアさんがいないじゃないか!」


「今は討伐任務中だ!くそ、パズルのピースの残りは完成しないのか!」


「いや待て!今7人もそろっているんだ!これは奇跡だ!」


「奇跡だな。きっと会話の内容も素晴らしいに違いない!」


そんなことはなかった。

エムルがいるのだ!

絶対にそんなことにはならないし、ルナもストレートな発言をするのだ。


「ウインのガードが固すぎるんだよ。性欲はあるのに異様に我慢強いんだ!」


「そうですね。あの忍耐力はかなりのものです。」


セイラは会話の内容が気にはなっているが、話を出来ないでいた。


「セイラ、聞きたいことがあったらウインのことを聞いておいた方が良いぞ!」


「わ、私は別に・・・・」


残りの四天王がセイラを見てにこにこ笑う。


「セイラ、何でもいいから質問してごらん。君はいつもこういうときに質問をしないんだ。たまには会話に入らないかい?」


「ウイン様のことは関係ありませんが、私たち四天王のイメージを直した方がいいんでしょうか?」


「どうしてそう思うんだい?」


「前にウイン様に指摘・・・・」

セイラは赤くなった。

ウインの事は関係ないと言って置きながら、すぐにウインの名前を出して恥ずかしくなったのだ。


「いつもウインのことを考えてる。」

バンピーはさらににやけた顔になった。


「ち!ちが!」


「恥ずかしがらなくていいんだよ。」


「ウインはセイラのことを気に入っていますよ。」


セイラはしゃべらなくなった。


「ベリーも会話に参加しないかい?」


ベリーがびくんと反応した。

セイラのような目にあいたくないため、気配を消していたのだ。


「ディアブロ王国に行ってたウインは何をしてたの?」

うまく話題をすり替えた。エムルとまともに話をしてはいけない!

ベリーの本能が全力で受け流すべきだと告げていた。


「弟のレベル上げを手伝ってたんだぞ。」


「アカには弟がいるのね。ウインと一緒だったら、ウインに抱えられて魔物の群れに突入したんじゃない?」

アカの身長が小さいので、アカの弟がウインに抱えられるイメージを思い描いたのだ。


「アカの弟は大きいんだよ。」

バンピーが指摘する。


「え?ごめんなさい。血がつながって無かったのね。」


「実の兄弟だぞ!」

アカはムスッとした。

アカに身長の事を言うと不機嫌になる。


ルナが場を察して話を切り替えた。

ルナ「それでオガさんは無事に強くなったんでしょうか?」


「レベル69から92になったんだぞ。」


「ウインの魔物呼び訓練に耐えたのですか?オガさんはかなりすごい人なのでは?」

ルナは興味津々で言った。


「ウインがオガを森に閉じ込めて無理に戦わせただけだぞ。」


「ウインは耐えられるギリギリを攻めてくるんだ。オガはウインに認められているのさ!」


「この短期間でここまで強くできるのはウインだけですね。」


「ウインには感謝してるんだぞ。」


「お菓子食べたい。」

バンピーもルナに負けないくらいお菓子好きだ。

さっきから裏に用意してあるお菓子の匂いを嗅ぎつけていた。


「失礼しました。すぐにお持ちしますね。」

メイドによってたくさんのケーキが運ばれてきた。


バンピーはケーキが机に置かれた瞬間にお菓子を食べ始めた。

ケーキがおかれる前にフォークを構えていたのだ。


「私たちもいただきましょう。」


「バンピー、たべすぎ。」


「大丈夫ですよ。お菓子はたくさん用意しています。私もたくさん食べますよ。」



そこに兵士がやってきた。


兵士は敬礼しながら言った。

「いきなりで恐縮ではありますがお願いがあります。」


「なんでしょう?」

「皆さんを、魔道カメラで撮らせていただきたいのです。」


「私は大丈夫ですが・・・」


「四天王と僕も大丈夫だよ。」


四天王はえ?という顔をしていた。


「わ、私ははずかしいわ。」

ベリーがやんわり拒否をする。


「良いじゃないか!良い思い出になるよ!」


「わ、わかったわよ。」


こうして、女子会は撮影会へと変わった。







兵士たちは団子になって写真をのぞき込んでいた。

「おい、見ろよ!三大天使と美人四天王の写真だ!」


「譲ってくれ!ルナ様のが欲しい。」


「俺はチョコの写真!」


「みんな落ち着けよ。焼き増ししてみんなに配る。」


「何をしているのかな?」

ホープ大臣の声を聞いた瞬間、兵士は敬礼をした。


「写真の話をしておりました。」


「見せてもらっても良いかな?」


「は!」


「ふむふむ。なかなかきれいに撮れている。この写真を譲ってもらえないだろか?新聞への資料として使わせてほしいのだが?」


「は!焼き増ししてお届けします。」


「よろしく頼む。もちろん謝礼も少しばかり出させてもらおう。」


こうして無事新聞に写真が載せられた。

これにより、アーサー王国内で四天王の人気が高まった。。


このことで、デイブックは思わぬ打撃を受けることになる。




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