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オガのレベルアップ

俺は魔王のいる応接室へと向かった。


「ウイン、来たか。」


「支援要請というのは?」


「四天王のレベル上げを手伝ってほしいのだ。」


「それは良いけど、唐突だな。」


魔王は俺をじっと見た。

「アーサー王国では騎士団の隊長クラスのレベル上げを手伝っていたそうだな。」


「そうだけど、?」


「・・・・・ずるくはないか?」


「ん?」


「アーサー王国だけレベル上げをして、ディアブロ王国のレベル上げをしないのはずるくはないか?」

魔王ってエムルの親だな。やっぱ似てるわ!


「ずるいか?だってディアブロ王国の方が強いだろ。」


魔王の口調が速くなった。

「我が国の人口は20万でアーサー王国より多い。つまりわが国では少ない精鋭で皆を守る必要があるのだ。そう考えると、アーサー王国は100人隊長も含め、12人の精鋭がいる。だがこの国には四天王と私の5人しかいない。足りないのだ!精鋭が足りない!だからせめて四天王のレベルだけでもあげたいのだ。加えて私はずっと政務でこもりっきり!私は緊急時以外、外に出ることができないのだ!毎日毎日12時間政務にかかりっきりだ!」


・・・・・

「少し落ち着こうか。」


魔王は得意の土下座をお見舞いした。


しかも。


「グラビティ土下座!」

しょっぱなから上位の土下座をぶち込んできた。


「や、やらないとは言ってないだろ!頭を上げてくれ!」


魔王はすっと元の席に戻る。


「レベル上げは手伝うけど、魔王、内政は楽になっていないのか?」


魔王はそっと下を向いた。


「なあ、今アーサー王国はデイブックから人を受け入れてる。今までアーサー王国は人が不足してたけど、状況が変わってきているかもしれない。俺の方でアーサー王国に文官の派遣と、アーサー王国への留学生の増員を頼んでも良いか?」

文官の派遣によって今の状況を改善し、留学生の増員を図ることで、数年後の文官不足を補う作戦だ。


「頼む。」


「俺は、その手紙を書いてから四天王のレベル上げを始める。文官と留学生は何人まで必要?」


「文官と留学生各1000人ずつまでなら財政的に問題ないな。」


「分かった。各1000名な。」

魔王、働きすぎだな。

ストレスをためすぎている。





四天王と俺は、ディアブロ王国内の魔物狩りをしつつレベル上げを行った。


「四天王の中だと、セイラのレベルが高いな。」


「そ、そんなことは。」

セイラはなぜか赤くなった。


「セイラ、よかったんだよ。」

「セイラ、うれしそうだぞ。」


「は、早く魔物を狩りましょう!」

セイラは顔を隠すように前へと進んだ。





「うーん、みんな固有スキルがレアだから、レベルが上がりにくいな。」


固有スキルの場合、ジョブもレアジョブとなり、レベル上限が1000となる。

一般ジョブはレベル上限が100だ。

レベルが上がれば上がるほど上げにくくなるのだ。特に100を超えるとなかなか上がらない。


「弟を鍛えたいんだぞ!」

「ウイン様、私も同じ意見です。」

アカとセイラが急に切り出した。



「ん?アカの弟?」


アカは「近くにいるから呼んでくるぞ!」と言って出かけて行った。

またちっこいのが増えるのか。





「連れてきたぞ!」


「おら、オガっていうだ!がんばるだよ!」

アカは小さいのに、オガは大きいな。俺よりも頭一つ分くらいでかい。

アカが妹のようだ。




オガのレベルは69の固有スキルが暗黒重騎士か。レアスキルだな。

ちょっとレベルが低いな。でも、やってみるか。


「早速魔物を呼んで戦ってみよう。魔物呼び!」


魔物が集まってきた。


「うわー!いっぱいいるだよ!」

オガは怖がっていた。


「こ、こっちくるなあ!」

どがん!


ドゴン!


オガに近づいた魔物は、オガのこん棒と大盾で吹き飛ばされていた。


結構強いな。大盾のおかげでダメージも受けにくいし、でも怖がりだな。


「アカ、オガっていつもあんなに怖がってるのか?」


「そ、そうだぞ。」


「四天王の次に強いのがオガってことで良いのか?」


「その通りです。」


「うん、四天王のレベルアップは後回しにして試しにオガを鍛えてみよう。セイラ、魔王には連絡しておいてくれ。」



「わかりました。」

四天王は帰っていった。


「オガ、しばらく頑張ってみよう。」


「ひい!」

俺の笑顔が怖かったのかオガはおびえていた。







「うああああ!!!」


俺はオガに魔物のターゲットをとってもらい、気配を消した。



「ひいいい!」


ばきん!

どこん!


「うあああ!ウイン!どこにいるだ!?」


どかん!べきん!


オガは奇声を上げ、おびえながらも魔物を倒していた。

オガを鍛え始めて分かったんだけど、オガに逃げ道を用意しちゃいけない。

魔物に包囲されないとオガは戦わずに逃げてしまうのだ。

後俺が一緒に戦っても駄目だ。俺の陰に隠れようとする。



オガは泣きながらも魔物を狩っていく。


山の中でどこにいるかわからないようにし、徹底的に逃げ道をなくして強制的に毎日毎日くたくたになるまで戦わせた。


オガのレベルは92になった。

本当は100まで上げたかったが、そこまですると時間が無くなる。


「オガ、よく頑張ったな。たくさん戦ったんだ。みんなのところに帰ってゆっくり休もう。本当によく頑張ったよ。」


「おらほめられただか?」


「ああ、褒めたぞ。」


「おら、おらうれしいだ。」

オガは泣きそうになっていた。






魔王城


俺たちが魔王城へと帰ると、魔王が出迎えた。


「ウイン、オガ、ご苦労だったな。」


「オガは頑張ったぞ。今レベル92だ。」


「オガ、よく頑張った。立派になったな。」


「おら、おら魔王様に褒めてもらえただ!」

オガはうおーんと泣き出した。

今まで苦しい思いをさせすぎたかもしれない。


「オガがそれだけ頑張ったんだ。自信を持って良いぞ。」


「アカも心配している。みんなで食事にしよう。」


アカが走ってきた。


「オガ!」


オガのボロボロの装備を見てアカはウインを睨んだ。



「しばらく山にこもって、オガにどんなひどいことをしたんだ?」


「たくさん戦ってもらった。レベル92になるまでな。」


「アカ、落ち着け。ウインはオガに強くなってほしくてレベル上げを手伝ったんだ。」


「自信を、つけたかった。」


「おらのために、おらのために、うおーーん、うおーーん。」

オガは号泣した。


「アカは弟思いだな。」

俺はアカの背中を軽くたたく。


アカは赤くなる。


「ははは!肌まで真っ赤だ。全身赤くなったな。」


アカは照れた。


最後までお読み頂きありがとうございます!ここまで少しでも、ほんの少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!

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